2024年1月6日『夢から生まれたプロット』

最近はあまり夢を見ませんが、私は夢を見ると必ずメモを取ります。

これは大学1年生の時、ゼミの先生で劇作家の
高橋いさを先生に、当時見た変な夢の話をした所、

「君はそんなハッキリとした夢を見られるなら、メモとか書いといた方が良い。きっと面白い作品に繋がるよ。」とのこと。

それから毎回、夢を見たらメモを取るようにしてます。ただほとんどが汚い字で解読不能ですが。

そんな中、「白い馬」「ピンクの犬」「真っ赤な村?」のような夢を見たらしく(私自身もう記憶がないです)、ここから物語っぽくならないかなと思い書いたプロットを、この間発見しました。

せっかくなのでお載せします。
おそらく大学2年の時に書いたプロットです。

『白馬のイムラス』

村は人を襲う狼に怯えていた。

その狼は体のいたる所に〝おハゲ〟があることから菌を持っているといわれ、噛まれればバイ菌が入り死に至るという。

そこで村で1番足が速い白馬のイムラスを囮にして、狼を殺そうと提案する。
が、イムラスの飼い主セセラは、断固その作戦を
拒否し続ける。そのためセセラは周りから村八分にされ、イムラスの食料も買えなくなってしまった。セセラはイムラスを連れて村を出て行く決断をする。
深夜、星を見ながらイムラスと森の中を歩いて行くと、狼と鉢合わせてしまう。イムラスはセセラを背中に乗せ懸命に逃げるが、狼との距離が縮まらない。セセラは振り落とされないよう必死でイムラスにしがみつくが、とうとう振り落とされてしまう。狼はセセラに噛みつこうとするが、セセラを庇ったイムラスに噛み付いてしまう。
「お願い、イムラスを食べないで!大切な友達なの!」と泣きながら頼むセセラ。
「……友達だと?」と聞き返す狼。
「人間は動物を道具としかみていない」と、
狼は過去に人間に、良質な自分の毛皮を剥がされそうになり、体の所々におハゲができてしまった。
そのため人間からはバイ菌扱いされ、誰からも愛されなくなった。人間にやられた出来事をセセラたちに話し始める。
それを聞いたセセラは胸がいっぱいになり、涙を流しながら優しく狼の背中を撫でる。「綺麗な毛並みね」

狼は何も言わず、そのまま走り去ってしまう。
セセラは水筒のお水でイムラスの傷を綺麗に洗ってあげることに。
と、イムラスの様子がおかしいことに気がつく。
イムラスは何か、遠くの音を聴いているように耳を立てている。
「どうしたの?」とセセラが聞くと、イムラスはセセラを乗せて走り出す。訳の分からないセセラ。ようやくイムラスが止まった場所は、変わり果てた村である。倒れている人々は「オオカミだ…おおかみだ…。」と口にする。

ふと脇を見ると、ピンクの犬が倒れていた。
しかしそれは犬ではなく、自分の毛を引きちぎって丸裸となっていた狼。

「ああ、狼さん、私はあなたのことを心から愛するわ。だからどうか、もう傷つけないで。人間も、あなた自身も…。」
立ち尽くすセセラ。周りが真っ赤な炎のせいなのか、イムラスがより一層白く見えた。

【幕】

「感想」
思ったよりも悲しいお話でビックリ。
絵本とかにしたら、それっぽくなりそうだなと思いました。

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