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#39『”素敵な先生との出会いと別れ”SHISHAMO「音楽室は秘密基地」を語る』

今回は2017年2月22日にリリースされた4thアルバムSHISHAMO4の6曲目に収録されている「音楽室は秘密基地」について語ります。

この曲は2017年2月と3月にNHKの音楽番組「みんなのうた」で放送されました。簡単に説明すると、”ある先生との出会いが転校してきた女の子にとっての居場所になっていく”という歌詞の内容となっています。残念ながらMVはありませんがYouTubeにて音源がありますので載せておきます。

それでは語っていきます。

一番Aメロの歌詞

知らない教室 知らない女の子
知らない男の子 知らない街
一週間前にこの街に来た
私はまだこの街を好きになれていない 

男子は声大きいし 女子はみんな固まっていて
教室は少しボロい
だけど本当は少しわかってる
声をかけられない自分が 一番嫌い

「音楽室は秘密基地」作詞:宮崎朝子

主人公の女の子は転校生で、まだ学校の中で馴染めていないことがわかります。「男子は声大きいし 女子はみんな固まっていて 教室は少しボロい」と少し不満げな様子の主人公。中学生くらいになると不思議と女の子は特にグループが出来てきますよね。賑やかなグループや物静かなグループ、一人で過ごすことが好きな子もいると思います。そういうある程度出来上がっているクラス(人間関係)で過ごしていくことって最初は大変ですよね。

そして、その後に「だけど本当は少しわかってる 声をかけられない自分が 一番嫌い」というフレーズが出てきます。私も人見知りするのでここのフレーズには共感してしまいますね。いつまでも馴染めないのは声をかけない自分のせいだということを分かっているけれどそれが中々出来ないから悩むんですよね…。自分にうんざりしているのが伝わってきます。

一番Bメロの歌詞

ある日の下校時刻
音楽室から聞こえてきたのはピアノの音
聞いたことあるようなメロディーが
夕焼けと一緒にキラキラ光ってた

「音楽室は秘密基地」作詞:宮崎朝子

音楽室に引き寄せられた主人公。「聞いたことあるようなメロディーが 夕焼けと一緒にキラキラ光ってた」というフレーズが何だかロマンチックですよね。一体誰が下校時刻に音楽室でピアノを弾いていたのでしょうか?

一番サビの歌詞

「初めまして ピアノ、好きなの?」
先生はとても綺麗だから
少し照れくさかったけど
先生のキラキラの笑顔は
私に「ここにいていいんだよ」と言ってるみたいで
嬉しかった

「音楽室は秘密基地」作詞:宮崎朝子

なんと下校時刻にピアノを弾いていたのは生徒ではなく先生。その先生が男なのか女なのかは歌詞では明かされていませんが「少し照れくさかった」というフレーズが入っていることから、男の先生なのではないかと推測されます。

その後、その先生に「初めまして ピアノ、好きなの?」とキラキラの笑顔で声をかけてもらったことが「ここにいていいんだよ」と言っているみたいで嬉しかったという歌詞が出てきます。きっと転校して新しい環境に馴染めなくて悩んでいた主人公だったからこそ、その一言が凄く嬉しかったんだろうなと思います。

二番Aメロの歌詞

それから放課後の音楽室は
私と先生の秘密基地になった
先生は時々私にピアノの弾き方を教えてくれた

「音楽室は秘密基地」作詞:宮崎朝子

学校に馴染めなかった主人公にとって放課後の音楽室に先生と話しに行くことが主人公の居場所になったということですよね。この曲のタイトルにも入っていますが音楽室という場所を”秘密基地”という言葉で表現しているのが主人公にとって特別な空間であることやまだまだ若い学生らしさを表現できていて良いなと思います。

「先生は時々私にピアノの弾き方を教えてくれた」というフレーズ。楽しそうにピアノを弾いている女の子と先生の絵が見えてきますよね。正直そんな余裕のある先生いないよねと突っ込みたくなりますが、それはさておきどんな形であれ生徒に寄り添ってくれる先生がいることって本当に救われるだろなと思います。

Cメロの歌詞

ある日の全校集会
先生はどこか遠くへ行っちゃうらしい
知らなかったよ 先生 知らなかったよ
言えてないことがたくさんあるんだ
先生聞いて

「音楽室は秘密基地」作詞:宮崎朝子

なんとその先生が他の学校に異動してしまうという展開。突如知らされた主人公にとってきっと凄く凄くショックですよね。私も好きだった先生が異動になって悲しかった経験があるのでなんだか共感してしまいます。「言えてないことがたくさんあるんだ 先生聞いて」という主人公。この後に続きます。

