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家のなかに誰かいる

2022年5月3日朝。
突然ベッドに身を起こしたクリスティンが叫ぶ。


「トイレのドアが開いた!! 誰かいる!!」


うるさいな。
ルルやで。


「ルルじゃない!!」


じゃあルルの天敵野良猫オレオやで。
何度かうちに入ってきたやん。


「猫じゃない!! 階段あがってくる!!」


錯乱したクリスティンが寝室の扉を開ける。
ピンク色の服を着た男が立っている。

息を呑む、短い悲鳴。



「ごめんごめん。ベル鳴らしても鳴らへんかったから」


ああ、そうでしたか。
それはこちらこそごめんなさい。


「前は早すぎたから遅らせてきたんやけどな」


根本的に何かが間違ってる気もしますが、お気づかいありがとうございます。
確かに前は7時半で今回は8時半ですね。


「トイレにもお風呂にもいなかったんで」


わざわざくまなく探していただいたんですね。
でも、いたとしても開けないで欲しいかな。

 
「確認したいことがあって。5月21日カラオケ行けますか?」


紳士的……っていうのかな。スゴく素敵な誘われ方。
祝日の朝、自宅のベッドで寝てるときに「直」で。


「5月8日から入院します」


ああ、鎖骨の件ですね。
入院したらうちにも入れなくなりますね。


「あやちゃんが昨日スウィングきて抱かせてもらった」


なんかエロいな。あやちゃん抱いてへんやろ?あやちゃんの赤ちゃんやろ? 


「ではまた」


紳士の名をQという。

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