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小さなワインショップを開くまで〜その③怒涛の開店編STEP3

皆様、こんにちは!
日本橋茅場町のワインショップ Wine and Weekendオーナーソムリエのスージーです。
元CAからの起業、小さなワインの小売店を開くまでの道のりを記すシリーズ、本日は"その③STEP3"です。

STEP3:店内内装

さて、店舗の名前とコンセプトが決まりました。
次は店内の内装に着手します。

お店作りは"創意工夫"!

起業初期においては、いかにお金をかけずに、守りをきちんと固めた上で展開してゆくかということがとても重要です。

知人から聞いたとある会社の話ですが、青山に美容サロンを開く際に大そうなお金をかけ、内装費だけで1500万円以上(←大きい金額かどうかはひとそれぞれということでさておき)。
華やかなオープニングパーティーを開催したその3ヶ月後、残念ながら閉店に追い込まれたとか・・・
従業員の給料の支払いすら難しくなったようです。

自分は何もないところから1から始める、起業超初心者。
身の丈に合ったところから歩んでいこう。
小さなお店なら、自身の創意工夫で何とかなる。
とうことでWine and Weekend(W&W)は、大掛かりな工事はしないと決めていました。

改装前の店舗


内装コンセプト及びアート周りを一緒に作り上げてくれたのは、画家アーティストの川原一能(かずよし/ カズ)君。
彼は色々なタッチの絵を描きますが、インスタグラムはスイーツの絵で統一した素敵なアカウントとなっています。

同時にDIYを請け負ってくれたのは、高校時代の同級生の杉山君。手先が器用で大工仕事が得意。
今回のプロジェクトの話をしたら、「よし来た!」とばかりに快く手伝ってくれました。

作業中の杉山君(手前)とカズ君(奥)


既存の仕上げを生かし、室内の少し古びた感じを逆手にとりました。天井のあまりにしょぼい感じのする蛍光灯は、大きな生成りの布を張り巡らせて目隠し。
床のカーペットが黒でしたので、黒をポイントに使用します。

テーマはパリのスタジオ風。
黒×生成り色を基調とした、モノクロのアートギャラリーのような雰囲気に。

イケアで調達した黒色のクリップライトや木製のスツールを配置すると、店内の雰囲気が一気に引き締まります。

店内イメージの大きな要素となるファサード部分に、カズ君が手描きで絵を書き入れます。

ここからとても温かみのある素敵なデザインが


かくしてひとまず、まだまだ暫定的ではあるもののオープン時までに取り急ぎ整えあげた店舗空間がこちらになります。

カズ君が描いたワインボトルの壁は、「ワインのジャケ買い」のコンセプトにふさわしく、あえてラベルには何も描いていません。
店内に置くワイン達のラベルのデザインを引き立てています。

そして・・・なんとこの絵のボトル、ランダムに配置されているようで
実はぐるっと一周、回転しているんです。
躍動感がありますよね〜

暫定的にワインを並べた写真
土間部分には人工芝を敷いてナチュラルに。

ここまでで購入したものは什器や看板、フェイクグリーン、大きな布や照明などなど。
総額は20万円くらいでした。
いや・・・ちょっとした一般宅の模様替えちゃうねんから・・・みたいな金額ですよね。

ちなみにですが、ワインセラーはお高めワインを格納するのに必要、
ということで購入。
当時の価格で30万円はしなかったかと思います。
しかしながらこれは、補助金で購入しました。
こんなに小さな店でも申請できる『小規模事業者持続化補助金』という心強い補助金があるのです。
これまで3度ほど申請・採択され、ホームページ制作費用などに利用させていただいています。

補助金には様々なものがありますので、店舗に限らず自分のビジネスに合ったものを上手に活用したいものです。
補助金ナビというサイトをチェックしたり、商工会議所の専門家に相談したりすると良いでしょう。

ボチボチ、スタート!

そうこうしているうちに、税務署より朗報が。
2016年8月4日、念願の酒類販売免許の許可が下りました!!

記念すべき通知書

わ〜〜〜〜〜い!!

ここでのんびりしてはいられません。2週間後の土曜日、8月17日を開店日に設定しオープニングパーティーを開催しました。
えっと・・・開店にかこつけて、1度ならず3度ほど開催してしまいました笑

近所のイタリアンレストランで、オーストラリアワイン「ヘレン&ジョーイ」よりトレントさんを囲んだパーティー↓


以降当店には、生産者が来日する際に輸入元さんが彼らをお連れくださり、カズ君が描き上げたファサードにサインを入れてくださいました。
その数は3年間で20数名ほど。

記念すべき一人目は、スペインのサングリア生産者・
ヒューゴさん。
ビオディナミ栽培を遂行するフランスのマチュー・コストさん。
彼が残したのは、哲学的な言葉。

余談にはなりますがこの3年後、当物件では大家さんから禁止令の出ていた「立ち飲み試飲スペース」をどうしても作りたくて、お隣駅に移転することになります。
店舗撤去する時、多くの生産者のサインが描かれ創業時の想い入れもある壁紙を廃棄することがどうしてもできなく・・・

上手い具合に切り取りコラージュして、いくつかの額に収めました。
それらは現在の店舗や私の自宅に飾っているほか、チームW&Wの女将メンバーちゃん達にもお分けしました。

現店舗入り口に
自宅玄関スペースに

こうして2016年にスタートした小さなワインショップWine and Weekend。
たくさんの素敵なお客様に恵まれ、現在に至ります。

次回は「ジャケ買い」というコンセプトについて、あらためて解説します。


『ジャケ買いワインのセレクトショップ
Wine and Weekend』

株式会社Wineterior(ワインテリア)
東京都中央区日本橋蛎殻町1-6-9-103
03-6661-1845
https://wineandweekend.tokyo/

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