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山下達郎前、生山下達郎後@大阪フェスティバルホール


2022年9月21日水曜日、大阪フェスティバルホールにて、山下達郎ライブに行ってきました。

え?マジで?当たったの?と知ったのが、6月10日のことで、それまでは「まさかね、当たるわけないわな」と思い込んでいました。

でも当たった!!

フェスティバルホールだからキャパ的にも音響的にも十分、どの席でも「ライブに参戦」できることがことのほか嬉しく、多少の日々の嫌なことも、「達郎があるから」となだめて過ごした3ヶ月。

当日。

グッズ販売もあるからと早めに到着。可愛いし安いけれどTシャツは見送り、今治タオルでできたツアータオルとクマのキャラがいい感じのキーホルダーを購入。
さて、まだ時間がある。と言っても中途半端、地下にあるカフェで時間を潰す。
もちろん耳からはスマホに入れてある「COME ALONG 2」。

そしていよいよ入場。この時が一番緊張する。あらかじめ用意していたスマホの画面と身分証明書、2回のチェックを受け、電子モギリをしてようやく席がわかる。

なんと、7列目のど真ん中!

フェスティバルホールは好きな場所。入り口の赤い階段も高級感があり、エスカレーターはなんだか違う世界に連れて行ってくれる特別列車のよう。
そして開かれた扉の向こうは、夢の世界。
ふわっふわした。後部座席から前列へのゆるい階段を降りていく私はまるで、
シンデレラw。ええ立派なおばさんですが。

神様からのご褒美だわ。アルバム「SOFTLY」が11年ぶりに発売されたのも、運命をしっかり感じた理由があったから。勝手に解釈。私を待っていてくれたんだ。

何を?私の回復を。こうして幾多の困難を乗り越え、ここに座っていられる私のためにヤマタツは席を設けてくれた。

右隣には、同じ世代であろう男性が一人、そしてしばらくして「すみませーん」と笑顔で私の左横に座る女性が。「いい席ですね」と声をかけてくださって私の緊張は一気に解けた。「やばくないですか?」。
特段勉強したわけではない。いつもどこかで山下達郎が流れる。それまでは私の日常にあった山下達郎の音楽。毎週日曜日の14時からの「サンデーソングブック」は、気が付いたら日曜日のルーティーンになっていたのはいつからか。もうだいぶん経つ。どんな曲もどんな流れかもライブに関しては調べないのが私のささやかなポリシー。隣の女性は私に「はい!」と手を握り、飴ちゃんをくれた。

興奮しながら話した。「すごくないですか?」「すごいですねー」たわいもない話でも共感できたことが嬉しくて「でもライブ中私、大はしゃぎしてしまうからごめんなさい先に謝っておきます」と言うと、「ええで!こんなんは楽しんだもんがち」とお互いの熱を話すこと10分、照明が暗くなる。そしてライブは始まった。

18時半から始まってきっちり21時半に終了。たっぷり3時間、さすがとしか言いようがないくらい凄いライブ体験。また生きていて良かったって本当に思う。
あのラジオから流れる淡々とした声が目の前で語られる。歌にも歌唱にも寸分の狂いもない完璧なライブ。そして何より嬉しかったのが、山下達郎の「あたたかさ」と「熱さ」だった。優しい人は厳しい、厳しい人は優しい、そして強いんだ。

「道楽ですから」と達郎は笑う。なんて努力された道楽なんだろう。

これでもかこれでもか!と波のように押し寄せる迫力のある声とサウンドに圧倒され、全部好きな曲だから休む暇が寸分も無い。
盛り上げ方もこれぞプロフェッショナル。涙を流しながら踊ることができた。
「かっこいい大人になりましょう!」
その言葉も心に響いた。

私はかっこいい大人になれているんだろうか。

「楽しかったですね」弾む息で隣の女性に話しかける。「すごかった」と言い合い、「ではまたどこかで」とどこか恥ずかしさや照れを持ちながら笑顔で別れる。右隣の男性にも話しかけてみたかったな、だって男性の興奮は私と同じようなものと感じられたから。

ホールを出ると、外に置いてあるテーブルと椅子に、コンビニで買ったと思われる感酎ハイとスナックを囲みながらスーツ姿の男性4人がダラダラと顔を赤くして笑ってた。そこだけが特別なんかじゃなく、テラス席には必ずアルコールが置いてあり、それなりにできあがっているよう。
私は11年誓い続けた「酒を飲まない」決意をさらに高めた。

それが私の生山下達郎後。こんな幸せがあるなんて。なんて幸せ。


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