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半年で6つのサービスを出してみた

3月14日に、開発会議をリリース。それから、月に一つのペースで、6つのWebサービスを世の中に送り出せました。結果として、6つのサービスのうち、既に4つが売却され、自分の管理下を離れています。

「売却」と言っても、数億円、数千万円の収入が入ったわけではありません。前月と何ら変わりなく、これからも本業のフリーランスをやらないと生きていけません!生活費を受託で稼ぎながら、空いている時間を使って大好きなプロダクト開発に打ち込んでいくつもりです。

ここ近年、質問箱をはじめとして個人がWebサービスを売却する話を耳にするようになりました。そんな背景もあってか、「サービスを売却してみたい!」、「一発当てたい!」と個人開発を始めたエンジニアの方も少なくないように思います!今回の売却は、華々しいホームランを打ったというより、もうサイズが合わなくて自分では着こなせなくなった古着をオシャレな人に譲ったという感覚に近い気がします。

自分自身もまだ修行の身ではあるものの、今日までサービスを開発、失敗して、売却など幾つかのサイクルを経験した上で、少なくとも学んだこともあるので拙いながらも、これから個人開発を始める人や、始めたけど上手くいっていない人の参考になれればと思い、赤裸々に全てを綴っていきます。

まず、1) それぞれのサービスをどんな経緯で作り、売却に至ったのかを時系列で追っていきながら、2) 個人開発をやっていく上で意識するようになったレシピ、そして、3) 個人開発というムーブメントがいかに世の中を変えていくのか、以上の構成で共有していきます。少し長くなるかもしれませんが、お付き合いください。

サービスを作り続けた経緯

私(FREERIDER)について

本業は、フリーランス。開発やディレクションの仕事が多めです。2017年頃からプログラミングを独学で始めて、規模の大小を問わなければ、30以上のサービスを出して、そして閉じてきました!ジャンルは、マーケットプレイスや、コミュニティ系が多めですが、スペース貸し出しと現実世界が絡むものに取り組んできました。

ちなみに、住まいはアメリカのサンフランシスコです。去年、運良くグリーンカード のロトに当選して移住してきました。ずっと、世界中で愛されるようなプロダクトを作ってみるのが夢だったので、物理的には近づいてますが、まだまだ努力と工夫が足りていないなと感じです!

一応、Twitterはこちらです。

開発会議を作る前(〜2019年3月)

今年の1月まで、一人会社をやってました。アメリカに移住するにあたって、法人を残していても両親に迷惑をかけてしまう為、会社を清算することにしました。これまで付き合いのあったクライアントとは、個人として再契約を交わし、晴れてフリーランスの立場に戻りました。

清算する際に、会社名義で作ったまま放置してたWordPressのメディアサイトが見つかりました。閉じるのも良いけど、記事数のボリュームはあったし、もしかしたらと思い立って、幾つかサイト売買サイトに投稿してみました。すると、意外にも問い合わせが来るようになり、最終的に20万円で販売することが決まりました。

20万円を妥当と受け取るかどうかはさておき、そのまま廃棄するはずだった(0円)のを踏まえれば、儲けです!また、このままインターネットの星屑となって消える予定だったコンテンツたちが、誰かの為に立てるのは嬉しいなと感じました。

この時の体験は、のちに「個人開発のフリマ」を作る原体験だった気がします。

個人開発という界隈(2019年3月)

移住してからは、アメリカでウケるプロダクトに挑戦し始めました。当然、一筋縄ではいかず、どうやってサービスを発想し、いかに成長させるかの記事をひたすら読み漁っていました。そこで、最も参考にしてたのが「Indie Hackers」です。Indie hackersは、直訳すれば独立した(= Indie)ハッカーで、本業とは別に、あるいは本業として、個人やチームでサービスを作っている人たちを指します。サイトでは、個人開発で利益を出す方法にスポットが当たり、多くの成功体験が寄せられてました。

数々のストーリーを読み進めてるうちに、日本の個人開発業界にも貢献できれればと思い立って作ったのが、「開発会議」でした。開発会議は、個人開発者がサービスを世に出し、そこで得た知見を共有するのを目的としたコミュニティサイトです。ここでは、開発者が取り組んでいるサービスを登録し、バグを修正したり、KPIに達したり、目標にしてた会員数やPVに届いた時にアップデートを投稿してことができます。

サイトを作り、リリースをQiitaに報告すると、250近くのいいね!を受け取り、トレンド入りも果たしました!これまで、知り合い以外が使ってくれるような正常なサービスを作った経験もあんまりなかったので、登録プロダクトやユーザーが、見る見る増えてくのはエキサイティングそのものでした。

また、開発会議にアクセスする人の多くは、空いた時間でサービスづくりに励んでたり、サービスづくりに興味がある、まさに自分と同じ境遇の人たちばかりで、そういう方々と情報交換ができる環境を作れたのは、感無量以外に何ものでもないです!

