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和魂の復権

昨日書いた、現在日本社会の問題点の一因は

中途半端な西洋文明化

です。
組織運営の改善案|鈴木良実 (note.com)

これは

和魂洋才

ができていないからです。

古来日本の文明には

和魂漢才

という発想がありました。これは

中華文明から良いとこ取り

を行う日本の知恵です。これは、易しいことではありません。少なくとも17世紀ぐらいまでの中華文明の力は、世界に冠たる力を持っています。それに対して

独自の仮名文明を持ち
科挙制度を拒否

などの独自文明を発展させたのが、日本の

和魂漢才

の発想です。つまり

中華文明の優れた才知
の中で
和の魂似合うものを吸収

という発想です。これは逆にいうと

中華文明からの知識の限界

を見て上手に使うということです。この一例としては、豊臣秀吉の朝鮮侵攻の時に、朝鮮や明の支配者が

孫子も読まない倭人に負けた

と嘆いた話があります。確かに、科挙に合格するような「孫子の文書読み込み」は、当時の日本武将はしていません。しかし

魚鱗・鶴翼の陣形

などは、多くの武将が知り、使いこなしています。ここでは、和魂で納得した、漢才を使いこなす知恵がありました。

しかしながら、明治の文明開化らは

和魂洋才

に流れが変わります。ここでの大きな違いは

洋才は完成度が高い

ということです。そこでは

  1. 習得に時間がかかる
    そのため学校制度の充実

  2. 知識だけでモノがある程度できる

と状況になりました。こうして

西洋文明を習った法制度

などができました。特に自然科学、特に物理学を応用した工学では、西洋文明の力が、大きく働きます。そこでも実際は

仕上げに職人技という
和魂が生きていた

のですが、こうした職人技依存を少なくするアメリカ文明に、私たちは支配されていきます。

しかしながら、社会科学などの面では

西洋的組織論の弱点

もまだあり、本来は

和魂による納得

が必要な部分が多く残っています。これが見えないのが、現在社会の問題点だと思います。


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