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夢の話(ユメノハナシ)④

「ワセダ大学の古い研究棟の上の方に、世にも美味しいアジのひらきがあるので、それを入手してくるように。」

というミッションを与えられた。
誰から?
短大のサークルの執行部から。
私のサークルは放送研究部だったけど、それとアジのひらきとの関係は不明だし、なんで部員の中から私が選ばれたのかもよくわからないけれど(志願したのか?)
とにかく自分がひとりで行くことに。

ワセダ大学のたぶん戸山校舎に、塔のような高い建物があった。
そのカリオストロ城みたいな(イメージです)石段を登って、上へ上へと進んで行った。
最後はハシゴのような木の階段を一番上まで上ると、突き当りのドアの横に、昔の駅のホームにあるような木のベンチがひとつあり、
ベンチの左右両端に大ぶりのアジのひらきが1枚ずつ、ひらっと置いてあった。
私はお皿も何も無い直置きに一瞬ひるんだけど、それがあまりにも美味しそうだったので、躊躇わずに手に取った。

その時、ベンチの上の棚に大きなトラ猫がじっとこちらを見据えて座っているのも見逃さなかった。
見張っているのか…?
でもトラ猫は、アジのひらきには目もくれず、すわった目をしてすわっている。

「持って行っていいの?」
と、お伺いをたてながら、私はそおっとアジのひらきを2枚ともカバンにしまった。

トラ猫は相変わらずムスっとして微動だにしない。
もう美味しいものを充分食べてお腹いっぱいなので持ってっていいよ、と言ってるみたいに。

私はトラ猫に敬意を払って、ベンチをあとにした。
そのベンチの隣の扉には、
「ワセダ大学ひもの研究会」と書かれた木の看板がかかっていた…。

そうか、あの猫は歴史ある「ワセダひも研」の猫だったのか。だから美味しい「ひもの」には不自由してないんだね。さすがの貫禄だ。

私は、2枚のアジのひらきを大切に抱えてシメシメと自分の学校へ戻ろうとした。

塔を下りて駅に向かうと、そこは何故か渋谷の街で、そして向こうからヒョウヒョウと歩いて来たのは何故かハイパパさんだった。
ハイパパさんは、
「今、ワセダ大学昭和アイドル研究会に呼ばれて行って来ました」と言って楽しそうで、駅構内の売店でアイスコーヒーを飲みながら少し立ち話した。

私は、早く学校に戻って部室でアジのひらきを焼いてみんなで食べないと面目が立たない!という、わけのわからない使命感を思い出した。

部員仲間に電話をしても繋がらないので(夢の中ではだいたい電話は繋がらない)とにかく戻らなければと焦ってると、そこへ部員のOさんとTさんがドシドシとやって来た。

「アジのひらきはどうしたの?!早くみんなで焼いて食べないと腐っちゃうよ!!」
と、怒ってる。
Oさんは家政科食物専攻だ。

もう夜も更け始めた。
これから学校へ戻っても部活動は出来ない(そもそもアジを焼くことがなんで放研のミッションなのかも疑問だ)。ていうか早く家に帰らないと。

アジのひらきを焼かなきゃ!
家にも帰らなきゃ!
いよいよ、混乱してきた。


私はいつも夢から覚める時は、何かに焦りながらとか、追い詰められながらが多いけれど、
今回の「アジのひらき」の叫びは自分ながらも結構笑えた。
それを繰り返す自分の声が、だんだん乾いた現実のものとなって聞こえてきて、
「あ、夢から覚める時の声だ!」とわかった時に、
実際に目が覚めたら笑っていた。


そして、今見たばかりのストーリーを忘れないように反芻した。もうすぐ起きなきゃいけない時刻が迫っていたので、目を瞑ったまま夢のストーリーを復習した。
これでどのくらい覚えていられるかな。

その記憶を頼りに書いたのが今日のユメノハナシでした。
相変わらずわけがわからないけど、、


「さすが夢!」

りみっとさんからの、的をドンピシャに射る褒め言葉?がうれしくて、調子にのってますます夢を追う今日この頃です。



※夢の中に出て来たワセダ大学とそのサークルは、あくまでも架空(夢想)のものです。夢なので。