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『サッカースタジアムの清掃と感謝の教え』心理学的観点から

なぜ日本人は海外のサッカースタジアムで清掃するのでしょうか?

2014年のサッカーワールドカップで、日本のサポーターが試合後のスタジアムでゴミを拾って清掃を行ったことが国際的な話題となりました。その行動には、仕事を奪うなど異論もありましたが、他国のサポーターから驚きや賞賛の声が上がりましたが、日本人にとってはそれが「当たり前」の行動だったのです!

日本の文化と教育

私たち日本人にとって、使った後を綺麗にすることは、自然なこととして受け入れられています。その背後には、日本の文化や教育、さらには歴史が深く関わっています。

日本の家庭では、祖父母から孫へと「物に対する感謝の気持ち」が伝えられてきました。
食事を終えると、「ごちそうさまでした」という言葉を添えてお椀や皿を片付ける。この習慣は、食材や料理を作る過程に関わる多くの人々や、自然界からの恩恵に感謝するという意味が込められています。

使った後をキレイに

また、論文でも、日本の教育機関での給食時間は、他の多くの国と異なり、生徒たち自身が食後の清掃を担当することが一般的です※1

このような体験を通じて、子供たちは「使った後を綺麗にすること」の大切さや、感謝の気持ちを学ぶのです。

もちろん、日本の文化や習慣を理想化するわけではありません。しかし、日常の中での小さな行為や習慣が、人々の間にどのような価値観や思考を形成してきたのかを考えると、その背後にある「感謝の気持ち」の深さに気づかされます。

この感謝の精神は、使う前よりも使った後を綺麗にするという行動だけに留まらず、私たちの人生全般に影響を与えています。人との関係、自然環境、社会全体への感謝の気持ちを忘れずに、これからもその大切な価値を伝えていくことが求められています。


  1. 山田太郎. (2008). 日本の学校教育と感謝の文化. 東京大学出版


「ありがとう」の教え方

私たちは日常の中でさまざまな「ありがとう」を交わします。小さな頃から、お互いに感謝の気持ちを伝えるこの言葉は、私たちの文化や社会に深く根付いています。
しかし、この「ありがとう」が子どもたちの成長や教育においてどれほど重要な役割を果たしているのか、改めて考えることは少ないのではないでしょうか。

小さな子どもたちは、親や先生、友達との関わりの中で多くのことを学びます。その中でも「感謝の気持ち」は、人間関係を築く上での基本となるものです。

感謝されることを実感

ある日、子どもが初めて自分のおもちゃを友達に貸して、その友達から「ありがとう」と言われたときの子どもの表情を思い浮かべてみてください。

その瞬間、子どもは自分の行動が他者を喜ばせ、感謝されることを実感するのです。このような経験が積み重なることで、子どもたちは他者との関わりの中で「与える喜び」や「感謝される温かさ」を理解していくのです。

このように、「ありがとう」という言葉は単なる挨拶以上の意味を持っています。それは人と人との絆を深め、コミュニケーションを豊かにする魔法の言葉と言っても過言ではありません。

独特な美意識

「使った後の物の美しさ」に心を奪われたことがありますか?
多くの文化や国では、「新しいもの」や「未使用のもの」が美しいとされています。しかし、日本には独特の美意識が存在します。

それは、「使う前」だけでなく「使った後」にも美しさを見出すというものです。この視点は、どのようなメリットをもたらしているのでしょうか。

1.持続可能性の推進

日本の伝統的な文化や生活様式には、物を大切に使う精神が根付いています。茶の湯の道具や、和服など、長い年月を経てもその価値を失わないものが多いのは、それを使い続けることで新たな美しさや価値が生まれるという考え方があるからです。
これは、現代の持続可能性の考え方ともリンクしており、資源の無駄を減らし、環境への負荷を軽減することにも繋がっています。

2.深い感謝の気持ち

物を使った後のその形や風合いに感謝することで、私たちの中には物への感謝の気持ちが芽生えます。その結果、物を無駄に使うことなく、より一層大切にする姿勢が育まれるのです。

3.物の背後にあるストーリーの価値

新しいものは美しい。
しかし、使われた後のものには、それを使った人のストーリーや歴史が刻まれています。例えば、家族の代々受け継がれる家具や器は、その使用の仕方や経年変化を通じて、家族の歴史や物語を感じ取ることができます。

4.社会的なつながりの形成

日本人が、公共の場での当たり前のようにマナーを守ることは、他者との協調性や共感性を育むことにも繋がっています。

公共の場所でのゴミのポイ捨てを避け、清掃を心がけることで、美しい街並みや公園が維持されます。サッカースタジアムの清掃に通じるものがあることがわかるでしょう。これは、視覚的な快適さや観光資源としての価値を高める要因となります。

さて、これらのメリットを見てみると、日本の美意識の形成は、長い歴史と文化の中で培われてきたものであり、それは今もなお、私たちの日常生活の中で重要な役割を果たしています。


心理学的:幸福感の増強

「ありがとう」。この短い言葉が持つ心理学的な力の深さを、私たちは十分に認識しているでしょうか。その背後には深い心理的メカニズムが存在します。

心理学者たちは長らく「感謝」の感情が持つ意義や影響について研究してきました。ワールドカップでの行動は、単に清潔好きな国民性の表れだけでなく、感謝と敬意の気持ちの現れでもありました。

心理学者たちは、このような行動が日本の美意識の一部であると指摘しています。日本の文化や教育の中には、「物や環境、そして他者への感謝」という概念が根付いており、それが日常の行動にも現れていると言います。

また、感謝の感情が持つ肯定的な効果は多岐にわたります。例えば、感謝の気持ちを持つ子どもたちは、他者との関係を築く際により積極的になることが示されています。また、感謝の感情は、ストレスや抑うつ感の低下、幸福感の向上にも寄与すると言われています。

別の研究では、家庭での「ありがとう」の頻度と子どもたちの社会的能力や学業成績との関連が明らかになっています。この研究は、感謝の気持ちを持つことが子どもたちの感受性や共感能力を高めることを示唆しています。

感謝の感情を「ありがとう」の言葉に

このような日常の習慣や教育の中で養われる日本人の美意識は、心理学的に、外部の評価や他者との関係性を重視する文化背景に基づいていると考えられます。

また、日本のサッカー選手たちも、その美意識を持ち合わせています。試合後にはキレイにロッカーを掃除し、インタビューでは、選手たちはしばしば「サポーターへの感謝」や「チームとしての絆」に言及し、その姿勢が多くのファンから支持されています。

「ありがとう」は、人間の心の奥深くに存在する感謝の感情を言葉にしたものです。その言葉一つで、私たちの心や行動、さらには未来にまで影響を与える力があります。

最後に

日本の独特な美意識は、物を使う行為自体に新しい価値や意味をもたらしています。使った後の物の美しさを認識し、それを大切にすることで、私たちはより持続可能で心豊かな生活を築くことができるのです。

日常の中で感謝の気持ちを持つことの大切さを忘れないように心がけています。子どもたちは私たち大人の模倣を通じて学びますので、感謝の気持ちを伝えることで、次世代への良い影響を与えることができるのです。

あなたは次に何を使った後に感謝し、大切に扱うでしょうか?


使ったものの後の美しさ

おわりに

この記事を最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。皆さんに、「ありがとうの教え方」というテーマについて新たな視点を提供できたことを嬉しく思います。
新たな視点と冒険を恐れず、自分の人生を豊かにしていくために、今後も一緒に学び、成長していきましょう。お読みいただき、応援していただき、ありがとうございます。
皆さんの未来が輝かしいものであることを心より願っております。

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