リリースしてすぐ、インタビュー機能を追加。サイトに登録してくれた個人開発者にチャットや、30分程度のビデオ通話をお願いし、「なぜ、そのサービスを作ったのか?」、「ビジネスモデルは?」、「将来、どんな展望を見据えているのか?」を尋ね、それを記事化して配信してきました。

それを通して出会ったAsk Makersに取り組むTaishi Katoくんとは、お互い北米にいて、同い年という共通点もあって、ほぼ毎日プロダクトの相談をし合うような仲にまで発展しました。

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インタビューをやって良かったと思えるのは、まとめて3つあります。ユーザーがどんな人なのかを直感的に知ることができる、次に、インタビュー自体をサイトのコンテンツとして配信できる、そして、ユーザーと友だちになれる、です!こうした対話から、次に実装する機能のアイデアを得られたりもできます。また、お願いする時にも「ユーザーヒアリングさせてください!」と一方的に空いての時間をテイクするのは気が引けるけど、「インタビューさせてください!(あなたのことも頑張って宣伝するから)」は、お互いにウィンウィンな時間を過ごせます。

そうして、最初の1ヶ月で20人以上の個人開発者と対話できました。この対話を通して、「最初のユーザーを見つけるのが大変」、そして「いつか作ったサービスを売却してみたい(収益化)」の課題を多くの方が抱えてることが分かりました。前者は、開発会議の出番ですが、後者を解決する為には別のプラットフォームが必要かなと思い始めました。


サービスは売れるかもしれない(2019年4月)

もともと自分はエンジニアではありませんでした。その当時、どんなWebサービスを作るのも大変だと思ってたし、放置されてるサービスがあれば改修して、自分に運営をやらせてほしい。お金払うから。と思えるほどでした。

もう自分では使ってなくても、他の人から見るとお金を払うほど価値のあるものかもしれない。これは、メルカリが世に知らしめたフリマアプリの真意であって、ビジネスの世界でも適用できるのかもしれないという、仮説をもとに「個人開発のフリマ」を着想しました。個人開発のフリマは、個人開発者やスタートアップが作ったサービスをフリマ感覚で売買できるマーケットプレイス。少なくとも、開発会議ユーザーの中には、作ったサービスを売りたい人たちがいるのを知っていました。

開発会議のインタビューが一通り済んで、フリマのアイデアは固まりつつあったのですが、「あれ、自分だったら何を出品しようか。」と思い返した時に、出品できるサービスがなくて、何かすぐに売れそうなコンセプトライクなサービスを作ろうと思って、始めたのが「みんなの総選挙」でした。みんなの総選挙は、Twitterでログインし、誰でも簡単にランキングページを一瞬で作成できるサービス、前に思い立って作りかけていたアイデアでもあったので、当時のコードを使い回しで、かつ分かりやすいサービスでもあったので、もしフリマで出品されれば、誰か買ってくれるんじゃないかなと気軽に考えていました。

総選挙は、4月19日にリリースしました。あわよくばバズってくれないかなと願っていたものの、不発で終わりました。若い女性向けにデザインを施していたのですが、そもそも自分の周りからその層にリーチできる手段がそもそもありませんでした。

逆に考えれば、若い女性層にリーチできるのであればサービスを成り立ちそうでした。この総選挙が、想定している層に出会うために考えられる方法は、FacebookやInstagramの広告を配信するか、そういうのが得意なマーケターと組むか、でした。お金も時間もリソースが限られていたため、どちらも取れない選択肢でした。いっそ、リーチできる人に売れればそれが一番なんだけど、と思えました。

