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意味が分かると怖い話の意味を書いてみた

※意味が分かると怖い話なのに
意味が書いてある怖い話になってます。
ご注意下さい。

コレが元ネタの意味が分かると怖い話 
夫編4の作品です。

夕食時に最愛の妻から綺麗に
ラッピングされた箱を渡された。
ケーキを食べるまで、待てずに先に
プレゼントを渡したいと妻が渡してくれた。
「誕生石おめでとう♡」

箱を開けると万年筆が鎮座していた。
妻は私の反応を今か今かと、
熱い眼差しを向けて待っている。
「ありがとう。とても嬉しいよ」
私の言葉で、満面の笑顔を浮かべる妻
の表情に、こちらも笑みが溢れた。

歳の離れた夫婦で
世間からみたら、父と娘に
間違われる事さえあった。

「凄い迷って、コレに決めたのよ」
と楽しそうに話始めた妻の言葉が
嬉しく、大切な日に二人だけの
時間を共有できた事に感謝した。



ベットサイドに置いた箱から
万年筆を取り出し
「ありがとう。素敵なプレゼントを貰ったからには、君の誕生日には、奮発しなければな」
と隣で寝ている妻の髪を梳きながら呟いた。
笑顔も寝顔も、どんな表情でも妻は美しく、そして可愛かった。
このまま妻を愛でていたいと、
優しく妻を抱きしめた。



妻は誕生日が近づくと、何気なく私の側で
友人のアクセサリーショップの
カタログを見始めた。
私は、どうやらセンスがないようで、
女性の好きなデザインがわからない。
そんな私に、妻は「コレも可愛いし、コレなんかも素敵よね」とカタログを指していく。

「お嬢様、もしよろしければ、こちらで印をつけていただけますか?」
と妻から貰った万年筆を差し出した。
妻は笑いながら、万年筆を手に取ると
再び目線をカタログに戻し
真剣な表情で印をつけていった。


カタログを持ち込んで友人の店で
オーダーをした。
デザインは、変えずチェーンの留具に、
彼女の誕生石をつけてあげれば、
サプライズになってもっと喜ぶぞ
と、商売上手な友人に勧められ、
提案に乗った。

妻の事になると、私が甘くなる事を
よく知ってる友人に、
仕事ではこんなに甘くないからな
と苦笑しながら言ったものの
私もプレゼントの出来上がりと
妻の喜ぶ顔が楽しみだった。


出来上がったプレゼントを
受け取りに言った私に友人は
「人気のデザインだから、他にも注文が入ったよ。あっちのチェーンは簡単には切れないよ。」
と言われ、妻の選んだ人気の
ネックレスを受け取った。


妻の誕生日当日、どうしても外せない
仕事が入った。
寂しげな表情をする妻に、絶対当日に
帰るようにするからと約束した。


誕生日前日に、プレゼントを渡すと、
私の前で早速ネックレスを付けて、
とびきりの笑顔で喜んでくれた。
妻を抱きしめると、首元の留具の誕生石が
キラリと光ったが、妻の笑顔の方が
私には何倍も輝いて見えた。
1番綺麗なのは、私の妻だ。
とても愛おしく、幸せな気分だった。


当日、寝起きの妻に誕生日おめでとう
と伝えると、とびきりの笑顔になってから
少しだけ拗ねた表情になった。
「今日、夜には帰ってきてくれる?」
そういう言いながら甘える妻の魅力に
仕事人間な私が仕事を休みたくなって
しまった。

妻に玄関まで見送られ、待たせていた車に
乗り込み私は仕事へ向かった。



幸い商談は上手く進み、夜には帰れそうだ。
妻にメッセージを送ると、
すぐに既読が付きハートマークが
たくさん送られて来た。
つい口角を上げてしまった私を見た
部下が奇妙な表情をしていた。
部下の視線に気づくと厳しい表情に
戻し、帰宅の順番を始めた。

何かあれば携帯に連絡するよう伝えて、
足早に自宅へ向かった。


玄関扉を開けると、私の好きな
ビーフシチューの薫りが漂ってきた。
「おかえりなさい」
薫りと共に笑顔で妻が
小走りで出迎えてくれた。



ダイニングテーブルには妻の手料理が並ぶ。
妻はキッチンでシチューを温め直していた。
ジャケットを脱ぐと、ちょうど部下からの
着信が入った。
せっかく幸せな気分だった私は表情を
曇らせメールを開いた。
添付された画像と映像を確認し
予想していた結果に諦めと絶望を感じた。 

携帯をズボンの後ろポケットにしまうと、
万年筆をシャツの胸ポケットへ差し込み
キッチンへ向かった。
こちらを振り返る妻は
シチューの薫りを纏っていなかった。

妻を抱き寄せる。妻の首元には
誕生石のついてないネックレス。愛しい妻。彼女の手は私の腰に回されていた。
優しく妻の髪を梳きながら胸ポケットの
万年筆を取り出した。

最後に淡い期待をもち、もう一度
妻を抱きしめ首元の留具を確認した。
大好きで可愛い妻の頬を右手で撫でる。
左手で万年筆を留具と妻の首の間に
差し込んだ。

ヒヤッとした感覚に妻の顔色が変わった。
ああ、どんな表情でも美しい。
そのまま左手でクルクルといつもの様に
ネックレスを巻き取っていく。
友人の言った様に、このネックレスは
簡単には切れないようだ。

万年筆にネックレスが絡まっていくほど
妻の表情はクルクルと変わっていく。
愛しい妻からの口の端から白い泡立った
唾液が溜まり、床に落ちた。

美しい目を見開き、口の両端から
涎が垂れている妻の表情さえ愛おしかった。
俺だけの妻。そうだったら良かったのに。

携帯が鳴り部下からのメールを開くと
写真には、妻にネックレスを送った男が
妻と同じ表情をして写っていた。

深いため息のあと、部下に連絡し
いつもの様に処理する様に伝えた。

万年筆はネックレスに絡みつき
彼女から離れなかった。








意味がわかると怖い話 夫編4 で
フォロワー様から、続きが読みたいとの
お言葉をいただき、嬉しくて
調子に乗って書いてしまいました(笑)

54字の物語を書いてる時は、
ただの夫婦ゲンカの話だったのですが、
書いてる内に怖い職業の夫と、
浮気妻の設定になっていました。


#意味が分かると怖い話
#54字の物語


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