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函館の特養でabuse/虐待

 問題となっているのは、社会福祉法人恵山恵愛会が運営する特別養護老人ホ-ム恵楽園(北海道函館市柏野町117番地)定位50名。
 職員は、介護職員常勤19人、非常勤3人 常勤換算数21.0 となっておりますので、常勤換算数ベースで2.3:1で極端に人手不足とは思えないのですが・・・

 NHKが入手したという画像によると・・・

  • ベッドの柵から両足を出した状態で座らされ行動を制限されている入所者の姿が写ってる。

  • 下半身をシーツなどできつく巻かれ身動きできない様子でベッドに横たわっていたり、ズボンを下ろされておむつ姿で放置されたりしている。

 また、情報提供者によると・・・
 少なくとも10数年前から介護スタッフの大半が、本人や家族の同意を得ないまま入所者のベッドを柵で囲ったり下半身をシーツやタオルケットできつく巻いたりして身動きを取れなくさせる行為が日常的に行われていたといいます。
 特に新型コロナの感染が拡大した当時は面会が禁止されたことで家族の目を気にする必要がなくなり、身体拘束が日常化したということのこと。

 コロナ禍によって介護施設が地域から孤立し、閉鎖性を高めパノプティコンの度合いを強め、監獄化する中で虐待が日常化するということを、この職員さんが言ってくれたことは良かったと思います。

 この報道を受けてでしょうか、函館市は虐待にあたらないか詳しく調査するとのこと。
 しかし、施設を運営する法人の理事長は「身体拘束があったことは事実で反省しているが、虐待を指摘されるようなことはしていない」と言っているとのことです。

 詳しく調査しなければ虐待か否かわからないのでしょうか。さらに、この理事長、身体拘束は虐待ではないと思っているようですが・・・この辺に大きな問題を感じます。

 このような事例は確実に「虐待」、英語で言えば「abuse」(アビューズ)です。
 私は同意のない身体拘束は虐待だと思っています。

 何度も言いますが、日本語の虐待の「虐」のイメージ、つまり、「虐」は虎が捕食するむごい姿、残酷な姿のイメージがあるため、虐待とは殴られて鼻血がバァと出ていないと「虐待」として認められない傾向にあると思います。
 これに対して、英語のabuse は 、ab「離れた」use「使う」が語源で、「常識からかけ離れた扱いかた」と解釈でき、「誤用、乱用、虐待」を意味します。ですから不適切な介護はもう既にabuse、つまり日本語で言う虐待なのです。

 虐待という言葉は本当に問題があると思っています。abuse、つまり不適切介護も、既に虐待だと認識することが大切だと思っています。


 

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