最後のサビの歌詞

まだ先生のピアノ聴きたいよ
先生の笑顔大好きだよ
先生のおかげで学校に行くのが楽しくなったよ

「初めまして ピアノ、好きなの?」
先生はもう秘密基地には
きっときっと来ないけれど
ピアノも夕焼けもここにあるよ

「初めまして ピアノ、好きなの?」
そう言って声をかけてくれたこと
大人になっても私 きっと忘れないよ
だから先生も忘れないで 

「音楽室は秘密基地」作詞:宮崎朝子

「まだ先生のピアノ聴きたいよ」からはいなくなってしまうことの悲しさが、「先生のおかげで学校に行くのが楽しくなったよ」からは感謝しているのが伝わってきますよね。二つ目の「先生の笑顔大好きだよ」はもしかした先生に少しだけ恋心を抱いていたのかも知れませんね。

先生はいなくなるけれど、先生に教えてもらいながら弾いたピアノや音楽室から見える夕焼けがここにはあるから私はもう大丈夫ということなんでしょうね。

そして「初めまして ピアノ、好きなの?」と声をかけてくれたことを大人になっても忘れないというのがグッときますよね。冒頭で「声をかけられない自分が一番嫌い」といフレーズがありましたよね。でも先生に出会ったことによって声をかけてもらえることがこんなにも嬉しいことなんだということを学べたと思うんです。だから主人公にとって声をかけることの大切さを先生から学べたことが今後の人生の財産になったんだろうなと思います。

「だから先生も忘れないで」は私と過ごした日々を忘れないでとというのはもちろん、キラキラの笑顔で声をかけてくれたようにこれからも変わらない先生で居て欲しいという主人公の願いが込められているように思われます。

ラストDメロの歌詞

あれから私は大人になったけど
今も先生がくれたキラキラをカバンに入れて
毎日生きてる
来週会えるの とても楽しみにしてます

「音楽室は秘密基地」作詞:宮崎朝子

主人公は大人になってからも先生に声をかけてもらったことを忘れることなく大事にしていることがわかります。嬉しかったことっていつまでも心に残るものですよね。

そして「来週会えるの とても楽しみにしてます」という最後のフレーズ。大人になってから久しぶりに先生に会えることになったという展開でこの曲は終わります。胸を弾ませている主人公が浮かんできますよね。

まとめ

学校に馴染めなくて悩んでいた主人公が一人の先生に出会って変わっていく様子が描かれていましたよね。学生にとって、この主人公のように学校に馴染めなくて居場所がないという感覚は共感を呼ぶのではないかと思います。でも、この主人公は素敵な先生に出会えて学校に行くことが楽しくなって良かったですよね。

個人的に大人になってからも先生のことを覚えているというのがなんだかわかるなと思っていて、担任の先生なのか部活の先生なのかは人それぞれ違うと思いますが何気なく発した先生の一言がずっと心に残っているというのは実際あるんじゃないかなと思います。学生の時にどんな先生に出会えるかって実は結構重要で良くも悪くも今後の人生に深く影響してるんじゃないかなと勝手に思いました。

また歌詞には出てきませんが、主人公が先生に恋心を抱いてるようにも見えますよね。学校の先生って妙にカッコよく見えるっていうのは実際にありそうな話ですよね。

そして、この曲の魅力はやっぱり歌詞にストーリー性があることですよね。

①主人公は転校生
②学校に馴染めないで悩む
③先生に出会う
④音楽室が居場所になる
⑤先生が異動することを知る
⑥先生とお別れ
⑦大人になってから先生と再会する

まるで一本のドラマを見たような歌詞展開。これこそがまさにSHISHAMOの楽曲らしさなんですよね。

サウンド面も歌詞の通り温かみのある曲調になっており「ピアノ」というフレーズがでてくることもあり、一番のサビ前や二番のAメロ後の間奏部分などに実際のピアノの音が要所要所に入っているのが遊び心があって良いなと思います。

最後にこの曲を通して主人公が先生に出会えて変わったように、よく聞く言葉かも知れませんが出会いと別れが人を成長させていくということを改めて感じました。心が温かくなれるような一曲になっていると思います。

皆さんも是非聴いて見て下さい。


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