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水琴鈴?

今年の夏の盛りの頃、
と言っても今年はいつまでも残暑がだらだらと続いていてもうこれでもかとお日様山盛りの猛暑日に、
店にやってきたひとりのお客さんがお財布を取り出す時に、バックのどこかで不思議な音がした。
なんて涼し気な音!
と思った。

私にはそれが何の音かわからないまま、お客さんはお支払いをすませて帰って行った。何?!!
今のすごいきれいで不思議な音は!!

それは、多分いつかどこかで聴いたことがあるような、その音を聴くとその「どこか」へ連れて行かれてしまうみたいな、そしてすぐ近くなのに実は遠いところで鳴っている気がする不思議な感覚で、
いろんな思いを巡らせずにはいられない音だった。

そして、その音が、もしかしたら「水琴鈴」の音かもしれない?ことを知ったのはついさっき、つる・るるるさんのnoteでした。


夏に聴いてからずっと正体がわからなかった音(たぶん鈴だとは思ってたけど謎の鈴)が、るるるさんの文章を読んで即座にピンときた。
つる・るるるさんの書いておられる「シャラン、シャラシャラシャラ」という音が、私の聴いたあの音だと当たらずと雖も遠からず。

「シャラン、シャラシャラシャラ」にもっと星の粉をまぶしたような金属的というか鉱物的というか、
最初の「シャラン」が1回凍って止まって、粉々になって振りまかれるみたいな、
しかもそれが砂漠のような何でも吸い込んでしまいそうな反響のない世界にある、
もっと詩的な深みと時間的な奥行き(どうゆうん?)がある世界の不思議な音というか。
…名前がわかったばかりなのでやたらと思い入れまくる。

そして、この世にあんなきれいな音があるなんて!


私には「アルプスの少女ハイジ」に出てくる牛の鈴、いや、仔山羊のユキちゃんの鈴だったかな…とにかく大好きだったあのカウベルの音や、
元祖ハックルベリーフィンの「東の風」という曲のイントロに出てくる鈴の音、
ハックルじょうじさんによると、あれは長崎土産のガラスのベルの音でもう今は無いそうなので、再現は出来なそうだけれど、
あの音、本当にじょうじさんが言う「春の風に体ごと昔へと引っ張られる…」ように、私も「歌の中に引っ張られるような」不思議な音だと思う、、

それらに続く、私の耳史上?に残る素敵な音だと思った。

あとついでに、カホン(打楽器)の宇宙的な音とか、さだまさしさんのコンサートでよく見かけた、細い鉄琴を並べてぶら下げたみたいのを手で撫でるように触れるとサリサリサリサリーンとティンカーベルの魔法みたいな音がする楽器(名前忘れた)が好きです。さださん、一時期あれに凝ってましたよね。


それはともかく、
そもそも水琴鈴というのは、水琴窟(手水が流れる砂利土の下に金属のかめを逆さに埋めて水滴の音を反響させる仕組み)の音に似た、特殊な構造の鈴にその名前がつけられたそうだけれど、
その「水琴窟」は知ってたけど、でもその音と水琴鈴の音は全然別モノの気がする。
(水琴窟の響きって、どっちかと言うとアイヌの「ムックリ」に近くないですか?と思ってしまう…話がそれる。)

試しに水琴鈴の音を検索して出て来た動画の音は、私の聴いた謎の鈴の音と全然違った。
つる・るるるさんの「シャラン、シャラシャラ」とも「シャララララ」ともかなり違うと思われる(るるるさんの鈴の方がきっと動画より断然良い音)。
水琴鈴でも色々(ピンからキリまで)あるのかしらん。

ていうか、私の聴いた音は本当に水琴鈴なのか?
もう1度現物を聴いてみないと確信が持てなくなってきた。
あのお客さん、またご来店しないかな。あの涼し気な不思議な音をまた聴いてみたい。
冬の今聴いたら、どんな感じかしらん。。