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"swiftie"ではないけれど、我が人生にはたまにテイラースウィフトが顔を出す。

前回の日本公演から5年、今年は「THE ERAS TOUR」と題して、あのテイラースウィフトの特大ワールドツアーがようやく日本にもやってきた。

本ツアーは、"The Eras(時代)"と表現する通り、これまでリリースしたテイラースウィフトの各アルバムを、それぞれ1時代1時代に見立て、デビューから最新アルバムまでを一挙に歌い上げるという、3時間半の大大大満足パフォーマンスが繰り広げられている。

今回わたしもご縁あって、日本公演の初日に参加してきた。

実は世界の歌姫をこの目で見るのは、人生2度目。
1度目は「1989」アルバムリリース時の日本公演のときだった。当時は高校生になりたての小坊主で、姉とともに東京ドームの端っこでそのパフォーマンスを目の当たりにしたのだが…あれから9年。わたしの英語力も僅かながらに上達して、良いことも悪いこともいろんなことを経験して、9年前よりも遥かに彼女の歌が沁みるように成長して、気付けばただただぼーっと圧倒されている自分がそこにいた。


なんだかんだで彼女のパフォーマンスは2回も生で見させてもらっちゃっているわたしだが、特別「"swiftie(テイラースウィフトのファンの名称)"です!」というわけではない。新曲のリリースを心待ちにしているというわけでもないし、何か意識的に彼女の曲を聴いてきたわけでもなかった。

しかし、今回彼女のこれまでの"The Eras"という名の軌跡を辿って、その名曲揃いのナンバーに酔いしれているうちに、テイラースウィフトというアーティストそれ自身の歴史よりも、随所随所に自分自身のかつて見た景色が思い起こされることが多くて驚いた。まったく失礼な話ではあるが・・・何かと、わたしの人生にテイラースウィフトの曲が流れてたことが多かったんだな、と。


姉からお下がりのウォークマンをもらって、そこに元々入ってた「Fearless」とか、英語の勉強だから~なんてそれらしいことを言って"キクタン"の代わりに聞いていた「RED」とか。いつかのカラオケで歌ったあの曲も、あの人が聴いていたその曲も、眠気に襲われる車の中で流したこの曲も。

別にどれもそこまでの思い入れがある曲じゃないし、全部たまたま流れていただけの曲っていうだけだし。それなのに、それだけなのに。地響きを感じるほどの盛り上がりを見せる中、ある瞬間、瞬間で、手拍子も歓声も、瞬きすらも忘れて彼女の歌声を全身で浴びることが、どこか誇らしくあり、寂しくあり、嬉しく感じられた。

その名を知らない者はいないテイラースウィフト。
きっと誰しも当たり前のように日常で見聞きする彼女の楽曲。

きっとこれからも、彼女の楽曲と、そのとき見た景色や、香りや、辛さや、眩しさが自分の脳裏にはセットで焼き付いていくのだろうなと思う。特別にファンというわけでもないから余計に。大好きなアーティストには変わりないから濃密に。

公演を見たみんなも、それぞれにいろんな思い出が蘇っていたら素敵だな。



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