木ノ戸昌幸

1977年生まれ・愛媛県出身。2006年、京都・上賀茂に福祉施設<スウィング>を設立。…

木ノ戸昌幸

1977年生まれ・愛媛県出身。2006年、京都・上賀茂に福祉施設<スウィング>を設立。既存の仕事観、芸術観を揺るがす創造的実践を通して社会をオモシロく変えてゆきたいと願ったり願わなかったり。単著に『まともがゆれる ―常識をやめる「スウィング」の実験』(2019/朝日出版社)

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「アップデートできていない」 そうだよなあ半分、腑に落とし切れへんなあ半分のこの言葉を聞かない日はない。 現実として、確かに存在した「そういう過去」を苦々しそうに眺め、<皆が同じペースで新たな、しかもあまりに移ろいやすく不確実な今に適応できっこなんてない>という、1+1=2くらい単純明快な正解にはなぜか目もくれず、多くは個人への厳しい処罰によって「お前はアップデートできていない 」と力ずくで抑えこみ、まるで人間じゃないかのように踏みつけるのが最近の流行りのようだ。 そ

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      到底自分だけの力では追いつかないので、頼りがいのあるプロフェッショナルの手を借りながら、今回の報酬改定(改悪)にかかる作業の9割方を完了した。法改正の全容判明したのが3月末~4月初旬なのに、4月15日締切というメチャクチャなスケジュールに合わせて進めた京都市提出書類の完成はつい先ほど。明日明後日の土日を返上してワーカホリックせざるを得ない人も少なくないだろう。 ほとんどベイビー誕生と同時に、昼夜を問わずに進めざるを得なかった強烈なブルシットジョブであっても、終われば言うに言

      • チバユウスケ、報酬改定、旅立つ人、ミッドナイト・クラクション・ベイビー

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        • 若者に贈る言葉08

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          若者に贈る言葉01

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          サボれ にげろ とにかく死ぬな

          拙著『まともがゆれる』(2019/朝日出版社)が、昨年実施された高3駿台全国模試に使用されたと連絡があった。 10歳の頃から「学校」に苦しみ続け、その苦しみについても恨み節満開で書いた本が、学校制度の極致とも言える大学受験のために使われたというのは皮肉というか痛快というか。もう5年も前の本だし、上手い文章ならば他にいくらでもあるのに一体誰が選んでくれたんだろうと驚いた。 受験生に対して見当違いな望みかもしれないが、背負わされた心の荷物が少しでも軽くなった若者がひとりでもい

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          <お詫びと再検証>東京ドーム1,000個分プリンは人類の幸せに成り得るか?

          <お詫び> 私は2024年2月26日ポスト【東京ドーム1,000個分プリンは人類の幸せに成り得るか?】において、「東京ドーム1,000個分のプリンで人類は幸せになれない、むしろ地獄」と結論づけました。 しかしながらQ氏に再度慎重な聴き取りをおこなったところ、<東京ドーム1個と同じ大きさのプリンが1,000個>ではなく、<東京ドーム1,000個分の容積をもった1個のプリン>が、氏の持つイメージであったことが判明しました。 そもそもの前提を大きく捉え間違えた状況で、<全人類

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          『昭和歌謡ウロ覚え案内』と『昭和歌謡レコジャケシリーズ』のご案内

          西谷君の昭和歌謡の知識は尋常じゃない。 今、昭和歌謡がブームっぽいけど、西谷君の中では当時から今までずっとブームが続いてるんだと思う。 もう10年以上前、あまりのヘンタイ記憶っぷりに、やはり記憶だけで京都市バスの行き先、乗り継ぎ案内をするQ&XLの『京都人力交通案内』に倣い、「こんな雰囲気の、あの懐かしい昭和歌謡なんやったっけ?」というモヤモヤに答える『昭和歌謡ウロ覚え案内』を仕事にしてみたのだが、ほとんど需要がなかった……と言うか西谷君のヘンタイ記憶サービスを利用したの

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          綿棒を耳に挟む自由、あるいは服装の自由、ていうか人間の自由

          仕事終わりに歯医者に行って、待合室の端っこの椅子に座ると右側に全身が映る大きな鏡があった。 そこにいたのはもちろん僕で、けれど右耳に白い綿棒が挟まっている。 耳に突っ込まれていたわけではなく、ちょうど職人が鉛筆を耳に挟むような感じで。 思い出した。 就寝中に耳栓をするので(かゆくなるので)毎朝起きたら綿棒でホジホジするクセが僕にはあって、でも今朝はいつも以上に慌ただしかったのですぐにホジホジせずに一旦右耳に挟んで保留して、他のことを優先したのだ。 そしてホジホジを忘れた

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          東京ドーム1,000個分プリンは人類の幸せに成り得るか?

          Qちゃんがこんな詩を書いて朝礼で読み上げた。 でも本当にそうだろうか? そんなんでみんなが幸せになれるんだろうか? まず、東京ドーム1,000個分には一体何個のプリンが並べられるのかを計算してみる。 プリンと言えば「プッチンプリン」。 どうやらカスタードプリンではないらしいのだが、人類の幸福がかかっているのだからこの際細かいことは関係ない。 そして「プッチンプリン」にもいくつかの種類があるが、Qちゃんが食べているのは小さな3個パックではなくって、絶対コンビニとかによく

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