サービスを売るのには、2つのロマンがあります。入札してもらえるほど価値があるものを生み出すことができた達成感と、自分のスキルでは実現できなかったサービスの成長を託すことができる期待です!これは、大企業がスタートアップを買収するような、高次元は既に行なわれているものの、個人レベルではまだ普通なことではありませんでした。

個人開発のフリマは、それに答える形で開発をスタートしました。売り手は開発会議経由で集められます。インタビューをやったことで、実際にユーザーの声を直で聞いていたので「いける!」という確信がありました。問題は、買い手をどのように集めるか、です。

買い手に関しては知見がありませんでした。そこで、幾つかの仮説を用意した上でサービス構築に臨んでいくことにしました。具体的には、こんな人たちを想定しました。

・該当サービスのデータに興味がある
・該当サービスのようなサービスを作りたい
・該当サービスを作った開発者その人に興味がある

まず、サービスが保有してるユーザーやコンテンツに買い手が興味を示せれば、それに該当する対価を支払おうと考えてくれます。一般的なM&Aにあるケースはこれです。それから、「該当サービスのようなサービスを作りたい」は、受託開発をやってきて気づけた需要です。大抵、ゼロからWebサービスを受注する際には、何百万円もの見積になることもあります。しかし、似たような機能を持つサービスをフリマで買い上げて、少しカスタマイズすればリーズナブルにサービスを作れます。最後の仮説は、ロックアップです。サービスだけでなく、開発者当人を自社に招き入れることを目的とした買収ケースになります。

フリマでは、大手M&A会社が取り扱うに値しないような小規模な案件に取り組んでいく予定でした。案件の単位は数万円、数千円から始まり、そのレンジに抑えられなければ個人開発でのハンドリングは難しいようにも見込んでいました。

また、対人のケースも増え、戦略によっては営業も必要だと考えていたので、もう一人仲間が欲しかったです。その際、もともとの知り合いに一緒にやらないかと投げかけたりもしましたが、誰にもOKしてもらえず、一人でリリースすることにしました。

初めての売上(2019年5月)

5月16日にリリースして、まずTwitterでその旨をツイート。そこから、リツイートで噂が広まっていき、少しずつ出品数が増えていきました。そんな中、自らが出品していたFacebookに交渉が入りました。このFacebookグループは、訪日観光客の交流を目的とし、2013年に開設して以来、1800人を超えるメンバーが加入してました。また、継続的に加入もあったこともありました。買い手を申し出た方は、言語交換系のサービスを展開し、グループのユーザー層に興味があったとのことでした。

後から、Facebookの規約からグループの売買が禁止されてたことが判明し、返金処理を行ないましたが。フリマ経由で、サービス売却が実現できる兆しが見えた瞬間でした。

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それから、数日経った頃に「みんなの総選挙」の売却が決まりました。買収価格は、4万円!購入した方は、SEOやWebマーケティングに強い会社を経営されていて、サービスの持つ可能性に買取を決めてくれました。この売却に至る経緯は、Qiitaで500以上のいいね!を受け取り、はてなブックマークでも上位に食い込めました。

初速が良かったのに加え、開発会議の連携も活かされ、出品数はどんどん増えていきました。実際に、取引が少しずつ成約されるようにもなっていきました。しかし、出品されているサービスの金額や、実際にお金が動き始めると、個人でこのサービスを継続していくのができるだろうか、という不安が芽生え始めました。

少額でのエスクローであれば、何かあったとしても最悪自己負担でどうにかなります。しかし、数百万円、数千万円となってくると一個人(しかも海外在住)がやるビジネスとしては、どうしても荷が重いし、このコンセプトを本気で実現するのであれば法人化して体制を整っているべきではないかと、フリマそのものの今後に対する不安も頭をよぎるようになりました。


背丈に合ったサービスを作る(2019年6月)

個人開発を本気でやるなら、いずれ「プロダクト開発だけで生活する」があります。いずれ会社化して事業を大きくしたい、思い描くビジョンを実現したい、ゴールは違えど、収益を生み出し、自分がそれだけに集中できる環境を整えるのはマストな条件ではないでしょうか。

例えば、月々30〜50万円くらいの収益を安定的の生み出せるのであれば、本業の仕事を辞めでも問題なかったりしませんか。気づいたのは、個人開発をやってく為に、好きなものだけ作っているのは遠回りだとうことです。収益、それも一過性なものではなく、月に安定したお金を稼ぐ必要があります。

