見出し画像

『全てを受け入れ合う』みたいな恋愛を望む以上、絶対幸せになんてなれない。

「好きなものを丸ごと理解したい」という危険思想


「好きな人のことをもっと知りたい。もっと仲良くなりたい。」


 コワイ。得体が知れない。この探究心を上手く利用すれば新しい大陸とか発見できるんじゃねえか。


 恋愛の初期症状にありがちな、「好きだからもっと知りたい」状態。正直、女が知りたい病にかかったコロンブス状態の時は、まだ可愛いもんだし泳がしておけるのだが、次のフェーズに突入してしまった時が一番怖い。


「私はアナタにこんなに理解を示しているのに、アナタはどうして私の気持ちを分かってくれないの?!」

 を口癖にするオンナ達。知りすぎたオンナはコワイ。普通に。無料配布のティッシュもらったら恐喝された気分です。カップルは理解の取引所じゃねえんだ。



 こういう『恋愛感情』という激物で判断力がニブった女に、「もう少し冷静になれよ」という類のことを言っても全く効きません。ちなみにだが、こういう男はほとんどいない。男が性欲以外のきっかけで、恋愛という人類史上最も面倒な営みに手を染めることは非常に稀だからだ。「知的探究心」と「相互理解」をパートナーに求めるのは、大体女の方だ。


 そして、今日したかったのは、恋愛において『全てを受け入れ合うこと』を目的にすると、絶対に上手くいかないよ、というお話です。


『知ること=仲良くなること』ではない

 相手を「知りたい知りたい」と思う3歳児顔負けの好奇心を発揮する女は、大体男の中から自分と『一致する部分、共通する部分』を探そうとする。


 そうすれば、仲良くなれると勘違いしている人が多いからだ。それは『仲良し』とかいう美化された人間関係じゃなくて、「自分が受け入れられる」と錯覚するエゴだと思う。それが『違う部分まで理解を示す』に発展していき、発展が極まり先進国化した女は、満を持して『相手が自分に理解を示さないのはオカしい』という発想に至る。先進国の暴挙。こんなに発展を願えないプロセスというのも、なかなかお目にかかれない。


 こんな大惨事を防ぐには、もう『全てを理解して受け入れ合おう』みたいな姿勢を撤廃するしかないじゃないですか。当方も、道徳の授業全部欠席したわけじゃないんで「北朝鮮みたいな男でも野放しにしろ」とまでは言わないけど、それぞれの人間にも歴史的背景があるわけで、全てを理解し合おうとするのはやっぱり、ムリがあると思うんです。


自己肯定感が低すぎることが原因

 それでも、『全てを受け入れ合いたい』という不思議な感情が発生してしまうのは、往々にして、『自分が自分自身を受け入れられていない』という、自己肯定感低めの人間である可能性が非常に高いからなんだと思う。人に肯定してもらうことでしか、自分を肯定出来なかったりするからだ。それを解消するのに最強にして最悪なコンテンツが恋愛だったりする。


 お前はtwitterのbotかというくらい「私のこと好き?」「寂しい」「会いたい」を繰り出す女がいるが、こういう女と付き合うとロクなことにならない。こんな面倒な生き物を飼い慣らす責務を負うくらいなら、彼女なんていなくて万歳三唱だろう。こういう女は、会いたくて会いたくて震えるんじゃなくて、己の自己肯定感の低さに震えましょう。



 そして、実際男も男なのだ。


もーしょうがないなやれやれ、お前は俺がいないと本当にダメなんから…。

…で、何が欲しいの?


 こういう男も、正直得体が知れない。性欲の有り様を正当化するためにおっぱじまる茶番劇。「俺がいないと何も出来ない」みたいなツラ構えで女を甘やかしては、自分の承認欲求を満たすような恋愛をする男にも、実際ロクなのがいない。高層ビルの屋上までツケ上がって言わせてもらうと、相当自信がないんだろうな、と思ってしまう。


自己肯定に、恋愛を使うな。

 結局、「自分の価値は他人が決めるものじゃない」っていうのをお互いが分かっている人間同士で恋愛をしないと、本当にメンドくさい。そうじゃない恋愛は、カップルというよりもっと具体的な表現を使うと、『人間的な弱さを慰め合うコミュニティ』だ。そんなコミュニティに浸かって幸せになった気分になれるなら、なんというか、よっぽど天然なんだと思う。


 とはいえ、別にコチラも「自分を愛せるような向上心を持て」と言う『はじめてのろうがい』みたいな発言をしたいわけでは無い。ちょっとくらい欠陥品な自分のことを、せめて自分だけは恥ずかしがらないで認めてあげないと、幸せになんてなれないんじゃないですか、と思うだけだ。



 他人に幸せにしてもらおうなんて思ってちゃ幸せになんてなれない。他人を愛そうが、他人に愛されようが、自分を愛せるかとはどうかとは、本当に一切の関係がないからだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?