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#35『”卒業ソング”SHISHAMO「水色の日々」を語る』

今回は2018年3月21日に8thシングルとしてリリースされた「水色の日々」について語ります。この曲は女優の永野芽都さんが出演したカルピスウォーターのCMソングとして起用されました。2018年6月20日リリース5thアルバム「SHISHAMO5」と2019年6月19日リリースされた「SHISHAMO BEST」にも収録されています。

簡単に説明すると、”卒業式に学生が抱く気持ち”をテーマに描かれており、まさにど真ん中の卒業ソングとなっています。YouTubeにてMVがありますので、載せておきます。

それでは語っていきます。

一番Aメロの歌詞

変な顔して写った写真も
授業中にこっそり交換したメモ書きも
いつか大人になった時に
懐かしく思うのかな

「水色の日々」作詞:宮崎朝子

学生の時には気づかないけれど「いつか大人になった時に懐かしく思うのかな」がまさにその通りで「変な顔して写った写真も 授業中にこっそり交換したメモ書きも」という歌詞のようにクラスメイトや部活仲間との変哲もない日常こそが実はとてもかけがえのない時間なんですよね。

一番Bメロの歌詞

次の日の朝 目が覚めた時
何であんなに大笑いしてたのか分からないような
そんなくだらない、本当くだらないことで
涙出るほど笑ってたよね
笑顔 焼き付いてる

「水色の日々」作詞:宮崎朝子

そうなんですよね。学生の頃って本当にくだらないことで大笑いしたり、盛り上がったりしてましたよね。大人になって何がそんなに面白かったんろうっていうことも沢山あったように思います。でも、そんなくだらない会話でも楽しいと思えたのは、きっと一緒に友達と過ごすというその空間自体が楽しかったからなんですよね。本当に学生の時にしか味わえない感覚ってあったなと思います。

そして「涙出るほど笑ってたよね」が過去形になっているのが完全に卒業することを意識していますよね。その後の「笑顔 焼き付いてる」というのがまた、ここ(学校)で過ごした時間が最高に楽しかったんだということが伝わってきますね。

一番Cメロの歌詞

いつもと同じ教室なのに
いつもと何かが違うのは
きっと 今ここにある全て
今日で最後だからだね

「水色の日々」作詞:宮崎朝子

もう二度とこの教室で授業を受けたり、休み時間に友達とワイワイ過ごしたりといったそういう日常が返ってくることが無いことに気付かされるから卒業の日って特別に感じてしまうんでしょうね。

一番サビの歌詞

お願い 時間よ止まって
私まだ大人になるのが怖いから
この水色の日々が 色褪せるのが怖いの
だからいつでも思い出せるように
焼き付けたいの
今日だけは泣いたって良いでしょう?

「水色の日々」作詞:宮崎朝子

サビ冒頭の「お願い 時間よ止まって」にはその後の歌詞でもわかるように楽しかった学校生活が終わってしまうことの名残惜しさと大人になるということの将来への不安や怖さの二つの意味が込められているように思います。

やっぱり卒業っていうのは別れの日でもあるから、お世話になった先生や仲の良かったクラスメイト、部活動では好いてくれた後輩がいたりと沢山の人と別れることになりますよね。「今日だけは泣いたって良いでしょう?」というフレーズがあるように、わかっていてもやっぱり寂しいことですよね。

学生時代に過ごした日々をこの曲のタイトルにもなっているように”水色の日々”としているのは、きっとカルピスウォーターと掛け合わせてるんでしょうね。なんで水色なのと思う人もいるかも知れませんが水色って爽やかなイメージだから学生のフレッシュさに合っていてそれはそれで大正解な気がします。

Dメロの歌詞

いつも怖いあの先生が
今日は何故か優しかったり
嫌いだったクラスメイトが
今日は何故か嫌いじゃなかったり
今になって 全部輝いて見える

「水色の日々」作詞:宮崎朝子

ここの歌詞は共感しますよね。怖い先生とか嫌いなクラスメイトって絶対に少なからずいるじゃないですか。でもなぜか卒業の日はそう感じなくなるんですよね。まさに卒業マジックということですね(笑)。

Eメロの歌詞

本当にこのまま終わっちゃうの?
もう簡単には会えないの?
今日までの当たり前が
もう明日には無いんだって
分かったつもりでいたけれど
やっぱり笑顔だけじゃ終われなくて

