見出し画像

十如是の実践

法華経の教えの大事な部分として

方便品の十如是

の教えがあります。これは物の見方として、深いモノがあるので、一度実践すべきものだと思います。

今回は、あるお寺を前にして、十如是で見ていきます。

まずは、寺の外観です。山門がありそこから本堂が見えます。
次に、お寺は仏の教えを、皆に伝えるところです。
そして、本堂には本尊が祭られています。日蓮宗の寺なので、法華経の寿量品の説く、お釈迦様と多宝如来が並んで座っている姿などが見えます。
こうしたご本尊から、お釈迦様の皆を仏道に入れるという力が、感じられます。
この寺は、多くの信徒を導く働きがあります。

さて、この後は因縁果報です。これは、西田哲学の言う「歴史的世界」で考えます。

まずは、この土地に寺ができました。これが現在につながる因です。この寺を造るためには、開山をしたお上人の苦労もありますが、信徒や多くの人の縁があって、この地で寺ができました。その後もお寺は、信徒の寄進などを受け、江戸時代には多くの領地を持ちます。しかし、そこで信徒とお互い支えあっていったので、明治維新の廃仏毀釈も、無事逃れました。その後、領地は、永代小作権を持つ信徒が実質管理し、昭和の農地解放で、開発者の子孫のモノとなります。しかし、そこでも、今までのお寺の善政の結果や、多くの報いを受け、信徒としてお寺を支えています。
これからも、このお寺が必要という人たちの、未来からの期待もあって、この寺は、存続していくでしょう。

こうした、外見・本性・構造・力・作用・因縁果報が全て、一体となっている。これを感じるのが、十如是の見方ではないかと思います。

モノを見るとき外見だけで済ますのか、歴史的存在として、因縁果報まで見るか、必要に応じて切り替えますが、こうした十如是の見方も大事です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?