安定的に稼ぐのであれば、やはりSubscription-based(定期購読)。かつ、既にTwitterでフォローしてくれてる方や、周りの人たちにアイデアを投げた時に、お金を支払う価値を感じてもらえるビジネスはないだろうかと、模索し始めました。

その時に生まれたのが、4つめのサービス「East Hackers」です。今、シリコンバレーにいて、エンジニアや個人開発をしてる方であれば、少なからず関心を抱いている土地になります。シリコンバレーで得られる情報や、現地のネットワークを供給できるオンラインサロンであれば、自分にしかできないし、かつ、安定的に運営できるビジネスだと思い巡らせました。

実装は、静的なサイトにStripeチェックアウトを仕込むのみ。開発に所要した時間は30分で、6月13日に公開しました。なんと最初の1週目で、3人の方が購読してくれることになりました!コンテンツに価値がないと判断されない限りは、毎月収益を得られます。

East Hackersを成長させるには、オンラインサロン内でのコンテンツを充実させる、更に、もっと外部から興味を持ってもらえるようにブログやTwitterで情報配信を行なう。この2つに集中すれば良いのです。また、サロンの場合、人が増えれば増えるほど、活性化していく為、後者は、前者の目的を達成させるためにも必要なことでした。

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初めのうちは、シリコンバレーでの出来事や、毎日読んでいる海外のテクノロジー情報をは配信していましたが、少しずつコンテンツの筋を変更していき、参加者一人一人の壁打ちに付き合ったり、パーソナライズな体験を提供してくようにもなりました。

自分がこれまで学んできこと、経験してきたこと、更に置かれている環境お全てをマネタイズできる背丈にあったビジネスになりました。

ストーリーを公開する(2019年7月)

East Hackersや、個人開発のフリマを広めていくために、ブログを結構な頻度で更新してました。最初のうちは、1日2記事以上のハイペースで配信したりもしてて、速攻ネタ切れでした。すぐに効果は出ないのはそうなんですけど、ブログ書くだけでは集客に繋がる気がしませんでした。

ブログを書くよりも、新しいサービス出した方が話題を集められる。むしろ、自分にとってブログ書くよりも、コーディングに打ち込んでた方が楽しくやれます。では、プロダクトを作るまでの過程をネタにしてみようと思って、作り始めたのがチャットボット のAppStore「Botcamp」でした。

開発会議を作った時に、チャットボットの可能性にも興味を持ち始めたのだけど「じゃあ、チャットボット使いたい!」って思った時にAppStoreのように探せるプラットフォームがありませんでした。また、海外で似たようなコンセプトのサイトが上手くいっていたのもあって、早速取り掛かってみることにしました。

ただ、開発して出すのではなく、アイデアからリリースまでを1週間とし、どのような工程で出してきたのかをQiitaに公開しました。そこまで多くの方に読まれたわけではありませんでしたが、こうしてリリース前から、どのようにリリースするかを準備して進めていくのは悪くない発想だったなと思っています。

フリマの売却へ(2019年8月)

Botcampを出すあたりから、本格的に「個人開発のフリマ」の新体制を検討するようになりました。少なくとも、このままではまずいと焦り始めました。せっかく、個人開発時代の幕開けに貢献できそうなコンセプトの兆しが見えたのに、このままだと沈んでしまう。何とかしなければ。まずは、一緒にフリマを運営してくれそうなパートナーを探し始めました。

「開発は全部自分がやるから、営業や買い手にアプローチするアイデアを考えてくれないか」こんな具合に、昔一緒に働いたことがある人や、大学の先輩、ありとあらゆる人たちに声をかけて回りました。しかし、なかなか良い返答がないままに時間が過ぎていました。

一方で、もし売ってくれるならフリマを購入したいという人たちが現れ始めました。最初に相談を持ちかけられたのは、Webマーケティング会社の経営者で、Twitter経由でサービスの存在を知っていただいたそうでした。条件も悪くなかったのですが、最初は完全に自分の手から離れてしまうのに虚しさがあり断りました。

それから、続けて2社から買収の提案をいただきました。いずれも初見の方ではなく、個人的にお世話になっている方々でした。自分がやっている活動に興味を持ってくれていて、フリマが伸び悩んでいることを承知した上で、買収の話を持ちかけてくれました。

