専門科学の効果の違い
厳密性をもつ専門科学は、予測や説明では、大きな力を発揮しました。大きな成果の一つは、西洋文明が物理学の精密化によって、機械化を進めることができました。
しかしながら、このような専門科学を過信すると、失敗することがあります。その理由は
専門科学は理想化した条件で成立
という、前提条件を忘れるからです。極端な言い方をすると
専門科学者は現地に行かず
地図の上だけで議論
数値化できるモノだけで議論
の傾向があります。
こうした「地図上だけでの議論」の危険性は、現地の複雑な状況を、無視してしまいます。アフリカの国境線を見ればよくわかりますが、昔の植民地支配をした国々は、お互いの支配範囲を
地図の上で線引き
しました。
こうして
直線的な国境
が生まれましたが、これでは部族の違いや、地形関係が反映していません。日本の県境は、地形に従い、曲がりくねっています。この自然さが、アフリカの一部には、ないのです。従って、現在も色々な部族化の紛争が起こっています。
さて、機械設備の設計などでは
専門的な理論の力
が大きく貢献しました。しかしながら、社会科学や人文科学の分野では、
机上の理論どおりでない
と言う現象が多くあります。
この違いは、どこにあるのでしょう?これは
現実の複雑さへの対応
の違いが影響しています。物理学の世界では
大きく押さえて細部を追加
と言う戦略が使えます。つまり
階層化ができている
状態です。例えば
地球と太陽の関係だけで議論
その後
地球と月の関係を加えて精度を上げる
と言う発想が使えます。
社会科学や人文科学の理論は
理論の根底が覆る
場合があります。例えば
テイラーの科学的管理
(報酬での動機付け)の理論
は
メイヨーらのホーソン実験
(注目による動機付けが強い)
が覆す
と言う風に、現実からの影響が、理論の示す
大枠すら覆す
状態になります。
このように
専門科学の有効性
にも違いがあることを知っておくべきです。
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