[感想6]ゴリラ裁判の日

買った理由

新刊コーナーでピンと来たので即購入。

内容の感想

相性もあるんだろうけれど、ラノベだなあ、ていう感想以上のものもそれ以下のものも出てこない。本当にラノベっぽい一冊。

手話で人間とコミュニケーションが取れるゴリラのローズがアメリカの動物園内で起きた事件に対して裁判を起こすお話。

ローズ自身の出生から何故手話を覚えたのか、どうやってアメリカまで来たのか、というのが事細かく描かれる。
ローズというゴリラに対して十分に愛着がわく構成や描写だし、渡米に至る描写もよく調べてるなあと思わせられるぐらいしっかりしていて、大きな隙を見せないのが現代ファンタジーチックな題材な分すごいなと感心しながら読んでた。

正直なんだこの展開は…と冗長に思ったパートも終盤の展開に持っていくために不可欠な要素だったりと、物語を組み立てる部分に関しては本当にうまいなと驚かされた。

といいつつも、あんまり刺さらなかった理由は2つ。

1つはローズのキャラクター。
どうしてもテンプレートそのままな匂いが抜けない「人間への物申しキャラ」ってイメージが覆らずに終わってしまった。

もう1つが話のテンポ。
序盤で1度裁判のシーンを描いてから遡る形でローズの生い立ちを追うことになるけれど、この生い立ちのエピソードがじっくり描かれている分中弛みに感じた。
さらに見どころの裁判シーンは破竹の勢いで進む、言ってしまえばなろう系と似た都合のいい流れで進むので思った以上にあっさり終わった感が否めない。

どうしても言いたいことのために後ろから話を組み立ててキャラを動かしている疑いが抜けきらないまま読み終えてしまったので、あんまり好きじゃないなっていうのが個人的な感想。
読む数をそれなりに重ねてきたから自覚し始めたけれど、読んでる最中にノれてないと合間のタバコの本数増えるんだなっていうのが今回は特に顕著だった。

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