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宝塚にハマっている話

初めて宝塚を観劇したのは、まだ中学生の頃、平みちさんが男役トップを務める雪組公演でした。
宝塚を観たのも初めてでしたし、大劇場も初めての経験でした。

『三つのワルツ』という三幕物で、一路真輝さんが確か男役の三番手ぐらいで出演していらっしゃいました。

一幕目の最初で、一路さんが上手から登場されたのですが、出てきた瞬間に、もうそこにしかライトが当たってないんじゃないかというぐらいに、輝かんばかりの光のオーラを纏っていらっしゃいました。

宝塚のスターシステムについて、まだよくわかっていなかった私でも「この人はすごい!」とわかるぐらいのすさまじいオーラでした。

パンフレットの練習風景にも一路さんの写真が載っていらっしゃいましたし、将来の男役トップ候補として、実際にスポットライトが当たっていたのは確かだと思います。
でも、そういう理屈を抜きにした、ほとんど暴力的と言ってもいいぐらいの圧倒的な存在感に、中学生の私はただただ度肝を抜かれたのです。

一路さんはその舞台で男役も女役も含む三役を演じられ、そのうちの一役はマレーネ・ディートリッヒだったのですが、どの役も出てきた瞬間に「あっ、あの人だ!」とわかる存在感があって、宝塚特有の夢の世界に浸りつつ、とにかくこの人はすごいから名前を覚えておこう、と心に誓いました。

調べたら同じ名古屋出身で、あれよあれよという間に雪組のトップスターに上りつめ、後には特に宝塚に詳しくない人でも名前を知っているような大スターになられたことを思うと感慨深いものがあります。

それ以来「舞台で華がある」という言葉を見聞きするたびに、あの時の一路さんを思い浮かべます。

それぐらい圧倒的で、舞台上でその人にしかスポットライトが当たっていないのではないかというぐらい、視線が釘付けになる存在でした。

あれから30年以上。

また縁あって宝塚をたびたび観劇するようになり、夢の世界に酔いしれています。
当時よりも大人になった分、スポットライトが当たっているスター以外の、団員の方々の努力やプロ意識に毎回驚かされるばかりです。

先日は月組公演の『応天の門』を、新しくなった宝塚大劇場と東京宝塚劇場の2回観に行きました。
わずか2ヶ月ぐらいの間に、演出が微妙に変わっていて、作品を少しでもブラッシュアップするべく、スタッフも含めた全員が毎日必死であることが伝わってきました。

大劇場で観た時は、鳳月杏さん演じる在原業平のプレイボーイがもっとコミカルで、彩みちるさん演じる白梅とのやり取りでもドッカンドッカン笑いが起きていましたが、東京公演ではコメディ部分をどちらかと言うと主役の月城さんが担い、鳳月さんは高子様との悲恋に寄せたシリアスなキャラになってらっしゃいました。

この『応天の門』は宝塚には珍しくトップ2人の恋愛要素がにおわせ程度なので、恋愛パートを業平と高子様が担うという形をよりハッキリさせた演出に変わっていったのかな、と思いました。

本当に素人の感想なんですけど。

明日はいよいよ千穐楽でライブビューイングの配信もあります。
月城かなとさんのステキな三白眼をオペラグラス越しでなく、アップで観られることを楽しみにしています。

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