あこがれはあこがれのままで

 ありがたいことに2024年1月の後半はDJをする機会をたくさん与えてもらえて、週末は家を空ける日々でした。

 自分がDJをやる時だけではなく、音を探して家を空けるのことが常態化しています。常に客でいたいのです。

 2月上旬に仲間が主催しているイベントに出かける機会がありました。アーチスト名は伏せますが、全国的に有名なドラマーの方のユニットがゲストとして来ていました。

 僕が10代の後半から20代に入るくらいまでしょうか。僕はギタリストですが、そのドラマーの方にとても影響を受けていました。

 もうとにかくカッコ良かったんです。髪型もファッションも真似していました。ライブにも何度も足を運びました。

 海外から来日した有名パンクバンドのライブ会場で偶然お見かけして、その公演チケットにサインをもらったりもしました。

 もう20年以上は遠ざかっていましたが、今回は今までで一番近い距離感で見る機会に恵まれました。

 その方がドラムを叩くときに目を見開いたり、舌を出したりするのです。
その仕草は何とも挑発的でカッコ良いのです。

 でもステージを見ていると、だんだん恥ずかしくなってしまいました。僕もギターを弾くときに、その仕草はよくやっていたのです。

 もはや誰の真似してやっていたかは完全に忘れていたのだと思います。でもはっきりとその方の真似だとわかりました。

 「そんなことまで真似していたんだ」思わず笑ってしまいました。歳を重ねられた今もカッコ良い方でした。

 終わったあとに仲間と談笑していると、どうやらその方が楽屋からこちらに来るようでした。実際に話せる機会が訪れたのかもしれません。でも僕は仲間に「良いイベントだったね」それだけ言い残して、会場をあとにしました。


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