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~偉大な芸術家~

まぁね。僕は偉大な芸術家であった彼の友人なんだよ。
彼の時価総額3億の作品と、300円の作品を持ってたりもするくらいにね。

もちろん彼にプレゼントしてもらったものもあるし、僕が買い取ったものもある。

とにかくそんな偉大な芸術家である彼について話そう。


彼はある1つの作品を学生時代からずっと手がけていた。彼の思想、悩み、技術全てはこの作品に注ぎ込まれている。

そして、そうした中で無駄なものや、生活のために片手間で手がけたものがあってね。それがいつしか万を超え、億の値段がつくようになり、パトロン(支援者)なんかも現れた。

彼が多作だなんてよく言われるが、それは彼が人生の5%も満たない時間で作ったものたちだ。残りの95%は1つの作品に注がれている。その作品を晩年に発表した時、彼は95%をかけた作品が200円で売られているのを知った。(自分の価値を測りたいという彼の思いつきでオークションになったんだ。)

それはいくつかの不幸があった。
1, その作品を理解できる人がいなかった
2, 理解せずとも凄そうだから買うか。とも思うことのできない代物だった
3, 彼の片手間で手がけた作品が飛ぶように売れていたことによって、支援者たちが買えるようなお金がすでになかった(買い手がいなかった)

まぁ結局のことを言うと、彼の5%は偉大だが、95%は300円にも満たないと世間に言われた訳だよ。それってつまり、芸術家としては人生を終えるに等しい出来事じゃないかい??


彼の死後、僕は市場に出ていた200円の作品を300円で買って守ってるんだ。

サポートしていただいたお金は旅の資金にさせていただければと思います。新しい刺激をもらいにいろんなところを旅したいです。