見出し画像

電子なのか紙なのか

スズメベースという書庫を持っているので、紙の本も相変わらず購入しているけれど、実は「紙の本も」なんです。私でも。でも最近、電子なのか紙なのか、その辺のことで悩みが尽きない。いや、ぐるぐる回ってしまってる…。

今回はその辺りのことについて、書きたいと思います。

読みやすさといっても
いろいろな意味があると思う。

本を買う場合、世のみなさんは電子の本と紙の本、どちらが多いのかな?と、たまに思います。紙の本だけという人は、まだまだいると思うけれど、おそらく電子の本…いわゆる電子書籍しか持っていないという人は、多くはないんじゃないかと思います。

以前、私はわりと人気のある読書会の補佐をやっていました。毎月いろいろな本好きの方々と会っていましたが、参加者12人のうち1人か2人が電子書籍でした。読書会に持参する本は、みんなで最後に手に取ったりするので、紙の本の方が気楽だし、様になる…という感じもありました。

補佐役なのを利用して、本にまつわることを質問したりもしていましたが、ビジネス書は電子書籍で買っていて、じっくりと読みたい本は紙のものを買っている…という人がとても多かったです。

紙の本と電子書籍、どちらも文章が書かれているものですが、「読む」という作業をする時に、紙に書いてある文章を読むのと、電子機器の画面に書いてある文章を読むのでは、使う脳の部分が違うらしい!という話で盛り上がったことがありました。本当かどうか確認はしていませんが、紙の本の方が読みやすいと感じていたり、記憶に残りやすいと感じていることは、その時の満場一致の感覚ではありました。

その後、新型コロナ改めコロナ2019の流行で、書店(特に大型店舗内の書店)が営業を見合せてしまったり、テレワークになって自宅の使い方が変わったり、自宅にいる時間が増えて断捨離に走ったりしたことで、確実に電子書籍に移行した人が増えたと思います。

それと前後して、電子書籍の発売日が、紙の本の発売日と同日になったということも、電子書籍に移行した人が増えた理由の大きな1つだと思います。そう、以前電子書籍の発売日は、紙の本の発売日とは違って、数ヶ月遅れのものが多かったんです。私が購入していたものでは、半年遅れのものがざらにありました。単行本と文庫本の発売日の差に近かった。待ちきれない人がいた訳です。

Kindleの最初の頃のPR通り、電子書籍は電子機器1つを持ち歩くことで、無数の本を持ち歩ける。紙の本は視覚的に読みやすく、頭にも入りやすい。一方、電子書籍はどこでも読みやすい。いろいろな「読みやすい」がある訳ですね。

最近の自分を考えると
電子書籍が断然有利!?

どっちを選ぶのかはその人次第だし、使い分けする人もいると思います。私の場合、冒頭に書いた通りスズメベースという書庫があって、本を貸し合うサークル活動をしているので、紙の本を買い続けてきました。

そんな私にもコロナ2019による自宅中心生活、自宅の転居、そしてスズメベースをみんなのもの化したことなどを経て、電子書籍を購入する割合を引き上げる時が来たのかな?と、最近思っています。

私はスズメベースに週に1回しか行かなくなり、自宅からスズメベースは1時間かかることを考えると、あまり意味をなさなくなってきてしまいました。実家にあるもののような感覚です。あ~あの本を読みたい!と思っても、自分の本なんだけど手元にはない。読めない。

今のマンションは狭いし、必ずまた引っ越しをしなければならない時が遠からずくるので、紙の本をもう置くことはできません。そうなると、電子書籍しかチョイスがありません。手放す&売る気があるならば、読んで売るを繰り返すという手もあるけども、巻が続く本は売りたくない…。

なかなか切り替えは難しかったりするけれど、やっぱり電子書籍にしていこうかな…と思ってきています。電子書籍化されていない本だけは、紙で購入することになりますけどね。あとはpdfにしない限り、アプリと括りがあることが、ちょっと気にかかるところですね。記憶に残りづらいのも大きな問題ですけど。

じゃあスケジュール帳や
ノートの類いはどうなのか。

コロナ2019の自宅中心生活になった時に、部屋の模様替えしたことを機に、紙もの断捨離の第1弾をして、ipadmini中心の電子化計画を進めました。

元々スキャナーは、設置型もモバイル型も持っていて、よく使っていたので、機材投資もなく、気にしていたよりもすんなりと…という感じでした。子どもたちが学校の類いを全員卒業したことと、コロナで地域活動や講座などに行かなくなったこと、外出が減ったことなどが、うまく移行できた理由でした。

手帳は大好きだけど、いつも白いページだらけで終わっていたので、もういい加減やめようよ!と自分でも思っていました。紙の手帳って、しっかり机を前にしてイスに座らないと、書けないものなんですよね。カフェやコワーキングスペースに行くことやがかなり減った(減らした?)ので、机に向かう機会が減って、紙の手帳を使えなくなりました。

