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人的資本と社会資本と金融資産

今回は橘玲氏著“幸福の資本論”の中で提唱されていた、人が幸福に生きる土台としての人的資本・社会資本・金融資産の関係性を自分事にし、考察していきたいと思います。

まず、こちらの書籍の中で橘さんは

“ひとは幸福になるために生きているけど、幸福になるようにデザインされているわけではない”

幸福の資本論/橘玲著

このような表現をされています。

そして「幸福」とは何なのか、どのように幸福を定義するかということですが、それは一概には定義が難しいと思うのです。

個々人の価値観や興味関心、感じ方、環境など様々ですので、何が幸福で何が幸福ではないということを紋切型に定義することはできません。

しかし、橘氏はそんな中でも、「人的資本」「社会資本」「金融資産」という3つの資本を「幸福に生きるための土台」として設計し、幸福の条件として「自己実現」「絆=人との繋がり」「自由」という3つを挙げ、この形で把握すると幸福という捉えづらいものがある程度見える化でき、現実的な幸福に生きる戦略を立てやすくなると主張しています。

また、この3つの資本の組み合わせである「人生の8パターン」によって、すべてのひとびとの「幸福」のカタチが説明できるとしています。

まず「人的資本」「社会資本」「金融資産」をそれぞれ説明していきます。

人的資本

人的資本とは、読んで字のごとく、私達の頭や体のことを指しています。

私はサラリーマンとして働いていますので、労働市場に人的資本(自分という労働力)を投下して、お金を得ています。

また、仕事をしてお金を稼ぐだけでなく、自己実現をしていく上でも、この人的資本は重要な資本であると。

自己実現の為の人的資本とは、どこに行っても必要とされ、高い報酬を得られ、尚かつお金の為に働いている訳ではなく、自己実現の為に活動出来るようになる事が人的資本を最大化するということ=幸福という構図です。

と、いう話からも、残念ながら私は人的資本が小さいのが分かります。

正直、生活のために、また金融資産蓄積のために働いている状態で、これで現状限界ヨロシクですので、自己実現どころの話ではありません。

社会資本

社会資本とは人と人との繋がり、言い換えれば人間関係を指していて、パートナー、家族、恋人、友達、仲間などとの繋がりを指します。

人間は社会的動物なので、どのソサエティ(社会)に所属しているかが重要だという考え方もありますが、極論心地良い社会に自然収斂される気がするのであれこれ考えることはやめました。

社会資本は金融資産や人的資本と比べると数値化がし辛く見えにくいものです。

私個人としては、これが幸福に生きる為の最大の鍵を握ってると考えていますね。

どんなにお金を持ってても、どんなに凄い能力があっても、友達も家族も仲間も誰も周りにいない人生は、本当に虚しい人生になってしまう様な気がしています。

たとえ、やりがいの感じない仕事をして、少ない稼ぎで、金融資産もゼロだったとしても、いつもまわりに仲間がいて、家族がいて、いつものメンツで夏なんかには1人2000円予算のバーベキューでもして、と言う様な生活は幸せを感じられると思います。

ただ、この場合、仲間の輪から追い出されたら唯一持ってた社会資本を失うことになりますので、金融資産も人的資本も社会資本も無い状態=最悪の事態になってしまうのかなと。

人間関係に悩みが尽きなそうですね。。

金融資産

金融資産はお金や株式、不動産などイメージしやすいと思います。

私も株式投資をしています。

金融資産を考える上で重要なことは、経済的独立になるかと思います。金融資産がそれなりにあれば、額にもよりますが働かないという選択も選べる状態になりますね。

生活の為に働かなくても良いので、ムカつく上司が居れば辞めればいいし、飽きたら違うことをすれば良い。

要は自由なんですね。

FIREムーブメントがアメリカから世界へ巻き起こりましたが、これもまさに投資と節制により経済的独立を果たして、早期リタイアするという自由を追い求める価値観になります。

