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独学で倒す!保育士試験(造形編)

こんにちは、ぺろよしです。
こちらは国家資格である保育士試験に独学で合格した私の記録となります。
同じ様にやったからといって合格を保障するものではありませんのであしからず。あくまでぺろよしはこんな風にしたんだフーンって感じでご覧下さいね。
今回は筆記合格後に受けた実技のうちの造形編となります。

◆造形も独学で!

実技試験で造形を選ぶ方の中にはぺろよしの様に「ピアノが弾けない(ピアノを持っていない)」から選ばざるを得ない方もいるかもしれませんね。(逆に自宅にピアノがある、弾いた経験があるなら音楽を選んでいるのかな?)
また「ピアノも苦手…絵を描くのも苦手…どうすればいいの!?」という方もおられるかと思います。
2つの課題曲を弾き歌いとなる音楽はピアノがてんでダメなぺろよしには何もお伝え出来ませんが、造形は絵が得意でなくても道具を用意して練習をたくさん積めば誰だって合格に手が届くはずと思っています。
ここでちょっと「保育士試験 造形 合格」と検索して過去の合格者の方々の作品を見てみましょう。プロイラストレーター並に上手な方の方が少ないというのがわかります。そうなのです、保育士試験の造形は「絵の上手下手」ではないのです。大切なのは「造形試験の求める条件に合った絵を描けるようになる事」なのです。

◆造形の試験って何をするの?

造形の試験は保養協の受験の手引きによると以下の様に書かれています。

・造形に関する技術
保育の一場面を絵画で表現する。 
求められる力:保育の状況をイメージした造形表現(情景・人物の描写や色使いなど)ができること。 
●表現に関する問題文と条件を試験の当日に提示する。 
●当日示される問題文で設定された一場面を、条件を満たして表現すること。
注意1:当日の持ち物(試験中、机上に置けるもの)
①鉛筆またはシャープペンシル(HB~2B) 
②色鉛筆(12~24色程度) 
※1 クレヨン・パス・マーカーペン等の使用は不可とします。 
※2 水溶性色鉛筆の使用も可ですが、水分を塗布することは不可とします。 
※3 摩擦熱で消える色鉛筆の使用は不可とします。 
※4 色鉛筆ケース(筆箱等)を机上におくことは可とします。
※5 携帯用鉛筆削りを会場内に持ち込むことは可としますが、試験時間中に使用する場合は、試験監督員の了解を得てから使用してください 。
※6 受験者の間での用具の貸し借りは認めませんので、忘れないように注意してください。 
③消しゴム
④腕時計 
※1 アラーム等の音のならないもので、計算機、電話等の通信機能のついていないものに限ります。置時計不可。 
上記①~④において、「人物の形をしたイラスト入りのもの」は机上に置けません。(使用不可。) 
注意2:試験時間は45分です。
注意3:解答用紙の大きさはA4判とします。絵を描く枠の大きさは縦横19cmとします。(紙の種類は試験の当日に提示します。)
令和4年前期受験申請の手引きより

つまり、当日発表されるお題を条件を満たして45分間で描いてね!という事です。これは大変。

◆画材をそろえよう

じゃあ何を最初にすればいいのかというとまずは画材を揃えましょう。
当たり前ですが描くものがないと描けませんからね。

こちらがぺろよしが実際に使っていた画材です。(リンクはメーカー公式)
それぞれ番号順にご紹介します。

①色鉛筆
トンボの色鉛筆(24色)
三菱uni「たまごいろ」(白塗り部分用)
メイン使用の色鉛筆セットです。
注意したいのが後述の試験本番に出される問題文の条件にある「枠内全体を色鉛筆で着彩すること」。どういう事かと言うと「塗り残しは許しまへんで!!(絶対に白でも塗れよ!!)」という事なのです。これ大事。
白の色鉛筆はセット買いすると入っていると思いますが、採点時に塗っていないと思われたら嫌で、別途白塗り用に三菱uniの「たまごいろ」をバラで買い足しました。この色は薄いクリーム色ながらもふんわり柔らかで白以外にも使えてお気に入りです。
値段:1本100円以下

