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窓枠

実家の自分の部屋は2階東側の部屋だった。

東側と北側に窓がついていて、
団地に入っていく大きめの道路に面していた。

遠くには名取の海が見えて、
晴れた日には白く大きな船が見えた。

そこに腰かけて風を感じるのが好きだった。
落ちそうになったこともあるけど、
足がすーすーして、
頬を撫でる風が心地よかった。

スケッチブックを持って
お絵描きをしたりもしていた。

なんだかいつもより上手く描けた気がしても
あとから見たらそんなことはなくて
悔しかったり。

それでも破り捨てられなかった初夏。

夏の日差しは東と北窓なのでそこまで強くなくて。朝日が気持ちいい。

朝焼けをタイムラプスで記録したりもしてたっけ。

夜は、窓を全開にして星を見ていた。

流れ星を見つけた時、
何故か心が少し切ない感じがした。

冬は毛布にぐるぐるにくるまって
星を見ていた。

息が白くなるのも、
乾かしかけの髪の毛が凍りそうになるのも、
季節を感じている気がして、
心がふわっとした。

小学生のときは妹と同じ部屋だった。

南側に大きな窓があって寝付けない時は窓の柵に足をかけて星を見ていた。

この日は一段と寒い日で、だから星がとても綺麗で、勝手に星座を作ったりなんかしてた。

初めて流れ星を見たのはその日で、オリオン座のお腹のあたりから、星が流れるのが見えた。感動しちゃって、妹を叩き起こして、星を見た。

多分こんなこと、妹は覚えていないだろうけど。

今私の住んでいるところは、東側に小さい窓があるだけで、少し日当たりが悪い。足をかけて登ることも、腰をかけて歌を歌うこともできない、だから少し窮屈で。

いつか家を持ったら、別なところに住むことになったら、色んな物語を描けるような窓のあるお家に住みたい。

今度は僕だけの物語じゃなくて、君も一緒に。

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