#29『”君の白い息が教えてくれた”SHISHAMO「君とゲレンデ」を語る』
今回は2015年12月2日に4thシングルとしてリリースされた「君とゲレンデ」という曲について語っていきます。また、この曲は3rdアルバムSHISHAMO3とSHISHAMO BESTにも収録されています。
ボーカル宮崎朝子はこの曲を作ったのは「君と夏フェス」でSHISHAMOを知ってくれた人が多かったこともあり、「ああいう感じの曲を作りたい」と思ったのがきっかけだそうです。この曲はタイトル通り、”好きな人とゲレンデに行く”という曲ではあるのですが、「君と夏フェス」とは対象的に切ない歌詞となっています。YouTubeにてMVがありますので載せておきます。「君と夏フェス」のMVに出てくる女優の上原実矩さんが今回の「君とゲレンデ」のMVにも起用されています。
それでは歌詞や曲について語っていきます。
一番Aメロの歌詞
イントロのギュルギュルギュルギュルッというギターの音から始まるのが良いですよね。
主人公の女の子には好きな男の子がいて「ふたりきりではないけど」というフレーズからその男の子を含んだ複数人で遊びに行く展開だと分かります。「やけに早く目が覚めちゃった 今日は一日一緒にいれるね」と何か月も前から計画してから、今日が来るのを心待ちにしていた主人公のウキウキ感が目に浮かんできますよね。「ふたりきりではないけど」の後ろに「…」が歌詞に含まれているのがまた、本当は二人きりで一日中過ごしたいという主人公の気持ちを表しているように思います。
そして「待ち合わせ場所で目が合ってから 別れの時間までは 一瞬で過ぎ去る 」という歌詞はとても共感しますよね。好きな人と過ごす時間は本当にあっという間なんです。その後の「朝の身支度の時間を返してほしいくらい」もまた共感してしまいます。無駄に早起きしてしまって、早いうちから準備万端で待ち合わせまで時間を持て余してしまうような感じですよね。ここのフレースからは会っている際中は時間が短く、待ち合わせ前は時間が長く感じるというのまた恋の一つの現象なんだということが描かれているように思います。
一番Bメロの歌詞
この主人公の女の子は二年も前から彼のことが好きで、だけどその二年間ずっと想いを伝えることができずにいる状態だとがわかりますね。今日もまた言えなかったというのが、きっと彼と会うタイミングが来るたびに今日こそは言うんだと毎回自分に言い聞かせてたんでしょうね。いつまでも好きだと言えない自分に嫌気がしているのが伝わってきます。
一番サビの歌詞
楽しかったはずなのに、なぜか涙が止まらない主人公。その理由は「きっとあなたの目に映るあの子の匂いを知ってしまったから」というフレーズから読み取れますよね。二年間ずっと片想いしていた彼にはこの日一緒に遊びに行った女の子と付き合っているかそうなる手前くらいの親しい関係になっていることに気づいてしまったということですよね。これは「もう戻れない 昨日までの世界にはもう、戻れない」という気持ちになってしまいますよね。
二番Aメロの歌詞
いつも彼のことを見ていたら、あの二人最近距離が近いなとか勘付きそうですよね。でも、この主人公の女の子はそこに気付けなかったというのがまた彼の存在しか目に入ってこないくらい大好きだったんだなということが読み取れます。歌詞にも出てきますが本当に「なんて愚かなんだろう私」という言葉がしっくりきますよね。もし早めに気付くことが出来たら、先手を打って想いを告げられたのでしょうか…。
Cメロの歌詞
「あなたを思って眠れない夜に あなたはあの子の夢を見てたってこと」というフレーズは目に見えないことなので主人公の憶測でしかないでしょうが、彼女(あの子)が作ったもの(ミサンガ)を彼が身に付けているとなるとこれはもう完全に二人はできているとしか思えないですよね。
Dメロの歌詞
「君の白い息が教えてくれた」というフレーズが出てきます。私このフレーズが大好きでして、この曲タイトルに「ゲレンデ」が含まれているから冬の曲だとわかるんですけど、歌詞だけ見るとゲレンデに行くというようなくだりはないんですよね。でもここで「君の白い息が教えてくれた」というフレーズがパッと出てくるだけで、一気に冬感に引き込まれるように思いませんか?是非注目して聴いてほしいなと思います。
「あの子への想い忘れたいな」というのは、彼があの子を好きだと知ってしまう前の自分に戻りたいということですよね。でも、もう遅いのは分かっているけど最後に私の気持ちを聞いてほしいと心の中で叫んでいる訳ですね。
最後のサビの歌詞
切ないですよね。彼が私ではなくあの子を好きだと知ってしまっても、今日楽しかったのは彼がいたからだということですよね。その後の彼の笑顔を簡単には忘れることなんてできないというフレーズも胸が苦しくなってしまいます…。「優しいんだね」というのは多分、主人公の女の子が落ち込んでいるのを見た彼が声をかけてくれたんでしょうね。「でも涙は自分の手で拭くよ」と強がって前を向こうとはするものの「昨日までの世界にはもう、戻れない」と落胆するシーンでこの曲は終わります。
まとめ
二年間も片想いしていた彼には知らぬ間に彼女がいて、想いを告げることなく失恋してしまったという女の子が描かれていましたね。ポップな曲調とは裏腹にかなり切ない歌詞ですよね。でも、やはり二年間の内に告白できなかったことが今回の結果を完全に招きましたよね。好きな人は自分の為に待っていてくれる訳ではないということですよね…。
この曲のCDジャケットなんですけど、この曲がどういう曲か一目でわかるイラストになっているんです。主人公の女の子が着用しているスノーボード用のゴーグルの面にこの曲の歌詞でいう彼とあの子が手を取り合っているシーンが反射して写っているというイラストが描かれています。そのジャケット写真をここに載せたかったのですが著作権の関係でアップできないので是非検索してみて下さい。
MVはこの曲の歌詞になぞられたドラマ仕立てになっています。SHISHAMOの三人が雪が積もっている場所で演奏しているシーンがまた斬新な演出だなと思います。
また、この曲は2015年11月27日にテレビ朝日系で放送された『ミュージックステーション』でSHISHAMOにとって初めてテレビで演奏した楽曲なんですよね。SHISHAMOの三人にとっても思い出深い一曲なのではないでしょうか。
最後に「君とゲレンデ」SHISHAMO YouTube Music Night Ver.と題してアコースティックバージョンのライブ映像がアップされているので載せておきます。
是非冬にピッタリな一曲なので、皆さんも聴いて見て下さい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?