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「人材の確保」という観点から、避けて通れない取り組みと思っています。:読書録「リデザイン・ワーク」

・リデザイン・ワーク 新しい働き方
著者:リンダ・グラットン 訳:池村千秋
出版:東洋経済新報社(Kindle版)

「LIFE SHIFT」シリーズのリンダ・グラットンによる、「コロナ後」の<働き方>に関する著作。
グラットンさん自身は「新しい働き方」についてはコロナ前から研究してたようですが、それがコロナ禍によって加速したのもあり、その影響なんかも踏まえて内容をまとめています。


コロナ禍については「終息しつつある」というのが大きな見方でしょうが、その認識や状況は地域・国・組織・個人においてかなりバラツキがあります。
その中で「コロナ後」を見据えた<新しい働き方>を打ち出すことは、「コロナ禍」の影響を受けすぎるんじゃないかと思わなくもないです。
ただイーロン・マスクのTwitterでの勤務スタイルをめぐる主張なんかが大きく取り上げられてるところなんかを見ると、<コロナ禍>の反動がこれから大きく出てくる可能性もあり、そういう意味ではこのタイミングでモバイルワーク・在宅勤務なんかのメリデメを踏まえた<新しい働き方>の方向性を打ち出しておくことには意義があるのかもしれません。
(Twitterの状況はかなり個別性の高い話と僕は捉えてはいますが)


主張の大きな流れはそれほど突飛なものではないです。
・業種・仕事・業務によって<新しい働き方>の方向性(在宅勤務・オフィスワークの割合等)は異なる。
・トップダウンではなく、広く業務を実際に行なっている人たちの意見を吸い上げていくことが必要。(この「やり方」こそが本書の主眼かもしれません)
・リーダー/マネージャーが担う役割は大きい。トップダウンではなく、コ・クリエーションをどうやって実現していくか。
etc,etc

<理解する>:個々の現場における業務の把握と、その現場での生産性のあり方の認識
<新たに構想する>:生産性の高い働き方を、個々の現場・業務においてそれぞれ想定する
<モデルを作り検証する>:具体的な働き方のモデルを作り、それが公平性や正義に叶うのかも含めて検証する。
<行動して創造する>:リーダー・マネージャーが現場を支援しつつ、新しい働き方を組織に定着させていく

…って感じかな?
ある意味、「そうだろうね〜」って感じなんですが、具体的な事例が豊富に紹介されていて、更に具体的なイメージは浮かびやすい内容になっています。
実際に自分でやろうと思ったら、「えらい大変」ってのもよく分かりますw。




今、僕が勤めている会社では基幹システムの切り替えを行なっています。
その流れの中で、メール・コミュニケーション関連のシステムの切り替え・導入がon the wayなんですが、その浸透度がそれぞれ個人ごとに随分違っている。
これ、世代とか、仕事の能力とかとは、また微妙に違うところで「差」が出てくるんですよね。
「何が違うのかな〜」
と考えてたんですが、多分「トライ&エラー」に対する心理的な抵抗感の差ではないか、と。
仕事の成果を出してる人や、業務能力の高い人でも、意外にここら辺に戸惑ってる人もいて、そのフォローが重要だな…と思ってるとこです。
(個人的に切り替えのキーパーソンの1人になってるので。久しぶりにPC・アプリがらみのところの「お勉強」をしていますw)


本書で考えられている<新しい働き方>の基本には、在宅勤務やモバイルワークだけではなく、テクノロジーを「働き方」に組み込んでいくことに大きな意味を持たせています。
その方向性に反対はないんですが、実際に導入していくには、かなり手前の部分にハードルがあるかもね。
…と足元の動きを見ながら考えさせられてるところです。



まあ、そこに引っ張られると、結局時代的な流れに取り残されて、人材の確保もできなくなっちゃうので(ココ、マジで重要)、丁寧なフォローしていきながら、乗り越えていくしかないんですけどね。
「現場」のある仕事であるからこそ、<新しい働き方>を考えていかないと、人材の獲得競争で後手に回ってしまうかもしれない。
…そういう危機意識が高まる今日この頃です。




#読書感想文
#リデザインワーク
#新しい働き方
#リンダグラットン

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