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時代の寵児、Pharell 。

Pharell(b.1973-)はいまや時代の寵児ですね。バージニア州生まれのかれはすらりとした体格でまるでモデルのよう。しかもRAP界きってのダンディで、グラミー賞受賞アーティスト。そのうえ今年2023年からはLuis Vuittonのメンズのクリエイティヴ・ダイレクターですよ。なにせ近年ラグジュアリー・ファッション業界はHip Hop の生き血をちゅうちゅう吸って生き延びていますから、いかにもそんな現代らしい話題です。


ぼくは個人的に、Pharrellと言えばヒット曲”Happy”(2014)をおもいだす。

他方、Luis Vuittonは、2018年~(長年Kanye Westのパートナーだった)Virgil Ablohをメンズのアートダイレクターに抜擢、作品は大いに注目を集めたものの、しかしVirgil Ablohは2021年心臓血管肉腫で死亡。以降、Luis Vittonメンズは迷走を続けていた。


そんななかPharrellがLuis Vuittonメンズのダイレクターに就任。かれが手掛ける2024年メンズ春夏のショウはたいへんにいまっぽい。セーヌ河にかかる橋を借り切って橋をランウェイにしておこなわれた夜のショウ。ミリタリーのイメージを使って独特にラグジュアリー化させた世界。ぼくはとくにかれが演出しただろうショウに用いられた音楽が好きだ。弦楽とピアノを用いたオペラ的演出が抜群にかっこよく、かつまたこの音楽をワイルドなRAP、はたまたアカペラの女声コーラスと切り替える演出によって、挑戦と冒険、気品、そしてブランドの格調を表現することに成功しています。Parrellの演出家としての才を感じます。

以下はまったくの余談だけれど。どういうわけだかぼくは個人的にPharrellと言えば Happy(2014) をおもいだし、Happyを聴けば、Psy(b.1977-)のGangnum Style(江南スタイル 2012)をおもいだす。Psyは韓国のおカネ持ちのお坊ちゃん育ちで、コメディアンみたいな気質の持ち主。かれのユーモアのセンスをぼくは好きだ。この曲ではかれを胸騒ぎさせるセクシーレイディに対して、おれは江南スタイルなんだ、とソウルの高級住宅地に住んでいるカネ持ちな自分を陽気に売り込んでおられます。

2012年7月8日、Psyはニューヨークシティのタイムズスクエアで2010万人以上のライブオーディエンスの前で、MCハマーと一緒に年の瀬のライヴに出演して、かれの世界的成功を見せつけた。(その後、Psyの過去の反米発言がアメリカで露見していくらか問題になるのだけれど、Psyにはそんな気骨のある面もあります。)ただし、けっしてLVMHはPsyをどこやらのブランドのアートダイレクターに招きはしないでしょう。そこもまたPsyの魅力と言えそうです。それはそうと近年Psyはどうしてらっしゃるかしらん。謎です。


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