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「息ができない」の話。

1月12日にリリースしたアルバムの話をしようと思うの。

(↑こちらからmp3版をフリーダウンロード出来ますYO)

2018年に「OTONA CHILD」っていうアルバムを出させてもらって。
それって、2016~2017年くらいに出来てた曲をまとめたものだったんですね。

で、2019年に「Today」っていう、自作の小説とセットにした作品を出して(これも曲自体は2017年頃にはあった)、2020年には「Winter In The Air」っていうミニアルバムを出しました。そして「Winter In The Air」の曲は、2019年に出来た曲がほとんどでした。

さて。
今回出した「息ができない」という作品は、2018年くらいに出来てた曲たちをまとめたものです。
だから、自分でも書いててややこしいけれど、曲自体は一番新しいアルバム「息ができない」よりも「Winter In The Air」の方が新しいんです。

なんとなく、一番新しいアルバムが一番今現在の自分に近いアルバムだっていう思い込みがあったのだけれど、いざ作り手になってみると、必ずしもそうではないんだなぁと今アホみたいに思ったりしています。

では、6曲しか無いですし、1曲ずつ感想とか思い出書きますね。
「息ができない」、自分でとても気に入ってる作品なので、聴いてほしいな…。

「ダッチベイビー」

アルバムタイトルにもなった「息ができない」というフレーズが入ってる曲。
内容は、ただただ寂しさとか虚しさをこじらせてるだけって言えるし、そもそも「何をバカみたいに甘いこと言ってんねん」っていうセルフツッコミの「ダッチベイビー」っていうタイトルでもあって。
でもこういうこと思っちゃう夜がきっと多くの人にあって、そのうちの誰か一人にでも「わかる…」って思ってもらえたらいいな、みたいな。
音の話をすると、なんかこう、円熟したロックバンド風(ちゃんとしたモデルがあるのだけど、言えない。笑)のサウンド目指したいなって思って作った曲でもあります。まぁ本人が円熟してないので(たぶん)、年相応かそれ以下なのかもしれないけど。

アルバムの紹介文にも書いたけれど、呼吸という意味の「息」ではなくて、心がぎゅううってなるあの独特の寂しさ、苦しさ…という感じです。つらいね。

「ロードノイズ」

ここのnoteでは当時たくさんあれこれ書いたのだけれど、2018年に父が亡くなって。
この曲は、昔、子供の頃。
家族で、父が運転する車に乗って出掛けてるある日の光景を元にして歌詞を書きました。
高速道路なんかに乗ると、運転席に座ってる父の声って後部座席にいる自分からは聞き取りづらくて。だから体を乗り出して話を聞いたり、あるいは聞こえないふりして聞かなかったり。
あれからずいぶん大人になって。
父ともっと沢山話したかったなっていう後悔があって。
あのとき車のロードノイズにかき消された何かしらの言葉さえも拾いたくなったんです。短い曲だけど、大好きな曲。

「escape」

アルバムの中で、この曲がいちばん古い曲かな。「OTONA CHILD」に入れようとしてたくらいだから。
一番と二番でまったく同じ歌詞ですが、不思議と飽きない言葉を選べたのが嬉しかったな。はじめは二番の歌詞を考えようとも思ったのだけれど、全然浮かばなくて。

今回のアルバムの中でいちばん古い曲ですが、アレンジ、演奏はいちばん新しいです。もともとはCDとwav版のボーナストラックのバージョンで作っていたのだけれど、どうしてもゼロからやり直したくて、作り直しました。構成とかはそんなに変わってないんだけどね。
結果、めちゃくちゃ気に入ってます。やり直してほんとによかった。

「trail」

トレイル、と読みます。
この曲も、父との別れの影響があって。
どこに続くか分からない道の上、どうしようかと考えあぐねている曲です。
あれこれと考え続けていたら、どんどん自分のことが全然信用できなくて、好きになれなくて、生きるのがしんどくて…っていう迷いと呆然の中にいるような曲です。

曲ができたばかりの頃nanaというアプリにこの曲をメモ代わりに投稿したら、すごく反響があって嬉しかったな。

あ、あとこの曲に使いたいがためにヤフオクで12弦ギターを買いました。
「escape」の間奏で使ったりもしてます。

「面影」

あえて名前は出さないのだけれど、僕が大好きなバンドをイメージして作った曲。ギターとかドラムの感じとか、歌詞とかコード進行も、全部そのバンドのイメージで作った曲です。
はじめはネタ曲のつもりだったのだけど、このアルバムの中に居るととても収まりがいいので、入れました。聴くたびにどんどん好きになっていきます。個人的には。笑

「十六夜」

ある日。
コインランドリーに洗濯物を入れ、駐車場に停めてある車の中で本でも読んで待っていようかなって思って、ふと自分の手を見たときになんだか愕然としてしまって。なんだこれ…これが自分の手…?って。
いや、そんな老いを感じるほどではないはずなのだけど、ね。
そのまま本を読むどころか冒頭の歌詞が浮かんで…というのが制作秘話でしょうか。
ずっとタイトルを決めかねていたのだけど、松尾芭蕉の「十六夜はわづかに闇の初め哉(いざよいは わずかにやみの はじめかな)」という句に出会って、「これしかないじゃん」と思い、タイトルにしました。
十五夜ではなく、十六夜。それは新月に向かう一日目。闇の始まり。

あと、この曲の仮タイトルが「ハイボール(仮)」で。歌詞にも思いっきり出てきますけど。
だから「いざ、酔い」ともかけてますし、「いざ、宵」とかもかけてます。

歌ったりするとすごくしんどくなる曲なのだけど、大好きな曲です。この曲書けてよかったなっていつも思ってます。

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いっぱい書いちゃったな。

全部で30分も無い作品ですので、ゆるーく聴いてもらえたらほんとうに嬉しいな。

今年は他にも作品が作れたらいいなって思ってます。がんばります。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

冒頭にフリーダウンロードのリンク貼りましたが、最後にCDとwavの販売ページも貼りますね。

https://mscr.buyshop.jp/

こんな駄文をいつも読んでくださり、ほんとうにありがとうございます…! ご支援していただいた貴重なお金は、音源制作などの制作活動に必要な機材の購入費に充てたり、様々な知識を深めるためのものに使用させて頂きたいと考えています、よ!