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洋才の徹底した理解

昨日書いた
和魂の復権|鈴木良実 (note.com)
のためには

洋才の広く深い理解

が必要だと思います。

つまり

西洋文明の結果の真似
でなく
本質を理解し限界を知り活用する

必要があります。具体的にいうと

古代ギリシャの哲学から
近代科学の成立の経緯

を知ると

主な方法論としての抽象化・理想化

が働いているのが見えます。例えば

地球と太陽だけの関係で
万有引力の法則を見出す

という発想です。そこでは

月の影響や地球の形状

などの現実の細部を無視し、とりあえず使える

質量の積に比例し距離の二乗に反比例する力

を見出します。こうした

現実からの離陸による
一般法則の発見

という方法論が、西洋文明の突破力になっています。なお、物理学を使った世界観では、この後

地球の運動に月の影響を加味し
近似精度を上げる

という方法で、現実への対象法としています。

こうした

理想化したモデルで一般法則を求め
そのモデルを精密化

という発想は、西洋文明の根底にあります。そして現在も、このモデルを精密に仕上げる努力と、新しい見方を得るためのモデル化などのチャレンジは続いています。

私たちは、明治の文明開化、そして戦後昭和の高度成長でも

西洋文明の成果の模倣

で成長と繁栄を遂げてきました。

しかしながら、現在の社会は多様化し、技術も高度化して

人間的要素の考慮

が多くの場面で必要になってきます。

ここで大切なことは

物理学的発想は無力

の場面が出てくるのです。前に述べた

太陽と地球という主要関係だけ

という発想が、通用しなくなるのです。

例えば、人間の欲求を考えるとき、マズローの理論では

  • 第一階層「生理的欲求」

  • 第二階層「安全欲求」

  • 第三階層「社会的欲求」

  • 第四階層「尊厳欲求」

  • 第五階層「自己実現欲求」

となっていて、下位の階層が満たされたとき、上位の階層の欲求を求める、と説いています。

しかしながら、国際社会のテロなどを見ると

自分の安全より社会の要求に従う

などという場合もあるのです。こうした

理想化から外れる事例のため
理論の根底が崩れる

状況が、人間的要素や社会的要素を考えると、発生しています。

こうした限界を知って

実情に合わせた知識の使い方を知る

ことが現在は必要です。

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