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北欧のスウェーデンでどんな国?

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スウェーデンってどんな国?と思っている方に、テキストと画像で現地からの生情報をお届けします。
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#海外情報

スウェーデンの社会システム・移民の場合その1

今回のスウェーデンの社会システムは、移民の場合です。私自身が移民なわけですから、私の体験談をお話しします。 スウェーデンは人口が少ないので(2002年時点で900万人弱、2016年時点で988万人)は、移民の受け入れ体制が整っています。特に戦火を逃れてきた難民の受け入れには積極的です。私がスウェーデンに来た1998年にはコソボ紛争があったため、ユーゴスラビア移民が多く、最近ではアフガニスタン移民がとても増えました。移民の顔を見ると、その時代が分かる気がします。しかし、移民を

スウェーデンの社会してテム・子どもたちの場合その3

日本とスウェーデンの子育て事情で大きく異なるのが「親権」です。日本では単独親権ですが、スウェーデンでは共同親権です。共同親権は離婚しても両親が平等に親権を持つため、双方で相談しながら子育てを続けます。相手への愛情がなくなって離婚しても、両親であることに変わりはありませんので、子どもが成人する18歳までは両親としての関わりが続くことになります。そのような事情もあり、顔も見たくないほどの泥沼になる前に離婚になるケースが多いようです。慰謝料のないスウェーデンでは、離婚の条件も日本と

スウェーデンの社会システム・子どもたちの場合その2

スウェーデンの社会システムのお話しで、スウェーデンの子どもたちをうらやましく思われるかもしれませんが、実はスウェーデンの子どもならではの苦労も背負っています。複雑な家庭環境の子どもが多く、精神的に強くないとやっていけない場合もありますので、我の強い子も多いようです。まず、10才くらいの子どもで、生物学的な両親がそろっている家族が少なくなっています。多くの場合は両親が離婚していて、それぞれに新しいパートナーがいることもめずらしくありません。兄弟姉妹で、父親または母親が違うと事情

スウェーデンの社会システム・子どもたちの場合その1

スウェーデンの福祉を含めた社会システムに興味をお持ちの方が多いようですので、スウェーデンの色々なシステムについてお話ししたいと思います。スウェーデンでは、社会的弱者に対してのサポートがとても進んでいるように思います。高齢者だけでなく、子供、小さな子供のいる人々、ハンディを持っている人々、移民、失業者などに対してです。前回のベビーカー天国もそのひとつでしょう。今回は、子供たちの場合についてお話ししたいと思います。 スウェーデンでは、日本のニュースで最近よく耳にする幼児虐待はほ

ベビーカー天国、ストックホルム

ベビーカー天国、ストックホルムについてお話ししたいと思います。日本に帰るといつも思うのですが、スーツケース等の重い物を持っていると、駅や街中に階段が多いことに気づきます。重い荷物を持って、この階段をいったいどうやって上ればいいのだろうといつも悩んでしまいます。日本には、まだまだそのような施設に遭遇しますので、改善の余地があるのではないかと思っています。 ストックホルムではバリアフリーが行き届いていて、ベビーカーや車椅子の人でも困ることのないように、全ての駅のホームにはエレベ

オーロラが見える時

さて、今回はオーロラについてお話ししたいと思います。オーロラといいますと冬の風物詩とお思いの方も多いかもしれませんが、実は1年中出現しています。夏は太陽の光のために見えないのです。ですから、太陽の日照時間が短くなると見えやすくなってきます。オーロラは宇宙空間で起こる化学反応によるもので、その反応によって様々な色に見えますが、いちばん一般的なのが緑色です。紫や赤などはあまり頻繁には見られないようです。 ストックホルムでも運がよければオーロラが見えることはあるようですが、確率が

スウェーデン料理

2001.9.18のコラムをそのまま載せてみました。リライトする必要がほとんどないというのは、それだけスウェーデン料理が進歩していないということですね。新しいメニューは増えていますが、伝統的なお料理は何も変わりません。 日本ではなかなかなじみのない、スウェーデン料理についてお話ししましょう。スウェーデン料理というと何を思い出しますか?スウェーデン料理なんてあんまり聞いたことないかもしれませんね。あまり大きな声では言えませんが、この国は料理に力を入れているようには思えません。

ニルスの不思議な旅とは

私は1998年から北欧スウェーデンの首都ストックホルムに暮らしています。スウェーデンで暮らすことになってまず始めたのは、スウェーデンを知ることです。その時代はネットはつながるものの、まだブログもなく、htmlを駆使したウェブサイトや掲示板で情報を得ていました。2002年に、海外在住日本人同士の情報交換も兼ねて、海外コラムのスウェーデン情報を担当することになり、その時に書いたコラム「ニルスの摩訶不思議な旅」をリライトしてみることにしました。 タイトルの元になった「ニルスの不思