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殺人はなぜ法律で禁じられているのか。ーキノの旅・アイヒマンの主張から考える

今日は、ちょっと過激そうなタイトルです。ごめんなさい。

でも、これって当たり前に見えてすごい難しいことだよな…と思いました。

それはなぜか。皆さんは考えたことがあるでしょうか?

この問いに対して、大体の人はどう答えるのだろうか

「なぜ、殺人はやってはいけないことなのか。」

大体の人はどう答えるでしょうか。

・法律で禁じられているから。
・倫理に反するから。
・他人の命を奪うことは許されることではないから。

大体こういう意見が大半ではないでしょうか。

もし。法律で禁じられていなかったら?倫理・道徳というものがない世界だったら?他人の命を奪うことは許されないというけど、本人が殺してほしい。とお願いしてきたら?


ここで僕が興味深いと思うのは、殺人はいけないこと悪である。ということを大抵の人は理解しているが、それは洗脳に近い教育によるものであって、「なぜ、人の命を奪うことはいけないことなのか。」「自分の命を自分で奪う自殺はいけないことなのか。」ということを誰の力も借りず、自分だけで考えたことがある人はどれだけいるのだろうか。ということです。

これは、自分自身で殺人という行為がいけないことであるとわかっていれば、その人はどんな時でも殺人をしないでしょう。ただ、極端な話「殺人をしないことが罪」な国にいればどうでしょう?その人は悪である殺人をしないという行為をしないために殺人を犯すのでしょうか?国がやれといえばやるのでしょうか??

これは実際にあったことではないでしょうか。戦争なんかがまさにそうです。日本であれ、アメリカであれ、敵国の兵士を殺せという命令を国から、または上官から命令されて殺人を実行しています。善人を殺すのが悪で、悪人を殺すのが正義であるのでしょうか?
悪・正義という観点が、人によって違うこの世の中に置いて、多数が悪であるからということを武器(口実)に人を殺すことは正当化されるのか。

僕はその道の専門家でもないし、すでに起こった過去を弾糾する政治家でもありません。人間として、殺人はなぜいけないのか?(命を奪うことがいけないのなら人はたくさんの命の上に成り立つという事実にどう向き合うべきか。というのも気になりました。)という単純ではあるが考えることを放棄してしまっていた問いについて考えているだけです。


僕はどんな答えを持って、その世界で生きるのだろうか。

キノの旅に次いで、アイヒマンの話を知った僕はすごく怖くなりました。人を殺すことが禁じられていない世界。もしくは奴隷制度のように、ある人種は人ではなく自分の所有物であるという考えが普通な世界に自分がいるとして。殺人をしないことによって迫害される世界に自分がいるとして。僕はどんな答えを持って、その世界で生きるのだろうか。

もしくは、現実世界で人を殺すことはいけないことであるとして、精神的にその人を殺すことは犯罪なのだろうか。その人がリアルで生きているとしても精神が誰かに殺されたとしたら。その精神を殺した人は今、刑務所にいるだろうか。


過去・フィクションから考える

キノの旅では、まさに。人を殺してもいい国(法律で殺人が禁じられていない国)が登場します。

ここでは結論として、
「法で殺人をしてはならないとは言っていないからこそ、殺人はしてはいけないんだよ。」
という言葉とともに殺人を嬉々として行おうとしていた青年を、国民全員が殺人という手段で防ぐという結末で終わります。

キノはある人物から、「あなたはこの国に向いているから」と移住を薦められるのですが、なぜそう思うのかとキノが聞くと「人を殺すことができる人だから」とキノに答えます。
「人を殺すことができる人」が指すのは、単純なそのままの意味というよりも、「人を殺すということがどういうことなのかをよく理解している人」を指しているようにみえますね。


悪の陳腐さという表現→誰でもアイヒマン(大量虐殺を命じてもなお、自分は無罪であると心の底から信じる人)になり得るということ。


奴隷を消耗品として扱っていた描写があった映画「それでも夜はあける」


1日考えたくらいでは何も分からなかった

当たり前のようですが、何人もの人たちが考えてきたであろうこの問いを、1日(実際にはその数日前から)で何か考えつくことはできませんでした。

しかし、恵まれたことに、人を殺すのはいけない。という人たちの世界で生きているので、まだ、少しの間はこの問いについて考えることができそうです。

ある日突然目の前にくるかもしれないこの問いに対して、その日までに僕は何を導き出すのだろうか…


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