私は早期リタイアにはあまり惹かれないですが経済的独立には惹かれます。自由になれる強さが欲しいです。

私のnoteのアカウントテーマも、「サラリーマンの脱獄記録」としてますので、娘たちが成人する頃には脱獄するのが目標です。

人生の8パターン

橘氏は人的資本・社会資本・金融資産の組み合わせパターンとして8つの人生パターンを紹介しています。

①貧困(本当の意味での)

わかりやすく言えば、人的資本・社会資本・金融資産すべてを失った状態を指しています。特段お金を稼ぐ手段を持っているわけでもなく、友人や家族との関係も地元に置いてきたり、無かったりしながら、金融資産もない状態ですね。

アメリカンドリーム的な身一つで上京したり、新天地に飛び出る様な勇敢さや夢を感じさせますが、一歩間違うと幸福とは程遠い生き方になってしまいそうです。

②プア充

この表現が適切かは分かりませんが、いわゆるマイルドヤンキーがペルソナになります。

貧困ラインかそれ以下の収入で貯金もほとんど無いけど、友達や家族との絆がつよく、金はないけど充実している状態ですね。

しかし、何かの拍子でその友達ネットワークから排除されれば貧困に陥る危険性と隣り合わせになってます。

③退職者

こちらは人的資本、社会資本を持っていないが、金融資産だけ持ってるタイプで、典型的なのはカイシャに社会資本も人的資本もおんぶに抱っこで、幾ばくかの退職金をもらった所までは良かったものの、日々の日課も人付き合いもなにも無くなってしまった状態のイメージですね。

これは個人的にはキツイと思います。私ならボケます。

④ソロ充

こちらは人的資本だけあって、まともな収入は得てるものの、友人もおらず、彼女や彼氏もいません。家族を作ることや子供を育てることに興味はなく、自分の趣味や自分の時間だけを大切にしたいパターンです。趣味や自分自身にお金を使いますので貯金もそんなにないと。

昔は結婚して1人前、子供育てて1人前のような凝り固まった価値観が支配的でしたけど、今はソロキャンプとか流行ってますし、結婚して家族を持つことが全てじゃないのような論調もあります。

私個人的には1人でいることは好きなんですが、自分の為だけに頑張れたり、楽しさを感じる限界を知っているので、個人的にはこれもキツイです。

⑤リア充

節制はせず、貯金などの金融資産は無いけど、まともな収入を得られる職に付いていて、友達も恋人もいるパターン。休日は予定でいっぱいです。リアルが充実しているやつですね。

バランスがよく、多くの人から羨ましがられるペルソナなんじゃないかな?と個人的には思います。

⑥お金持ち

高収入かつ金融資産も持っています。その能力やスキルを存分に発揮し、社会的に成功者として見なされる。しかし、友達や家族、恋人などの繋がりが薄いパターンです。

経営者や投資家に多そうなイメージです。

私はお金持ちじゃないのでわかりませんが、お金があると人間関係がギクシャクするみたいな力が働くのか?

確かにこのパターンの様な人はよくいると思います。

⑦旦那

多くの金融資産を持っている為、労働市場に人的資本を投下しなくても生活に困ることはありません。

地域社会や昔のビジネス仲間との繋がりや家族や友人との時間を大切にしているので周りから慕われた存在です。

個人的にはとても魅力的です。旦那という敬称も好きです。

⑧超充

人的資本、社会資本、金融資産すべてを兼ね揃えたパーフェクトヒューマン。現実社会ではなかなか居なそうですが、ごく稀に実在していると思われる希少種。

どれか1つだけはキケン

このように、8つのパターンをペルソナ分解してみると、幸福な人生を考える上で自分にとっての幸福な生き方はなんだろう?と考えやすくなりますね。

また人的資本、社会資本、金融資産のどれか1つだけで担保されている状態は危険だということも見えてきます。

その1つを失ってしまうと、奈落の底に突き落とされ、幸福とは程遠い状態になってしまうとのことです。

3つ全て持っていたら、それは最高に幸福ですが、常人では難しそう。


まとめにかえて

要はバランスが大切です、という理解をしています。

橘玲著:幸福の資本論

本著には私達個人がこれから生きていく上で、とても大切な概念が散りばめられているような気がします。

興味がある方は是非、読んでみてください。

おしまい

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