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[CUBASE] ローファイサウンドの作り方(grungelizer)

このテキストコンテンツでは、スタインバーグ社のDAW(Digital Audio Workstation)ソフトウェアのCubaseで音楽制作をする際、ローファイサウンドのエフェクト効果をかけるプラグイン、grungelizerの設定値について説明します。

grungelizerの特徴

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grangelizer(グランジライザー)は、Cubaseでディストーション系(ひずみ系)のエフェクターに分類されています。エフェクター名で誤解されそうですが、ロックミュージックのジャンルである「グランジ」っぽさを出すものではなく、古いレコード等のノイズを再現するエフェクターです。作成した楽曲をあえて古い音になるように汚す(グランジする)エフェクターになります。

grungelizerのパラメータ

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grangelizerのパラメータ(設定値)を紹介します。パラメータ・ノブは「NOISE」「CRACKLE」「DISTORT」「EQ」「AC」「MIX」の6種類が用意されています。「MIX」は、原音に混ぜるエフェクト量の度合いを設定するものなので、0%にするとすべてのパラメータ設定効果が適用されなくなります。

「NOISE」は、静電気ノイズ(サー・・という静かな雑音)の量を調節できます。

「CRACKLE」は、レコード愛好者にお馴染みのクラックルノイズ(パチパチという音)をエミューレート(再現)できます。レコードの回転数は3種類から選択できますので、12インチレコード盤のクラックルノイズを再現したい場合は33RPM、7インチシングルレコード盤のノイズを再現したい場合は45RPMといったような選択が可能です。あくまでレコードの回転数に応じたノイズなので、楽曲のテンポとは連動しない点は注意が必要です。

EQ(Equalizer:イコライザー)は、周波数調整のノブですが、設定値を大きくすると低い周波数がカットされるようです。これによって、よりチープで劣化度の高い楽曲イメージになります。

AC(Alternating Current)は、交流電源特有のハムノイズの量を設定できます。50Hzか60Hzを選択可能で、60Hzの方が音が高いので若干強めにハムノイズが聴こえるようです。余談ですが、日本の交流電源は2種類あり、東日本が50Hz、西日本が60Hzです。これは各地方の電力会社が購入した発電機がそれぞれドイツ、アメリカから購入したことの名残りだそうです。

grungelizerのプリセット

grangelizerのプリセット(予め用意された参考の設定値)を紹介します。

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ACのハムノイズだけを適用した「50 Hz Hum」「60 Hz Hum」はすでに用意されています。簡単にローファイサウンドを表現したい方は、「LoFi 1」や「LoFi 2」を選択しても良いと思います。少しだけローファイ感を出したいときは「Just A Little」をお勧めします。

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ローファイサウンドを強めに出したいときは「Very Old Vinyl」がお勧めです。各パラメータノブがほぼ最大に近い設定なので、かなり劣化度が目立つと思います。

grungelizerを使用した楽曲サンプル

最後に、grangelizerを使用した楽曲のサンプルを以下に紹介します。ピアノ音源に経年劣化した雰囲気を出すために、grangelizerのプリセット「Just A Little」を活用して、マスタートラックにエフェクトを加えています。


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