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虐待を内部通報した恵楽園の職員が懲戒解雇されていた!

 北海道函館市の特別養護老人ホーム「恵楽園」でのabuse/虐待については既に紹介しておりますが、その続報です! 

 なんと、虐待を函館市に内部通報していた職員(女性)が懲戒解雇されていたとのことです。

 代理人弁護士によると、女性は昨年10月、施設での身体拘束のほか、介護職員が入所者に「死ね」「くたばれ」などと暴言を吐いているとして、市に匿名で通報。
 そして、匿名で内部通報したのにもかかわらず、12月に懲戒解雇されたといいます。
 通報から懲戒免職まで1か月一寸でしょうから、皮肉なことに、この件に関しては迅速に対応できたようです。

 それにしても、匿名だったのに、なぜバレたのでしょうかね?施設が「犯人」調査でもしたのでしょうか?
 それとも、この職員が普段から施設で行われているabuse/虐待に対して批判的だったからでしょうか?

 当然、この元職員さんは不当懲戒解雇だとして、施設を運営する社会福祉法人「恵山恵愛会」に解雇無効や損害賠償を求め、函館地裁に近く提訴するとのことです。 

 この職員さんは、解雇が「内部通報への報復と、虐待の隠蔽が目的」と主張してますが、同法人の菅龍彦理事長は取材に「内部通報と解雇は全く関係がない」と反論したと言います。

 懲戒解雇とは懲戒処分の中でも、もっとも重く厳しい制裁で、職員が重大な職場規律違反・企業秩序違反などを犯した際に行う重い処分です。普通、よほどのことが無い限り懲戒処分なんて行わないですよね。
 会社側が、懲戒解雇を適法に行うためには、就業規則上の懲戒事由に該当し、かつ解雇権の濫用に当たらないことが必要となりますが、このケースでは、どのような理由で懲戒解雇したのか知りたいところですね。

 abuse/虐待をした職員を懲戒解雇にするのなら理解できますが、abuse/虐待を内部通報した職員を懲戒解雇にするとは、公益通報者保護法の趣旨にも反しているのではないでしょうか。abuse/虐待を止めるのは、明らかに公益だと思うのですが。

 私の友人はよく、しつが悪い」のと、たちが悪い」とは違うと言います。
 「しつが悪い」というのは、能力不足や努力不足などの多様な原因、背景があると思うのですが、悪意がある場合には「たちが悪い」と言うのだと思います。

 この法人の経営は明らかにしつが悪い」のではなく、たちが悪い」と言えるのではないでしょうか?

 裁判で身体拘束、abuse/虐待、内部通報者の解雇などの経緯、原因がつまびらかになり、正当な権利が回復されるとともに、そこから多くのことを学べるようになれば良いと思います。

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