雪解けアルペジオ
【春とギター】繋がりで【毎週ショートショートnote】に初めて参加します。
なんと裏お題です。
よろしくお願いします。
中高年向けギター教室は今日も盛況。
中でも人気の初心者コースのグループレッスンは、
先生も生徒も還暦過ぎなので全体的にゆったり和気あいあいとしている。
今月の課題曲『おお牧場はみどり』の練習が始まった。
簡単コードの単純なストロークはみんな調子よく習得出来たので、
先生はちょっと注文をつけた。
「はい、ではサビをアルペジオにしますよ。
ちょっとそれぞれ練習してみて下さい。」
みんなはザワザワしたが、各自バラバラに弾き始めた。
習ったばかりのアルペジオの実践編だ。
「じゃあ、一度合わせてやってみましょう!」
ストロークでは元気いっぱい掻き鳴らしていた中高年も、
アルペジオになるとちょっとたどたどしくなる。
ストロークからアルペジオに移るタイミングを逃して、
ストロークのまま爆走(奏)する人もいた。
先生はすかさず言った。
「いいですか、歌いながら弾いて下さい!
ゆきーが解けて~♪ で、アルペジオですよ‼‼」
合言葉は「雪解けアルペジオ」で。
最後はホイッ♫
(421文字)
中高年のギター教室ってこんな感じ?なのかわからないけど、
このくらいゆるかったら習ってみたい気がしないでもありません。
もしかして公園のラジオ体操みたいに、終わったらみんなで拍手したりして。平和だなぁ。