最終的に、引き受けてくださることになった株式会社T Accerelator辻村さんとは、一年ほど前に、コワーキングスペースで出会いました。もともと、彼がシリコンバレーでビジネスをしていたこともあり意気投合し、ビジネスの壁打ちをしたり、連絡を取り合うような仲になりました。スタートアップや個人ビジネスに対する想いが強く、一方で自らも事業に参画していくようなアグレッシブな方です。

それから、交渉が進んでいくうちに、自分が目指している個人開発への展望を汲んでいただき、何より会社体制で自分にはできない安心・安全な取引を展開していくことを約束していただき、サービスを譲渡にしていく流れとなりました。

その条件として、フリマだけでなく、開発会議、Botcampも一緒にということでした。個人開発がメジャーになっていくことに貢献する為に、これらのサービスが成功する為にお互いが連携するのが必要なのは承知だったので、今回すべてのサービスを売却するに至りました。

これからは万国共通サービス作りたい(2019年8月)

譲渡の話が続いていくなかで、これからどうしようかと考えた時に「やはり、アメリカに集中したい。」という思いが強くなっていきました。これまでも、紹介したサービスたちと同時進行でアメリカでもサービスを幾つか出してきたのですが、アメリカに移住してきたのにアメリカに背を向けている後ろめたさに耐え切れなくなっていきました。なので、これからはアメリカと真っ向に向き合っていきたい、命を燃やしていきたいと。

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その手始めとして、8月16日にリリースしたのが「MVP List」です。ほぼ1日で作ったこともあり、サービスとしては軽いですが、FacebookやAmazonのような有名スタートアップたちのMVPの事例を探せます。さっそく、その日のうちにProduct Huntに参戦してみましたが、あまり盛り上がりませんでした。まだまだ、攻略は始まったばかりです。楽しみすぎます!

こうして振り返ってみると、直近半年の間に6つのサービスを出していました。

個人開発のレシピ

とにかく終わらせる

個人開発に締め切りはありません。リリース日を決めるのはCEOではなく、自分自身。そのため、やり続けようと思えば幾らでもやり続けられます。驚くかもしれませんが、開発から数年経って、まだリリースしてないなんてのもたまに聞きます。個人開発は、研究ではないです。学習でもないです。ビジネスにカテゴライズされます!だから、使ってもらえて、もっと言えば、お金が発生してなんぼってやつです!

初めて作ったサービスをリリースするとなれば、その前に悩むことは沢山あるだろうし、やり残したことはないかと振り返るだろうし、実際にそんなことは山積みでしょう!実際のところ、個人開発で作ったサービスは自分が思っている以上に世間からは期待されていないものなんです。だから、ユーザー0なんてよくあることだし、ダメなら何度でもリリースするくらいの気概が丁度良いです。

「完璧より終わらせろ」は、もはや使い古された引用ではありますが、個人開発をやる上で最初に刻んでおくべきかもしれません。この終わらせることが、人によってはどれだけ難しくて、勇気の要ることなのかはきっと後から分かると思います。

もっと言えば、「◯ヶ月に1つはサービスを出す!」のようなルールを決めてからスタートにすると良いです。Pieter Levels の 12ヶ月で12のサービスリリースするは、まさに刺激的です!多く出せば良いというわけではない、という批判の声が聞こえてきそうですが、個人開発に関して言えば、多く出せば出すだけ成功確度が上がる気がします。そして、そのPDCAサイクルは短期間に多く回せれば回せるほど良いです、1回や、2回サービスをリリースして、ユーザーがつかなくて、「個人開発向いていない。」と思って止めちゃう人も見てきました。最初のサービスがバズるなんて奇跡的な確率だし、ユーザーがつかないは前提です。なので、最初に具体的なルールを自分に定めた方が良い気がします。

そして、出す度に何が上手くいったのか、上手くいかなかったのかを記載しておくと良いです。できれば、ブログ、Crieit、それから開発会議がオススメです。誰かに伝えなきゃいけないと思った分、学んだことを整理する機会になるし、他の方から「こうした方がいいんじゃない?」と意見をもらえたりもします。何なら、個人開発者はコードと、ブログを書くのだけを最初はやっておけばコツが掴めるようになるんじゃないかんとも思ったりします。

話は逸れましたが、「こんな状態でリリースしたら、バグが起こって迷惑かかるんじゃないか...。」少し恥ずかしいくらいがリリースのタイミングです!一つのサービスが上手くいかなかったからって落ち込む必要も、恥じる必要も全くなくて、自分も毎回、派手に転んで、そのサービスを軌道修正して再リリースしたり、全く新しいサービス作ったり、とにかく前のめりにやってきています!