「水色の日々」作詞:宮崎朝子

「本当にこのまま終わっちゃうの?もう簡単には会えないの?」と歌詞で言っているように卒業の日って意外と現実味がなかったりしますよね。でも、式が終わるにつれて「分かったつもりでいたけれどやっぱり笑顔だけじゃ終われなくて」とあるように段々と泣きそうになったり、寂しくなってくるんですよね。

最高のサビの歌詞

お願い 時間よ止まって
私まだ伝えなきゃいけない言葉、気持ち
今なら間に合うかな

だから もう少しだけで良い
私まだ大人になるのが怖いから
この水色の日々が 色褪せるのが怖いの
だからいつでも思い出せるように
焼き付けたいの
今日だけは泣いたって良いでしょう?
焼き付ける 最後の水色

「水色の日々」作詞:宮崎朝子

「私まだ伝えなきゃいけない言葉、気持ち 今なら間に合うかな」というフレーズがあるんですけど、これ結構大事でなんだかよくわかるん気がするんですよね。式が終わってから直ぐに去っていく人もいるかも知れませんが、一言でも二言でもいいから話しておきたい人と話すことって大事で最後に挨拶できなかったことが後々心残りになったりするんですよね。だから伝えたい何かがある人は間に合う内に伝えて欲しいなって思います。

「だからもう少しだけでいい」も共感しますよね。あともう少しでいいからこの時間を終わらせないでっていう感じですよね。

最後の「焼き付ける 最後の水色」の後に”あああーーっああぁ”っていう歌声が入っているんですけど、そこが卒業することに胸がいっぱいな気持ちが伝わってきてグッとするんですよね。是非注目して聴いてほしいなと思います。

まとめ

卒業をする高校生にとっては凄くドンピシャな一曲でしたね。楽しかった学生生活が当たり前の時間じゃなかったことに気づく感情や、「お願い時間よ止まって」というサビのフレーズがあるようにもうあと数時間後には学生として過ごす時間が終わってしまう名残惜しさ、お世話になった先生やクラスメイトとお別れをすることの悲しさや寂しさなどが見事にギュッと詰まっていますよね。

卒業をする学生が聴いて刺さるのはもちろんなんですけど、ある程度大人になった人が聴いても刺さる一曲なのではないかと思います。というのは冒頭のAメロで「いつか大人になった時に懐かしく思うのかな」というフレーズがまさにその通りで、あの頃は楽しかったなと懐かしむことが出来るのではないかと思います。その他にも「もう簡単には会えないの?」というフレーズが出てきますよね。大人になると本当にいつでも会えるということが簡単じゃないことをより実感すると思うんです。そういうある程度大人になった人が学生の時間って実は凄く特別な時間だったんだなと思わせることが出来る一曲でもあるように思います。

歌詞だけでなく、今回サウンドもかなり良いですよね。SHISHAMOとして初めてプロデューサーの小林武史さんを招いて制作されたそうで、宮崎は本作での小林のプロデュースについて「SHISHAMOのイメージをとても尊重してくれて、アレンジをしてもらったというより色を入れてくれたというのが近い」と話しています。

そして、#22で「ねぇ、」という曲を取り上げた時にも書きましたが、SHISHAMOにとってカルピスウォーターのCMソングを担当することは念願だったんですよね。SHISHAMOの定番ソング「恋する」という曲は元々仮タイトルを「カルピス」と付けていたそうで勝手にカルピスウォーターのCMソングをイメージして曲を作ったりしていたそうです。そして、2018年今回の取り上げた「水色の日々」と「ねぇ、」という曲で夢が叶ったんですよね。夢を叶えてしまうSHISHAMOは凄いですよね。一応#22で取り上げた「ねぇ、」についての記事も載せておきますので良かったらチェックしてみて下さい。

最後にSHISHAMO「水色の日々」ワンマンツアー2018-2019「ねぇ、あなたとあの娘は夢でしか逢えない間柄なのにどうして夜明けにキスしてたの?」Ver.と題したライブ映像がYouTubeにてアップされているので載せておきます。

私このライブ映像のツアーに参戦したのですが、歌唱後半辺りから沢山のハートを飛ばせる演出があってそれが素敵な演出だったので映像越しにはなりますがその辺りにも注目して見て欲しいなと思います。

卒業ソングとしてにぴったりな一曲になっていると思います。是非皆さんも聴いて見て下さい。

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