②下書き用色鉛筆
三菱uniのアーテレーズカラー
色鉛筆は色鉛筆用消しゴムを使わないとなかなか消えません。このアーテレーズカラーは普通の消しゴムである程度綺麗に消せるので下書きに重宝しました。私は「フレッシュ」を使用。肌色に近いので、重ねると線が浮く部分やはみ出す部分だけを消せば時間短縮にもなります。
余談ですがお仲間さんにはカラーシャープペンのオレンジ色で下書きをしている方もいてナイスアイデアだと思いました。シャーペンだと消しやすいし線も細いので下書き向きですね。また、最近ステッドラーでも消しゴムで消せるタイプが出たようです。
値段:1本200円以下

③消しゴム
普通の消しゴムと「カドケシ」というちょっと変わった形の消しゴムを使用しました。下書きアーテレーズで書いて主線からはみ出したところや重ねて色塗り出来ない細かい部分をカドケシで消します。

④紙
手引きでは「紙の種類は当日提示」とありますが、試験本番ではケント紙が出されます。ツルツルした厚紙のような紙です。
練習の時はコピー用紙→会社で捨てられていた中厚口紙→100均のケント紙を使用しました。

⑤鉛筆削り
クツワのケズール
画材屋さんに行くと色鉛筆用の鉛筆削りも色々あったのですが、結局普通のものを購入。こちらは5段階で芯の長さを調整できるのでよかったです。


◆画材選びのポイント

個人的な意見ですが画材選びの中で特に大切なのは色鉛筆です。
私が使っていたトンボや三菱の色鉛筆は安価でオールマイティに色塗り出来ます。ただ、ファーバーカステルステッドラーカリスマカラーなどの高い色鉛筆の方が発色が良い・芯が柔らかいので力を入れずに均一に塗りやすいなどの利点があります。同じ塗りでもより美しく仕上げることが出来ますし、時間短縮にもなりますので絵心に自信がない方こそいい色鉛筆を選んでほしいと思います。ただ、一本200円~350円代なので24色そろえようとするとどうしてもコストがかかります。塗る面積が広い色(空の色・木の緑・床の黄土色・人物の肌色など)だけでも用意してもいいと思います。画材屋さんに行くと試し塗りコーナーもあるので購入前に出来るだけ自分で手に取って描き心地を体感出来るといいですね。

紙に関しても出来るだけ最初からケント紙を使って練習した方がよいと思います。私の様に最初からコピー用紙に描いてしまうと、紙質の違うケント紙の線描きや色塗りに慣れるのが大変だからです。(ケント紙も安価ではないうえにまとめ売りが基本なので揃えるのも大変ですが)

ローカル情報ですが阪神間にお住まいの方は以下の場所が画材も幅広く扱っていておすすめです。阪神間にお住まいの方でなくても支店がある場合もあるのでぜひ調べてみてくださいね!

カワチ画材(阪急三番街店)
Tools(大阪梅田店)
※B2Fに色鉛筆コーナー
ナガサワ文具センター(三宮本店)
紀伊國屋書店(梅田本店文具コーナー)
※紀伊國屋の売場は小さいですが滅多にないトンボ色鉛筆バラ売り有り

画材屋がない場合、ヨドバシ.comなら例え色鉛筆1本でも送料無料なので利用しましょう。


◆参考にしたサイト一覧

画材がそろったら早速絵を描いてみましょう。でもどんな風に練習をしたらよいのでしょうか。そんな時私が参考にさせて頂いたのが以下のYoutubeとサイト様です。

工房しろうず
白水先生のYouTubeチャンネルです。実際の過去問を45分間で仕上げる・人物の描き方・色鉛筆レビューなど合格のコツをとても優しく丁寧に動画で解説して下さっています。

保育士試験お絵描きさんのブログ
元美術教員のニガムシカミコさんのブログです。画材レビューが非常に参考になります。オンラインレッスンもあるのでプロから丁寧な指導を受けたい方にもおすすめです。

