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私たちの一生とマイクロバイオーム

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生まれた瞬間から私たちが塵となるまで、ずっと一緒に生きていくマイクロバイオームたち。 彼らは私たちの一生に、どんなふうに寄り添っているのだろうか? マイクロバイオームは、私たちの… もっと読む
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記事一覧

マイクロバイオームの「老化」を読み解く

老いという現象は、不思議だ。 それは昨日と今日のあいだにはなく、ふとしたときに顔を出す。 …

子どもたちのこころの発達には、微生物が欠かせない

「脳腸相関」という言葉が市民権を得てから久しい。 マイクロバイオームの分野では、それは「…

子どもたちの免疫力は微生物と一緒につくろう

免疫の練習中である子どもたちは、よく風邪をひく。 彼らはただ細菌やウイルスを排除する勉強…

栄養失調だから腸内細菌が乱れるのか、その逆なのか。バングラディシュとアフリカの子…

前回の記事では、抗生物質などによって子どもたちの腸内細菌(マイクロバイオーム)が乱れるこ…

腸内細菌が乱れると子どもは太るのか?  抗生物質と肥満の関係

私たちは、毎日ものを食べる。 肉、魚、野菜、ご飯などの穀物、それからいくばくかのおやつ。 …

どの国に生まれるかでマイクロバイオームはこんなに変わる

どの国に生まれるかで人生が変わる。 良くも悪くも、そのとおりだろう。 一方で、どの国に生…

菌の視点からみる母乳とミルク、そして離乳食の荒波

私たちは、私たちの食べたものでできている。 大人になると、この実感はやや薄くなってくる。 けれど、毎日ぐんぐんからだが大きくなっていく赤ちゃんを見ていると、彼らの食べるものがほんとうに彼らの体を作っているのだという感覚を抱く。 それでは、彼らの食べるものはマイクロバイオームたちのからだも作るのだろうか? 答えはほぼ間違いなくYESだ。 今日は、母乳や粉ミルク、そして離乳食がどんな菌たちを育むのか、わかっていることを紹介してみたい。 ※本記事は「腸内細菌は何歳までに決

赤ちゃんの腸内細菌が担う機能と、ダブり機能の重要性

前回の記事では、腸内細菌の生態系が幼少期に決まることや、赤ちゃんが1歳までに獲得する腸内…

赤ちゃんとマイクロバイオーム “First 1000 Days”(最初の1000日)の重み

“First 1000 Days”ー最初の1000日ー、この表現はヒトとマイクロバイオームの関係を語るうえ…

腸内細菌は何歳までに決まる? 赤ちゃんから子どもへの成長とともに歩む菌たちのこと

私たちのからだは、生まれてから数ヶ月のあいだに数倍になる。 そしてその急激なカーブは、多…

帝王切開と自然分娩をマイクロバイオームの視点で考える

赤ちゃんが元気に生まれてくれればなんだっていい。 それはたしかに正論だと思う。 赤ちゃんが…

出産前にどうか知っていてほしい。母から子への菌リレーのこと。

出産の現場に医療が介入すればするほど、お産は安全になった。 でも、メリットばかりなのだろ…

妊婦さん必読【どこよりも詳しい】妊娠中の腸内細菌の変化

妊娠を経験した人、もしくは近くにそんな人がいるなら覚えがあるかもしれないが、妊娠すると劇…

動物たちの母子菌リレーから学ぶマイクロバイオームの垂直伝播

ヒトの出産は、清潔だ。 そして哺乳類の中ではかなり難産なわりには、安全だ。 未熟な状態で生まれてくる赤ちゃんは、感染症で死ぬ心配をほとんどしなくて済むし、 お産が進まないせいで母体や胎児が死んでしまうことも少ない。 100年前は家に産婆さんが来て赤ちゃんを取り上げてくれていたけれど、今の私たちは当たり前のように病院で出産する。 私たちがもっと自然に(という言葉をあえて使う)お産をしていたころ、出産はどんなふうだったのだろう? そこには、医療に守られた私たちの出産から遠ざ