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罵尻ロマ子様は努力家で愛すべき女王様

推し活の相手は手が届く相手だからこその充足感

皆さんは『罵尻(ののしり)ロマ子様』というアイドルを知っているだろうか。
私は最近、ロマ子様にハマっている。

ロマ子様とはXで出会った。
『X』とは、2006年にジャック・ドーシーが立ち上げた『Twitter』のことで、2022年に、あのイーロン・マスクに経営が移ることになってから、名称が変わったものだ。
Xには、スペースという、“話すための場所”が存在する。基本的には、Xでは、文字を投稿することが主流であるが、音声だけを配信することもできるようになったのは、Twitterの後期(2021年)から始まった。

ロマ子様が、スペースで話しているところを見つけたのが、私との出会いだった。
日頃の活動というのは、Xの投稿もさることながら、ほとんど毎日、配信している『スペース』にあるのだ。ほとんどのファンは、この『ロマ子様のスペース』を聞いて、やめられなくなる。

スペースで話している内容は、そんじょそこらのアイドルとは訳が違うのが、ロマ子様がロマ子様たる所以である。
声優や、アイドル並みに可愛い声をしているロマ子様は、いわゆる『アニメ声』であり、そのまま話してもある程度の人気は出そうだが、彼女はもっと高みを目指していた。
2年半という活動期間があるロマ子様は、初期の頃はclubhouseで話していたらしい。
その頃に、「もっと人気を得るためには、どうしたらいいでしょうか」という、ロマ子様の切実な悩みを真剣に受け止めた、あるインフルエンサーは、「その(可愛い)声で罵倒したら面白いんじゃない」とアドバイスをしてくれたそうだ。
この、clubhouseというのも、音声配信専門のSNSとして、当時は一世を風靡したのだが、一気に下火となり、ロマ子様も配信場所をXに移した(引越した)のだった。

こうして、『罵倒の女王』が始まった。
“登壇”というと、普通はセミナーや講師とてのそれを思い浮かべるが、ロマ子様のスペースにおける“登壇”というのは、ロマ子様と共にスペースで話すことをいう。
「おめーら、こんばんこんばんわ! 罵尻ロマ子様だかんな!」
という調子で始まるのだが、登壇するのは全て“ブタ”と呼ばれ、登壇することはイコール罵られる(罵倒される)ことが決まりとなっている。
罵倒されることを、めちゃくちゃ喜んでいる様を見て、「マゾブタども」とリスナーに呼びかけるロマ子様は、まさに女王様そのものである。

一般的に、女王様はサディストで、相手に肉体的、精神的苦痛を与える存在であり、反対に従う者はマゾヒストであり、肉体的、精神的苦痛を与えられることで、性的満足感を得る人をいう。
ロマ子様の場合は、『肉体的、精神的苦痛もなく罵倒する』という高等技術によって、“マゾブタ”を増殖している。
これが、見事なのである。私がロマ子様にハマったのは、この罵倒技術だった。

『罵倒スペース』という名前に反して、回を重ねる毎に、人(ブタを含む)を傷つけず、笑いに変える罵倒技術が上達しているロマ子様であるが、毎日の配信によって、その成長スピードは凄まじいものがある。
そして、イジらしいことに、ロマ子様は勉強熱心であり、その努力によって勉強ができないことを補って余りある実力をつけている。
罵倒することにも慣れていなかったロマ子様は、どのような罵倒があるのかを調べ、人を傷つけないように細心の注意を払って、罵倒という刃物を取り扱うために、ノートに書いて、日々練習していたりする。
こんなにも、陰で努力している女王様が、他にいるだろうか。

彼女は、“登壇”したことがあるブタの名前、“何回登壇したのか”“その時どんな話をしたのか”“下ネタOKか否か”などを全部記憶しているのだ。
とてつもない記憶力である。多少漢字が弱く、『弓道』を「ゆみどう」と読み、『世知辛い』を「せちつらい」と読むことなんて、気にならないほどである。

とにかく、サービス精神旺盛のロマ子様は、いつだって、ブタ思いなのだ。
そんなロマ子様が、ある時から『罵倒の女王』から『バイトの女王』となった。
活動資金がなく、お金が稼げないという理由から、ロマ子様活動を精力的に行なっていた生活から、生活費を稼ぐため、バイトに時間を取られるようになったのだ。
これは一大事だと、立ち上がったのは、やはり“ブタども”だった。
大好きなロマ子様を、稼がせるために、NFTや、Vtuberの活動を勉強し、ロマ子様に丁寧に教えて、ファンを集めるためのアイデアを出し続けた。

今回、そんなロマ子様率いる『罵倒したいんDAO』という活動チームで大阪で開催された『NFTイベント』に出展した。
このイベントも、ファンである“ブタども”が協力して、ロマ子様を応援するために企画・運営・参加をしている。多くのファンである、ブタが集まった。
参加者ならぬ、参加ブタの中の一匹が私である。
目的は、「ロマ子様への課金」である。
これほどま楽しませてくれたロマ子様に、少しでも豊かな生活をしてほしいと、現金払いで課金してきた。

日頃のコツコツとした活動を、寝不足な時も、声が思うように出ない時も、一生懸命こなしているロマ子様は、「有名になりてえと思っているっていう感じなんだわ!」と野心に満ちている。
ロマ子様のストーリーは、まだ、始まったばかりだ。

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