保育士試験合格応援ブログ
福祉系科目でお世話になったトウコさんのブログ。なんと実技に関しても色々と解説してくれているのです。過去問も含めた造形への分析や当日の様子など詳細に綴ってくれていますので必見。

桜子先生の保育士試験合格メソッド
実技も手厚い桜子先生のブログです。実技掲示板で活発に練習し合ったりできます。作るのが地味に面倒な19×19の枠pdfにはお世話になりました。

その他市販書籍(成美堂・ユーキャン等)でも実技対策試験テキストが販売されています。ぜひ参考にされてください。


◆何を描くの?

描くその前に一度実際の試験問題を見てみましょう。
以下はぺろよしが受験した令和3年度後期造形試験当時の問題です。真冬に夏っぽい遊び+2連続の園庭という意外性は造形受験者の多くを白目にしました。

【事例】を読み、次の4つの条件すべてを満たして、解答用紙の枠内にその情景を描きなさい。

【事例】
H保育所の4歳児クラスの子どもたちは、園庭で色水遊びをしています。水の感触を楽しみながら、空き容器に色水を入れて並べてみたり、ジュースに見立てたり、色を混ぜるなどして、保育士と一緒に遊んでいます。

【条件】
1.容器を使って色水遊びを楽しんでいる様子を描くこと。
2.園庭での色水遊びの様子がわかるように描くこと。
3.子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと。
4.枠内全体を色鉛筆で着彩すること。
令和3年後期造形問題より

こんな感じで
・人物→○歳の子供○名以上、保育士1名
・場所→室内または園庭(屋外)
・何をしているか
を描きなさいという問題が出題されますので、「人物(子どもと保育士)」「保育園の情景」「遊びや生活の風景」を描けるようにならないといけません。

保育園に通う小さなお子さんが身近にいらっしゃる方はこれらを想像するのも難しくないでしょうが、そうでない方はまず保育園がどんなところか知る事から始めましょう。ネットで「保育園 遊び」などで画像検索したり、中には園のブログ等で「今日はこんな事をしました」とUPしてくれているところもあります。また有名な絵本で「ほいくえんのいちにち」というものがあります。可愛い絵で子供と保育士の先生、室内や園庭の様子、遊びの風景が描かれているので参考にするのもおすすめです。

◆実際に描いてみよう

では実際に描いてみましょう。慣れていない方は鉛筆でスケッチブックに模写する練習からでもOKです。
ぺろよしはオタク活動で培った絵心が多少あった為、いきなり19×19の紙に本番と同じように描き始めています。

私の描いたものの一部。最終的に42枚描きました

Twitterのモーメント機能で私が描いた練習作品をまとめております。参考になれば幸いです。

ぺろよしの練習作品まとめ

①人物を描いてみよう

描かなければならないのは「保育士(大人)」と「○歳児(子供)」です。
(申し訳ないのですが具体的な人物の描き方については上記の工房しろうずさんがわかりやすく説明して下さっていますのでそちらを参考になさってくださいね)
この○歳児というのは「0歳の乳児から5歳の幼児」を指します。同じ子供と言っても等身のバランスが違うのは勿論、年齢に見合った動作が出来ているか(0・1歳児=手先を使った細かい遊びは難しい、5歳=ダイナミックな動きが出来る・共同遊びが出来るなど)という「年齢を意識した描き分け」が非常に重要です。ここに筆記で学んだ事が活かされるわけですね。
エンゼルカレッジさんのHPに掲載されている過去問を見ると4歳児・5歳児での出題が多いです。まずはこの年齢区分の子供を描けるように練習しましょう。
また、0歳の乳児は今まで出題されていませんが、今後出されるとも限らないのでいざという時の為に練習はしておきたいです。(お年寄りを描くという超変化球がくる事もありますので…)