マーケットサイズ < ビジネスモデル

個人開発をやるか、スタートアップ(特にエクイティ型)をやるかで、やや戦略に違いが出てきます。スタートアップは顧客だけでなく、市場の可能性と向き合う必要もあります。一方で、目の前の収益自体が足りていなかったとしても、ここ数年の間に市場が伸びていくことが証明できれば、投資家からそれまで事業を育てられる資金が提供される、選択肢があります。しかし、個人開発にはそれがない為、Day1からお金を稼ぐ必要があります。

したがって、ビジネスモデルが第一にあって、マーケットサイズは二の次となります。例えば、Pieter LevelsはNomad Listという、ノマドしている人たちが行く土地土地で、情報交換をしたり、アクティビティを楽しむ為のコミュニティを作りました。ノマド人口は増えているものの、世界中を転々としているノマドはまだそこまで多くはありません。彼ら向けのメディアを作りGoogle Adsenseで稼ぐのでは不十分だったとしても、会員一人一人に年間60ドル支払ってもらえるビジネスモデルであれば、従業員100人を養えなくても、個人がちょっと豪華に暮らすサイズとして十分です。

つまり、市場がめちゃくちゃニッチでも、ちゃんと一人あたりの顧客単価に適正な値付けができれば、ビジネスモデルは成立します。そういう観点で考えれば、100万人に使ってもらおうなんて考える必要はなくて、周りは誰も分かってくれないけど、自分はこれがすごく好きなんだ!っていうくらいがアイデアとしては丁度良いんだと思います。

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Indie Hackersでは、Subscription-based(購読型)が圧倒的に多く、全体の約45%です。ついで、ECマーケットプレイスの仲介手数料が得られるTransactionalとなっています。主には、ソフトウェアや、Nomad Listのおようなコミュニティを月額でて提供するビジネスモデルが好まれている傾向にあるということになります。

マーケットプレイス型をやろうとすると、まず、第一に鶏と卵の問題にぶつかり、同タイミングで両サイドの需要供給を満たしていくのはリソースが限られている、個人開発にはハードです。個人開発のフリマは、まさにその問題にぶち当たっていて、売り手を増やさなければサイト価値が上がらない一方で、買い手も探さなければ収益は上がらない。どっちも手付かず!みたいな状態になりがちでした。

一方で、開発会議、Botcampのようなコミュニティサイトをスタートすると、SEOやコンテンツ勝負になってくるので中長期戦になることが確定します。マネタイズもそれだけ後に入ってくるため、それまでやり続ける必要があります。よほど、これに対して強い想いをもって、やらない他ありません。マネタイズする前に心折れることもあるでしょう。

「プロダクト開発だけで生活する」ゴールに一番近いのは、やはりSubscription-basedです。ここ半年で、6つサービスを運営してきましたが、おそらく、個人開発のフリマが一番認知度が高いと思います。売上も確かに初月から出ました。ですが、平均的な月の収益を生み出していたのは、East Hackersでした。East Hackersは、シリコンバレーを拠点にしている起業家や、開発者たちと一緒に、プロダクト開発を進められる月額20ドルのオンラインコミュニティ。当時は、4人の有料購読者がいました!現在は、無料メルマガを発行していますが、いずれ有料プランも準備していくつもりです。

まとめると、Subscription-basedを個人開発者がやるべき理由は下記が挙げられます。

1) 同じリソースで倍稼げる
1つのサービスで、1人使う人がいれば10ドル、10人いれば100ドル、100人は1000ドル。でもランニングコスト自体はそこまで変わりません。なので、ユーザーが増えれば収益も増える、それでいでコストはそこまで変わらないので、リソースが限られている個人には向いています。

2) マネタイズで悩まない
一度購読したユーザーが購読停止する率を下げる、新規ユーザーを増やす、この2点を守れれば収益は堅調に伸びていきます。マーケットプレイスだと、鶏と卵問題を解決したり、メディアだと広告の配信方法と、ある種のテクニックも要する場面もあります。総じて言えば、良いサービスを作ることだけに集中さえすれば、サービスは成長します。

