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【感想103】コヴェナント/約束の救出

 10年以上前に映画けいおん!!みるためぶりにイクスピアリの映画館で見た。
スクリーン数は20弱あってラインナップも充実してるから都内のそこら辺のシネコンよりずっといいところだし、平日だと時間潰しに見に来てそうなおじいちゃんたちしかいないから穏やかに見れるしでいい映画館なんだよね。

他人に勧めやすい ★★★★★
個人的に好きか  ★★★★☆

 半信半疑だったけれど、評判通りワクワク止まらないシーンの連続でめちゃくちゃ面白かった。
戦争ものなので銃撃戦メインになると思いきや、2/3は逃走劇なうえにその道中が面白いのでガイ・リッチーもこんな映像取れるんだ、ていう舐め腐った感想しか出てこなかった。

 人にお勧めしやすい理由として大きいのは展開上急激などんでん返しがないところ。
アフガニスタン紛争中の米軍用現地通訳として連れてこられたアーメットがかなり切れ者で、翻訳機宜しく言語変換を行う役割に留まらずに内通している素振りを見つけたら拘束・米軍人にすぐ報告とかなり従順かつほしい以上の活躍をしてくれる。
というのもアーメットが家族のために通訳の報酬となるアメリカビザを確実に発行してもらいたいので、寝返って内通する原因になる様な要素はないしそもそも腕があって視野が広いというのもあるのでずっと頼りになる存在として活躍してる。

 そして後半からはアーメットに救われたジョンが終始口にするのが、助けられた側の呪縛。
助けられたジョンは自分が元の生活に戻れているのに対してアーメットがさらに過酷な逃亡生活を送ることになっていることへの罪の意識や葛藤への悩まされる描写や追い込まれている様子の緊迫さはその後の行動に対してちゃんと気持ちが乗っかれるような見せ方をされてる。ここ最近まで行われていた紛争なだけあって、メインターゲットになってるであろうアメリカ人に対する問いかけ方として(それを受ける当人としては)かなりキツイとは思う。


 もちろん緩急ついた銃撃戦の面白さもあるし、黙々と一人で進んでいくシーンも一つ一つの仕草で道中の険しさや精神的な苦しさの表現も見どころでもあるので2時間たっぷりと目を離せない時間が続くのが本当にすごい。
『SHOGUN 将軍』のおかげで本格的なものが台頭する波が来ているけれど、フィクションであれどこれぐらい訴えかけてきてエンタメとして十分面白いものが出てくるんだから二項対立で語るべき話でもないなっていうのはしばらく念頭に置いておかないといけないなあ。


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