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初アイスショーへ(後編)


アイスショーの朝が来た。
折しも今日は年に2度の町内一斉清掃の日とカブってるけど、よんどころない所用のため初めてサボらせて頂きますすいません…と、
昨日隣組の班長さんへ連絡。

9時の電車に乗れば11時前には会場最寄り駅に着くので、早過ぎるかな?と思いつつも、
乗り換え間違えとか途中で想定外トイレタイムとか、色々いらんことをしてしまいそうで早目に出た。まだ心配事項を持て余し気味に緊張している小心者…。

そして肩に掛けたグッズのトートバッグもなにげにロゴマークのある面じゃない方を表にしているところが、いまいちなり切れていないにわかファン風。誰も見てないけど。

乗り換え駅のホームで同じく羽生トートバッグを持った人々を発見。チャームまで付いてるガチ勢の方々とお見受けして、順調に幕張へ近づいているなと実感。ひとつ安心する。

海浜幕張駅に到着。
前に1度BUMP OF CHICKENのライブで来たことがあるはずなのに、その経路や駅や周辺の景色には全然記憶が無いのだった。駅にロッテリア無かったっけ?…無いな。
取りあえずはここでトイレだと思い、もう既に20人ほどの行列が出来ている改札内の「トイレ順路」に並んだら、案外スイスイと進んで5分ほどで中に入れたので、またひとつ安心。

開場の12時まで何して過ごそうかな、みんなどこかで腹ごしらえしてるのかしらん…と駅ビルの店を覗いたりしたけど、
まだ気が張ってて胸一杯なのでお腹はすかない。
とにかく会場へと、階段や経路のたくさんある連絡通路を羽生トートを持つ人々に混ざって進んだら、程なくイベントホール前まで辿りつけた。

正面には、おお、これがファンタジーオンアイスの看板。SNSでよく見るやつ。横には物販コーナーが、まだひっそりとしている。
記念にプログラムを買って、あとは開場まで下の広場の椅子に座ってお昼ごはんを食べている人々の傍らで、私も少し落ち着こうと休憩。

12時を回り再び入場口に向かうと、いよいよ電子チケットを提示する瞬間がやってきた。
スマホは普通に機能して、1番の緊張案件を無事に通過できたことで、経験値が爆上がった気がして、もう怖いものはない?…大袈裟。

座席はDブロック(ややステージ寄り)の三階席。
既に座ってらしたお隣の席の、20代くらいの可愛いらしいお姉さんに軽く挨拶して着席したら、全体を見渡せるし遮るものもないし思ってたより良い席なのでびっくりした。
そこから見える風景は、テレビで何度も見たあのリンク、あのステージそしてあの照明。
いよいよこれから初めて「生」で見るアイスショーが始まるというのに、ここまで来られただけでもうシミジミしてしまった。

現地から娘らにラインを送ると
「生羽生」「生羽生」
と返って来た。

そうなのだ。ここからが本編(本番)なのに、すでに安心の境地に落ちついてしまってちょっと油断したのかもしれない。
生なんですよね。今ここに居るんですよね。ちゃんと見なければ。羽生君。
…なのになんか思考というか感覚がついていかない。

気がついたらオープニングが始まって、
気づかないうちに羽生君がつつーと出てきて、くるくると回って一瞬でしゅっとジャンプして鬼ステップを刻んで…フィニッシュポーズをとった。

いつも映像で見ていたフォルムがそのまま忠実に小さく、そして遠くで(三階席だからね)しかもものすごく速く動いているのだけれど、
それは確実に本人のそれもライブの動きで時間はどんどん過ぎていくのだけど、
現実の動きが速すぎて、ここだけ時間の流れが違うのでは?と思うくらい。

え?居るんですよね、あそこで演技して。
視覚がついていけてないのかしらん…?
と思って双眼鏡で見てみても、、尚更追えないw

「本当に実在してた!」
とは、初めて羽生結弦を生で見た人のよくある感動の言葉だ。
私も、その瞬間をわくわく待っていたのだけど、
実際は手拍子と拍手をするだけで手一杯、そのへんよく覚えていない。

何なんでしょう、この本当に居たのか居ないのか、見たのか見てないのか解らないような感覚は。
あんまり「すごい」ので現実の姿だと感知出来ないような。
…言い様がない
ていうか、未だにやっぱり「すごい」としか言えない自分を笑ってしまう。


とは言え、テレビでしか見た事のなかった日本や海外のトップスケーター達の演技を初めて生で見たことはとても感動ものだったので、
とにかくやたらと手拍子、拍手をした。手が痛くなるほど頑張って叩いた。
それでしか返すことが出来ない初心者なので。
きゃーとかフーとかで盛り上げられない、まだ言えない。

でもみんなホンモノだったし音楽も素敵だし、特にアーティストとの生コラボはファンタジーオンアイスならではのもので、余計に胸に響いてくる。
荒川静香さんや三原舞依さん、アイスダンスのパパダキス&シゼロンさんの演技など涙ものだった。

本当はもっとスタンディングオベーションもしたかったけれど、周囲にあまり立つ人も居なくておとなし気で、みんな身を乗り出しもせず、きちんと背もたれに背中つけて座ってるので、
後ろの人に遠慮してしまった。
お隣の可愛らしいお姉さんも私が立つまで立たなかった。奥ゆかしい…。
彼女も1人で初めて来たのかな。

一生懸命拍手して、大トリの羽生君の演技が終わった時に自然と2人で初めて立ち上がって、ちょっと心通じた感じがした。
こういうのも、やっと取れた三階席の一期一会ですね。

その一期一会に収まりきれなかった羽生君は、やっぱり異次元なのだろうか。
今日の生中継の録画をまた何回も見るうちにきっとジワジワと来るんでしょうね。
そうやっていつも新しい発見がたくさんある。
でも私は結局「すごい」としか言えないのだけれど。。


心配事項が次々に解決して、この次は(また行く気か?)もう1ランク上の席種を狙おうかなと一瞬思った。
当たる気はしないけど。
せめてSS席(それでも贅沢)。出来たらアリーナ席(本気か)。ショート席が当たったらどうしよう(羽生結弦が目の前に来る。恐れ多い…)。

ハードルはまだ高い。
壁の先にはまた壁がある?
(こういう時に使う言葉じゃない)
その壁を一緒に登って行ったのは…
(羽生君が会見で言った言葉)
思うだけでも楽しい。
また行ける日が来るといいな。。