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つい腰が動く、Sly & Miles Davis。そしてfunk のその後。

Sly and the Family Stone:Fresh(1973)


凄いですねぇ、リズムびんびん、ついつい腰が動いちゃう。こんな音楽のフォーム、これまでなかった。Sly and the Family Stone の4枚目のアルバム。Wikipedia によるとMiles Davisは一曲目の In Time にぞっこんになって、自分のバンドのミュージシャンたちに30分間、何度も聴かせたそうな。また、Brian Enoは、このアルバムはレコーディングの歴史に変化をもたらしたとして、このアルバムを契機に、バスドラムとベースの重要性が生まれたとした。George Clintonは後にRed Hot Chili Peppers のアルバムをプロデュースするにあたって、If You Want Me to Say をカヴァーするように説得したそうな。結果、そのトラックは生まれた。もっとも、わざわざ聴くほどのものでもないとぼくはおもうけれど、だからと言って悪くはない。


Miles Davis:On The Corner(1972)

「ジャズ界の帝王」マイルス・デイヴィスだって負けちゃいない。おれだってfunk をやってやろうじゃないの、しかももっと凄い奴をな、という野心が感じられます。ダンスミュージックのアヴァンギャルドですね。たしかにそれまでのマイルスはかっこいいいけれど、ただし踊れないですものね。時代はダンスです。帝王も気づいています。ただし、帝王は前衛も忘れません。


Wikipedia によると作曲家・編曲家のPaul Buckmaster(誰、それ?)が「ジャズ界の帝王」マイルスに、現代音楽のStockhausenの音楽を紹介するとういう余計なお世話をして、結果妙なところで純真なマイルスはシュトックハウゼンから影響を受けつつ、それをSlyのファンクミュージックと融合させた・・・というような説明がこのアルバムに対してなされているのだけれど。しかしこの説明はほんとうだろうか? たいへん怪しい。いまとなってはただひたすらマイルスのSlyへの共感とfunk をさらに発展させようとするマイルスの意志がわかるばかりである。なお、この時期マイルスはJames Brownもまた繰り返し聴いていたそうな。その後マイルスはPrice にも大いに興味を持った。


なお、このアルバムは従来のジャズファン~マイルス・ファンたちを徹底的に失望させかれらはこのアルバムを盛大に非難したけれど、しかし、2000年以降このアルバムの評価は、ジャズファン以外のリスナーによって高まるばかり。


マイルスの没後、2007年コロンビア・レコードから発売された On the Corner でレコーディングされたテイクを網羅的に集めた6枚組のボックスセット。



おまけその1。KOOL and the GANG のファーストアルバム(1969)どうです、このダンサブルなベースライン。Funk大流行の時代だったんですね。


おまけ、その2。

The wooden Glass feat. Billy Wooten : We've only just begun(1972)いいなぁ、この甘美で自堕落な世界。


おまけその3

上田正樹とサウス・トゥ・サウス:むかでの錦三(1975)このグルーヴ感、サイコーですねぇ。


おまけその4。

Nile Rodgers & CHIC : Good Times (Glastonbury 2017)

Chic : Le Freak (Oliver Heldens Remix)


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