個人開発をしてる方の中には、いずれ会社かを視野に入れている人も少なくないと思います。正直、自分もスタートアップしたいです!個人開発者のビジネスは、ゆくゆくスタートアップになりうるのかということなんですけど、答えはYESです。スタートアップにしかできないアイデア(最初、お金にならないアイデア)は、個人開発のアイデアにはなりえないですが、逆は全然ありえます。先程、挙げたNomad Listを例にあげるとしたら、横展開か、縦展開すればいけると思います。具体的には、ノマドだけでなく海外出張してるビジネスマンまで対象を広げる(横展開)、もしくはノマド向けの居住地/オフィスを貸し出すサービスを始める(縦展開)などです。要するに、スタートアップをやるにしても、個人開発するにしても、Day1から収益化を目指すのは間違ってはいないはず。

アイデアの拾い方

頭の中だけで考えたアイデアは、ほぼ確実に失敗します。アイデア以上に大切なのは、アイデアと開発者との相性です。みんなの総選挙は、思ったよりも伸ばせませんでした。その理由は、頭の中で「これ良さそうじゃない?」と考えたアイデアに過ぎず、おそらく自分との相性がよくなかったからです。

結局、総選挙はフリマで売却され、自分よりも相性の良い方の手に渡ったと考えています。年齢層若めで、エンタメ、旅行とかが好きな層に受けそうだなと思ったのですが、そういうタイプの方々は自分とは真逆で、とても自分がやり続けていくには限界を感じました。話を聞いていると、購入した方はそういう層への知見が深く、アフィリエイトが得意で、これからの戦略を聞いて、上手くいきそうだなとつくづく感じました。

いわゆる「アイデアマン」的な人たちは、ビジネスのゼロイチ場面では空回りしがちです。キャンペーンや、プロモーションで使うには良いのかもしれませんが、頭から出るアイデアには個人開発では全く価値がありません。

個人開発は作るのではなく、探すことから始めましょう。就職活動中の大学生じゃないですが、自分探しに似ているかもしれません。自分が何なのかを調べる上で、一番簡単な方法は周りを検索することです。いつもLINEやメッセンジャー、Twitterでやり取りしてる人たちがどんな人なのか考えればいいだけです。

自己分析をするよりも、周りの人がどんな人なのか調べる方が簡単だし、よほど浮き彫りになってきます。自分の場合は、圧倒的に開発者が多かったんです。だから、おそらく当分は開発者、あるいは何かに挑戦しようと思っている人たち、特に海外で、こういう人たち向けにしかサービスを作ることはできないんだと思います。そして、サービスを作れば、ちゃんとその人たちは評価してくれるはずだと信じています。

とはいえ、世の中には沢山のサービスで溢れていて、ほとんどの問題というのは既に解決されているものです。まさに、便利な世の中ってやつです!そういう市場の中で、キラーになってくるのが「自分にしかできないこと」は何かということ。

East Hackersを盛り上げていきたいと思っているのが、まさにその理由で、たまたま去年グリーンカード が当たって、会社にも勤めず、シリコンバレーでフラフラしいてる日本人なんて、おそらく自分くらいなんですね。一方で、何年もシリコンバレーに滞在したくても、滞在できずに悔しい経験したことを思い出すと、日本にいながらシリコンバレー的な環境にアクセスできるプロダクトを作れるのって、自分にしかできないことなんじゃないかなと思うわけです。

増やすのではなく減らさないをやる

個人開発で最初にやることは、増やすのではなく、減らさないです。その為には、ユーザーに何度でもサービスへ足を運んでもらう、使い続けてもらえる仕組みや、コミュニケーションを意識していかなければなりません。それは、とてつもなく地味なことからスタートします。

開発会議では、一定のヘビーユーザーを作ることに成功したのですが、その為に具体的に行なったことが2つあります。まず、インタビュー機能。登録してくれて、かつ、2回以上投稿してくれてるユーザーを主な対象として、ユーザーをサイト内で紹介するインタビューを行ないました。これによって、どんな機能を求めているのか、使ってくれている人は普段どんなことをしている人なのかなどを理解するのに役立ちました。インタビュー自体も、コンテンツとして配信されたので一石二鳥でした。

もう一つが、Twitterでの呼びかけです。コンテンツが更新されるたびに、投稿者のアカウントも含めて、簡単なサマリを配信するようにしていました。これによって、開発者ユーザーを大事にしているのを言葉で伝えることができました。こういう思いのこもった返しは、Twitter内で引用リツイートしてもらえたりと宣伝という形でも働くようになることが分かりました。

プログラミングをバックグラウンドに持つ開発者たちにとって自動化できないことはストレスかもしれませんが、最初の数ヶ月はマニュアルの運営こそがサービスを成功させる気づきを与えてくれることは間違いありません!

