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設定に凝った「クローズドサークル」シリーズ?:読書録「魔眼の匣の殺人」

・魔眼の匣の殺人
著者:今村昌弘 ナレーター:浅井晴美
出版:東京創元社(audible版)

「屍人荘の殺人」に続くシリーズ第2作。
前作はSFホラー的設定で「クローズドサークル」を作り出し、その異常空間の中で本格推理を展開するというアクロバティック的な作品でしたが(驚きましたw)、本作も同様に「クローズドサークル」が構成される中で、特殊な背景(本作の場合は「絶対に当たる予言」という、ムー的なネタw)により、歪となった空間で本格推理が展開します。
前作の超絶設定に比べて、本作で「館」が孤立するのは「唯一通じていた橋が焼け落ちたから」というものですので、アクロバティックさは前作よりは落ちますかね(橋が落ちた理由は何なんですが)。


個人的には本格推理/新本格派については、
「遊びとしてはわかるし、リアルとか言っても仕方ないとは思うんだけど…」
って、チョット距離感を感じてるんですがw、道具立てやキャラ設定、ストーリー展開としては、このシリーズは面白いと思っています。
前作で「退場」した<明智>をめぐって、三角関係(?)が継続してるあたり、「彼らはホームズ/ワトソン」たりえるか…って裏テーマも結構好きです。


暗躍する「斑目機関」の正体も見えてきてませんので(まあ、この設定は<マクガフィン>でしょうが)、シリーズはまだ継続します(3作目が発表されてますね)。
文庫化を待つか、audible化を待つか。
どっちにしても、単行本では読まないかなw。


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