あとがき スーパーファミコン時代のCD-ROM事情

色々と長い記事をお読みいただきましてありがとうございます。とりあえず「私が知っている範囲のことを全部書きだそう!」というのを目標にしていたら、どんどん長くなっていきました。反省はしていません。

で、よくネットの論説で「任天堂とソニーが決裂したのは、その契約に問題があったため」みたいなものが見られますよね? 

おそらくはそうなんでしょうが、具体的に何が問題点となったのか……これに対する確固たるソースはないです。CD-ROMの権益が全部ソニー側にいくようなものになっていた、ふんふんなるほど。でも、それでハンコ押したのは山内社長ですよね? って話になると、首をかしげてしまうわけで。

後からCD-ROMの利益が大きい事に気がついて、フィリップスと提携してソニーを牽制したんだ! って説もあります(当時の業界本だと主流です)。ただそれだと、なぜ本気でフィリップスシステムを作らなきゃいけないのかを説明できないんです。だから当時の業界本ではフィリップスシステムは張子の虎で、実際にはつくられていないんだ、という論調でした。

なのですが、岩崎啓眞先生が説明会に出て仕様をきちんと聞いているという……。

資料同士が矛盾しまくっているので、「おそらく確かだろう」と思える情報だけをピックアップしました。今回の記事は脚色部分がほとんどなく、私の思ったことは分離して書いてあります。ちなみにジェスのエピソードは本人が何回も喋ってるせいか、細かな数字が違っています。200万ドルといったソースもありました。

こういう状況なので、昔の本の「こういう理由で任天堂とソニーは破綻した」と書いてあるものは、素直に信じないほうが良いです。痛い目みますので。

特に「久夛良木健のプレステ革命」には、ソニー社内のCD-i派と任天堂が結びつき、「気が付かないまま敵に情報を与え続けてしまった」という後悔が描かれていますが、実際は任天堂はリコー経由で話をフィリップスに行ってます。なのでソニーのCD-i派(正直、90年に残存していたかもちょっと怪しいそうです)が、任天堂と結びついて……というのはちょっと考えづらい話になります。この本はとにかく久夛良木視点で流れを詳細に書いていますが……まぁそんな本でも間違いはあるというお話です。

ちなみに会議にて大賀社長が久夛良木に発破をかけられて「Do it!」と叫んだ……ということが書いてありますし、私もちょこちょこ記事内にいれています。有名なネタなので。ただ、個人的には、これは多分創作なんじゃないかな? と思っています。

そこらへんを語りだすとまた記事が一つ出来上がってしまうわけですが……。あとがきとしてはこれくらいです。きりが無いので早めに打ち切りましょう。

ちなみに私個人は結構大変だったり、あんまり大変じゃなかったりしますが、適当にやっていこうとおもいます。よろしくお願いします。


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