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橋本関雪生誕140周年 KANSETSU

今日は京都の嵐山にある福田美術館と嵯峨嵐山文華館へ行きました。この2館は橋本関雪生誕140周年KANSETSUの嵐山会場になっています。

まず福田美術館です。

福田美術館

関雪は神戸に生まれ、儒者であった父親から漢籍詩文を学び、それと同時に絵を描くことも得意だったそうです。中国へは数十回も旅をし、その経験と和漢の故事の知識を取り込んだスケールの大きい歴史画や山水画、花鳥画などジャンルに拘らない様々な作品を残しました。
印象に残ったのは、『太平記』から着想を得たという《後醍醐帝》という六曲一双の屏風絵、一連の猿を描いた絵(毛の描き方が本当に綺麗)、そして、ポスターやチラシに使われている《木蘭》です。

橋本関雪 木蘭

アニメ「ムーラン」としても知られる中国の物語に出てくる女性「木蘭」は、年老いた父の代わりに男装して戦に出た英雄だそうです。この絵は、右隻に戦友の姿が、左隻に休息する木蘭が描かれています。ポスターを見た時に、すごく現代的な感じがしたのですが、男装の少女だったのですね。

眺めの良いカフェ

ひと通り見たら、美術館内にある「パンとエスプレッソと福田美術館」というカフェでパニーニをいただきました。ここは本当に眺めの良いカフェで、関西の美術館内カフェでは5本の指に入れても良いくらいお気に入りです。

嵯峨嵐山文華館

そして嵯峨嵐山文華館へ。福田美術館から歩いてすぐです。
こちらは2階の会場が大きな和室になっていて、靴を脱いで畳の上で鑑賞できるようになっています。こちらの館では、新南画と呼ばれた文人画に近い作品を中心に見ることができました。

橋本関雪 閑適

ポスターやチラシに用いられている《閑適》も六曲一双の大きな屏風絵でした。端正な描線、枝で作ったと思われる面白い形の椅子に座る人物は画面の外側を見つめています。何かを待っているのでしょうか。
橋本関雪の作品をこんなに一気に見たのは初めてで、どんな経歴の人だったのかも今日までよく知らなかったのですが、豊富な漢籍の知識や教養と並外れた画力、近代的な画法で描かれた歴史画、かと思えば文人画を描いたり。とても能力の高い人だったのだと思いました。後期展示も見に行こうかな。

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