ガラケー時代(もう30年弱前か…)から、スケジュール管理は電子カレンダーを使っていて、手帳はほぼ日記や活動記録だったことを考えると、電子の方がやりやすいんですよね。ipadminiでPlannerというアプリをここ数年使っていますが、1つの画面にGoogleカレンダーと手書きが混合できる。撮った写真も、印刷しなくたってページに貼れる。

便利です。

DayOneというアプリも、ipaminiとAndroidスマホで使っているけれど、記録好きには本当に便利ですね。

そしてノートやメモ帳も買わなくなりました。ipadminiでGoodNotesというアプリを、完全に手書きで使っています。

元々はパソコン大好きで、書くよりもキーボードの打ち込みが早かったのに、最近はパソコンを使うことが減って、キーボードを使うことも減ったので、打ち込み能力が落ちた気がします。

以前は、ipadminiのガラスにペーパーライクのフィルムを貼っていました。表面がザカザカして、紙に書いているのと大差なくてよかったけれど、どうしても画面がくぐもった感じになって、細かい色の判断がしづらいので、ガラスフィルムに戻して、ペン先を高摩擦のタイプに変えました。ペーパーライクの方が書きやすかったけど、トータルで考えると、これでよかったと思っています。

トータルバランスが
大事なのかもしれない。

私の電子化生活はかなりうまく移行できて、文房具を買うことも減りました。電子機器や周辺機器は、元々ヲタク的に持っていたので、特に買い足すこともあまりなくて、紙もの断捨離の第2弾と、転居のための全体的な断捨離で、物はだいぶ減りました。

ただ最近になって、ipadminiに記入したことが、特に頭に入らない…ということに気づいてしまいました。記録としても、ものを考えるための書き出しにしても、紙に書いた方が頭がより整理される気がするんです。本の話と同じなのかもしれません。紙上の文章を読むのと、電子機器上の文章を読むのとでは、使う脳の部分が違う…というやつです。

自分で文字を書けば、自ずと書いたものを読むことにもなるので、使う脳の部分が違うかもしれません。そして、ガラス上にさらさら書けてしまうと、思いや感覚もさらさらと流れてしまう感じがあるんです。

読書会で紙の本と電子書籍について聞いたように、書くことに関しても聞いてみたい!という思いはありますが、残念ながらその読書会からは抜けてしまったし、私のまわりには電子機器に疎い人が多くて、話題にものぼりません。

電子機器は一瞬重量を感じたりするけれど、紙の本を持って、スケジュール帳とノートを持ち、各種ペン類・修正テープ・テープのり・マステなどの文房具類を持ち歩くことを考えると、案外重くはないです。便利。

ただ、作業をめんどくさがったり、頭を使わなくなったことは問題なのかな?と思うようになりました。

例えば紙に文字を書いて、間違えたら修正テープで消すけれど、修正テープは修正したのがあきらかだし、テープの上に書くとインクの色が違って見えたりするから、なるべく間違えないように注意している気がするんです。

文章を書く位置、もう少し左だったな!と思ったら、紙の場合はそのままで良しとする、つまり我慢するか、修正テープを使いまくって書き直すか…となる訳ですが、覆水盆に返らず~なんですよね。

それが電子はきれいさっぱり消せるし、ペンで括って移動もできれば、同じものを書きたければ、コピペもできる。字が汚くてイヤだと思えば、手書きを活字変換することもできる。

紙にくらべると作業は楽だし、我慢する心もいらない。その分、思い入れも少なくて、記憶に残りづらいのかもしれません。

最後に…。

結局のところ、私は電子書籍に傾きつつあり、手帳や記録は電子機器です。ただメモは紙にしようかと思ってきて、数日前に久々に紙のノートを買ってきました。

さらさら書けてしまうことが、脳に残らない理由ならば、ipadminiはペーパーライクフィルムを貼って、色味よりもペンへの負荷を与えて、色味のチェックはipadでやる。という方法もあります。

手帳を含めた紙ものを減らそう!と最初に思った理由は「もし自分が死んだ時に、電子ならば消去が簡単」ということでした。

タレントの草彅剛さんは、日記的なものも含むスケジュールノートは、その年の大晦日に捨てる…という話を、以前なにかでしていました。う~ん、私はその年の大晦日には捨てられないなと思って、電子の道を選びました。

最近、身近に認知症の話が渦巻いていたので、その手の解説本などを読んでいましたが、頭を使うこと、体を使うこと…が大事なんだそうです。しかもそれは年取ってからではなくて、20代30代の頃からなんですって。

私はその時期には十分使っていたので、問題なのは最近ですね。紙のノートは机に向かう時間を設けなければいけないけど、そんな時間も人間には必要なんだろうね…とも思います。

どこまで実践できるかな?(笑)

久々に買ったノート。

東京三鷹生まれの三鷹育ち。自分の居場所を求めて富良野、京都、東京多摩地区を転々としたのち三鷹に戻り、以降ずっと三鷹に在住。2016年2月、本好きと、長く続いた居場所探しの経験を活かし、地元でゆるい感覚のまちライブラリーをスタート。ひっそり人好き。地域クリエイター。