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書くことがない日は

新生活、まだまだ慌ただしい。
見直したルーティンがあるし、新たに試している工夫もある。
それでも夕食を食べて歯を磨くと、もう寝ていいよ、のスイッチになっているのかばたーんと寝ついてしまう。で、翌朝せわしくシャワーを浴びる羽目に。
こうやって不慣れな環境に適応しようと頑張る四月の後にゴールデウィークがあるから、五月病というものが生まれるのですね。実感。

忙しい合間にも、おっ、今ならnoteが書けそうだぞ、という時間がある。
いそいそiPadを立ち上げて、……書くことがない。
書くこと、何もないんだっけ? と画面の前で10分15分考え込む間、よぎるのは映画「レ・ミゼラブル(2012)」でフォンティーヌの歌う「I dreamed a dream」の歌詞。
“全ての歌を歌い尽くし、全てのワインを飲み尽くした”、のフレーズ。
私も全てのボキャブラリーを使い果たしちゃったんかなぁ、と途方に暮れる。

今日は、ほぼ日の糸井さんがたまに言っていることを実践した。書くことがない日は、書くことがないってことを書けばいいんだよ、と。
書けねーなー、書けねーなー、と唸っている間にもよぎるものはあるので、その一端を捉えれば書くネタもなくはないのである。

「レ・ミゼラブル」で、フォンティーヌを演じたのはアン・ハサウェイ。シングルマザーの生活苦ゆえに娼婦となり、初めて客を取ったあとに歌う「I dreamed a dream」は悲惨にして圧巻だった。
その前にアン・ハサウェイの演技を見たのは「プラダを着た悪魔」以来だったからものすごいグラデーション。俳優の凄み。

「レ・ミゼラブル」に一貫される悲劇は、始終響き続ける美しい歌は、震災直後の私の心を大いに慰めた。
人はあえて悲しみを求める時もあるし、その悲しみに癒されることもあるのだ、と知った。

フェイバリット・ソングはラッセル・クロウ演じるジャヴェールの「自殺」(直球)。「民衆の歌」が流れるエンディングは死後の楽園を映し、作中で非業の死を遂げた登場人物たちがバリケードの上に並び立つ。
自ら命を投げ打ったジャヴェールの姿だけは、その中にない。

週の始めに投函されたはずの郵便が来なくてジリジリしている。配達事情、厳しいな。

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