うちに三宅商店からコーヒーが届いた
三宅商店クラウドファンディングのリターン商品としての
オリジナルオーガニックブレンドコーヒーだ。うまい。

ミュージシャンであり、一時期政治活動を積極的にしていた三宅洋平が、岡山の田舎の閉店コンビニを買い取って三宅商店としてオープンするためのクラウドファンディング。無事ファンディングは成功したようで嬉しい限り。
→三宅商店クラウドファンディング

個人的には三宅洋平とは20年ほど前から繋がっている。彼は犬式~Dogggystyleというバンドをやっていて、俺はizanamiというバンドをやっている頃だ。Bob Marleyを彷彿とさせるメッセージ性と存在感を発揮する強烈な男だった。nbsa(懐かしい！)というアーティスト集団を結成してのフェスなども積極的にやっていて、北海道のフェスRising Sunでは1テントを任されたりもしてたと記憶する。だがその周囲の期待とは裏腹に、いろんな不運が重なったりして彼のアーティストとしてのブレイクスルーはなかなか出来ない、という日々に見えた。

そして、そもそも政治への不満をライブでもよく言葉にしていた彼が、2011年東日本大震災の国の対策への不満が爆発してついに「文句を言う前に行動を」と政治活動へ向かうことになる。そして2013年には「選挙フェス」と言う形で多くの人を集めて、立候補した参議院選挙では17万票、2016年参議院選挙では25万票も獲得するも、諸処の選挙のシステムの都合で当選はならず。その後政治活動は少しずつ落ち着いていくように見えた。

この頃、俺やorigami PRODUCTIONSの社長対馬とかとよく話していたのは
「もし彼が、彼の音楽性のまま20万枚CDが売れたら
世の中を変える本当の力になったのにな」
てこと。

もちろん「選挙フェス」などの話題性や実際の得票数はセンセーショナルではあったものの、選挙は結果が命でもある。議員としてのポジショニングを獲得できない時点で、ただの一般人に戻らざるを得ない。それがもし音楽を通じてのメッセージが20万枚と言う結果をもたらしていたら、どれだけ世の中に影響力を残しただろう？まさに現代日本に降臨したBob Marleyとなったのでは？と言う思いで。そこには「今の日本のレコード会社では彼をプロモート出来ない」と言う諦念も含まれていたが。。。

一方、個人的に思っていたこともあった。
「政治家への不満を解消するために政治家を目指してしまうと言うのは、
海に飛び込む水滴のようなものじゃないか？
その清い水滴もたちまち塩水になってしまうんじゃないか？」

つまり、一発逆転を目指してしまうことの危険性を感じていた。うまく行けば嬉しいが、うまく行かない時の絶望感がチラつくことの方が心配だった。彼が当時すでに詳しかったオーガニックな食や生き方を進め、広める。地味だがコツコツと草の根運動を続けることが大事じゃないか？と。「里山資本主義」「里海資本主義」などの書籍に感銘を受けていた俺はそう感じていた。

政治に左右されない生き方を広めることこそ、
政治に大きな影響を与えることができるんじゃないか？と

それを、そちら側を今、彼は実践している。俺はウンチクこそ知っていても、そっちの実践はしていない、現状向いてないと思ってる。俺はそもそも共同体〜仲間作りが苦手だからね。でも色んな所にフワフワと飛んでいく感じが好きな人間だ。異種のように見えても「きっとうまく行くんじゃないか？」と言う人と人をつなぐことの方に興味がある。適材適所。

経緯は把握していないが今彼は岡山を拠点にして、地産地消、そして彼らが良きものと思ったものを扱う店を作った。コンセプトが
「消費動向で世界を変える」
素晴らしいよ。グローバリズムは共同体を分断する。「同じものをより安く」と言う流れは結果、大手企業しか儲からないシステムであり、当然の帰結が格差社会だ。田舎の解体〜都会へ集中の図式はこうだ。

田舎にもコンビニやショッピングモールが出来る
→個人店舗が閉店を余儀なくされる
→仕事が減り、田舎町の人口が減る
→人口が減ってくるとそのコンビニやショッピングモールも閉店する

共同体というのは
「彼が作ってるものだから」「＊＊さんが作ってるものだから」「＊＊さんがオススメするから」
という理由で起こる消費がある。お金が無ければ、交換でも成り立つ。つまり、身の丈で生きていける。我が身を磨こうとすることが贈与をもたらす。実感。自然との共存。これこそがサステナブル！

もちろんたった今の技術も使える部分は使えばいい。ネットショップなどが出来ることで、クラウドファンディングが出来ることで誕生した三宅商店実店舗だからね。歴史を見直し、自然を見直し、人間の身体能力を見直すことも同時にやればいい。支持率や株式市場やGDPがなんだ？！いきなりの田舎生活が出来なかったとしても、身の丈にあった生き方を心がける、こういう人たちから興味のある「モノ」「ワザ」を買うことは精神衛生上はもちろんのこと、この先の日本を世界を考えても、すごく良きことじゃないかな？

三宅商店、そして三宅洋平
これからも少し遠いところから応援してるよw
コーヒーを飲みながら

PS ↓是非のぞいて見てください