描き分けの次に大切なのが「動き」をつける事。人物がただ棒立ちになっているだけでは造形試験が意図する「保育の一場面」には当てはまらず減点対象となってしまいます。子供を見守る・一緒に遊ぶといった保育士の先生らしい動き、立つ・歩く・座る・走る・遊ぶ・食事するなどの子供らしい動きが一通り描けるように練習しましょう。
と言っても苦手な方にとっては最初の関門かもしれませんね。「走った時右足が出るなら腕はどうなっているかな?」など実際の動きを意識して練習を重ねましょう。市販のイラストの描き方の本を参考にしてもいいですし、ネットで検索するとたくさん出てきますよ。

そして人物の「表情」も実は大切。「保育の一場面の表現」なので、無表情より笑ったり驚いたりなどの活き活きと楽しそうな表情の方が絵の印象が明るくなります。

②保育園の情景を描いてみよう

人物を描いただけでは造形は終わりません。
背景として保育室内もしくは園庭などの屋外を細かく描く必要があります。

室内:床・窓(カーテンや外の木などもあると尚よし)・子ども達の製作物・机・椅子・荷物置き棚・タオル掛けなど
屋外:木・花壇・鉄棒などの遊具・フェンス・青空・雲など

などが描ければ背景として十分だと思います。
室内ならこれ、屋外ならこれといった様に描くものを固定化してしまえば、あとは条件に必要な小物を付け足すだけなので時間短縮にもなります。

③遊びや生活の風景を描いてみよう

今まで出された問題はほぼ保育園生活での一場面(食事・お昼寝)や遊び(工作・遊戯)などです。落ち葉遊びや野菜・花を育てる・色水遊びなどの季節感を感じる問題も出題されます。当たり前ですが過去問と同じものは出題されません。
こういった保育園での日常の一コマや様々な遊びや季節感のあるイベントについてはネット検索で出てきたり、保育・幼児教育関係の書籍にも載っていたりします。筆記試験の事例問題や指針のキーワード(異年齢保育・避難訓練など)からも出題されそうな気配もありますので色んな場面を予想して練習に繋げましょう。


◆提示される「条件」をクリアしよう

造形で大切なのは「造形試験の求める条件に合った絵を描けるようになる事」だと先ほど描きました。この「条件」というのが問題文で提示されています。

【条件】
1.容器を使って色水遊びを楽しんでいる様子を描くこと。
2.園庭での色水遊びの様子がわかるように描くこと。
3.子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと。
4.枠内全体を色鉛筆で着彩すること。
令和3年後期造形試験より

例えば「園庭なのに室内で描いてしまった」「子ども3名なのに2名しか描けなかった」「時間が足らず塗り残しをしてしまった」など提示条件から外れてしまうとどんなに絵そのものが上手でも減点となってしまいます。逆に言うとこの全ての条件にきちんと沿った絵が描ければ合格ラインに到達できるわけです。
ついでに言うと条件の前にある事例文の「水の感触を楽しみながら、空き容器に色水を入れて並べてみたり、ジュースに見立てたり、色を混ぜるなどして」という下りそのままに人物を描けばもうそれだけで立派な造形作品になります。
このように問題用紙をよく読むというのは筆記に限らず造形でも大切です。
ぜひ、試験当日は大事なキーワードにマルをつけたりして条件の見落としがないようにしましょう。


◆造形RTAするためには

造形の練習は言語や音楽と違い人前で披露するものではありません。なのでひたすら練習を重ねるしかないのですが、描いているうちに恐らく多くの方がとある壁にぶつかるのではないでしょうか?

そうです。45分の壁です。

構図を考える→下書き→主線を描いて色塗り→見直しという一連の流れを全て45分間でやり切らないといけません。そう、造形はRTA(リアルタイムアタック)なのです。

私もこのRTAには苦労したのですが、時間短縮のテクニックがいくつかあります。

・時間配分を決める
・構図や人物や背景などはパターン化する
・使う色鉛筆のスタメン化
・手早い色塗りのコツ

などが一例です。要は「固定化」する事が45分の壁突破の近道という訳ですね。より詳しくは次回以降書かせていただこうと思っていますのでお読みいただけたら嬉しいです。(「続きはCMの後で!!」みたいになってしまってすみません)


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