胸を張って出し続ける

「プロダクト開発全然上手くいかない。」、「もう止めようかな。」という、ツイートをたまに見かけます。止めようと思ったことはありませんが、悔しかったり、恥ずかしいと今でもたくさん感じながら、プロダクトをリリースし続けています。

例え、サービスが使われなかったとしても、何か新しいものを生み出したり、他の人と飲み会したり、Youtube見てダラダラする時間を削って、サービスを作るために一生懸命取り組んだって、それだけで胸を張って良いことなんじゃないかなと思っています。

コミュニティに参加しよう

国内にも個人開発者が集まっているコミュニティがあります。運営者ギルドはその一つで、誰もが一度は使ったことがあるサービスを作って、尚作り続けている熟練の方から、今日始めました!という方々まで、サービス開発全般に関わっている人たちが参加しているSlackチャンネルです。

あとは、Twitterで「個人開発」タグから出てくる人たちをフォローするのもオススメです。知っている限り、個人開発でサービスを手がけている人の殆どがTwitterにある種住所を置いているくらいの滞在率な気がしています。勿論、個人開発のことだけをツイートしてるわけではないんですが、フレンドリーな方が多く、思い切ってリプを飛ばしてみてもいいと思います。

それから、もちろん「開発会議」への参加をよろしくお願いしたいです!

個人開発はライフスタイル

個人開発は仕事ではないです。趣味でもないです、どちらかといえばライフスタイル(生き方)に近い気がしています!何よりも大切なことは、長い目で考えて個人開発を成功させることだったりします。

例えば、ノルマを作ってもノルマに縛られないのが、上手く続けるコツです。毎日コードを書く、毎日コンテンツを更新するってのは響きはすごく良いんですけど、プロダクト開発を成功させるのが毎日それを続けることだとは限らないじゃないですか。

毎日、愚直に打ち込んで続けるよりも、大切なのは「何が成功に向けて効果的なのか」を徹底的に考えてやり続けることです。時間には限りがあります。ノルマばかりに集中してしまって、考えることをなくし、やって得られるのは満足感です。成功ではありません。もちろん、続けることは大前提で大切、でも、考えながら時にそれを止める決断ができることは、同じくらい大切なんですね。

個人開発をメジャーにしたい

ここ5年くらいの間で、フリーランスが増えました。自分もその一人にカウントされると思っています。フリーランスを簡単に定義してみて、「スキルをもって、組織に所属せず個人で生計を立てる人たち」とすれば、個人か初者は「サービスをもって、組織に所属せず個人で生計を立てる人たち」になっていくのだと思います。

スキルとサービスは、ビジネスモデルに大きな違いがあります。スキルが働いた分だけ対価を得られる労働集約型であるのに対して、サービスは必ずしも対価が労働に比例しません。サービスにかける時間はゼロになるかもしれないし、また、仕組みづくりに成功してしまえば何をしなくても一定の収入が入ってくるように築ける可能性もあります。投資に近いかもしれません。

極端に言えば、次の日死んでも自分に収入が入ってくるのがサービスです。それを今まで、会社という形態でしか常やってこなかったことが、個人レベルでやれてしまう時代の話をしています!国内ではプログラミング学習が一つ大きな市場として成り立ち、海外ではNo Codeと呼ばれるプログラミング不要で開発を行なえるテクノロジーが注目され始めています。その気になれば、誰もがプロダクトを作って、リリースできる世の中は既に目の前に広がっているのです。

「個」の時代とは、まさに誰もがクリエイティブな発想から仕組みを生み出し、世の中の役に立つことができるのを指しているのではないかなと、こうした「個人開発」というムーブメントの当事者となって考えてみてしまいました。

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