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私とシンフォニアとロイドの生き様

好きなテイルズは何、と聞かれると迷わず私はシンフォニアと答える。

理由は、私の中では明白だ。
だが、それを分析して正しく表現し、言葉にすることはできなかった。
今年、色んなテイルズに触れた事で、それが明確になった気がする。
テイルズを通し世界が広がった今年の終わりにそれを、文章としてしたためたくなった。

少し重い話になることをご承知願いたい。

 


私がシンフォニアと出会った時
私は
死のうと思っていた。

死ぬことばかり考え、心を病み
半ば軟禁状態で日々を過ごしていた。

当時既にゲーマーだった妹が
「ゲームでもやってみたら」
といくつか持ってきてくれたタイトルのうちの1つが、
テイルズオブシンフォニアだった。

シンフォニアは、妹がプレイしていた頃に、どうしてもクラトスを倒したいからと2Pで参加したのが初見。
つまりまあ、とんでもないネタバレから実は入ったのだけれども、全部をやったことはなかった。

なんとなく、手にとった。
「シンフォニア」というタイトルも、音楽が好きな私には少し心が動いたきっかけだった。

それまで、据え置き機のRPGは見る専だった私。
幸い、時間ならある。
攻略本と格闘し、四苦八苦しながらプレイした。

気づけば毎日、1日中そればかりしていて
実に90時間以上かけて、シンフォニアをクリアした。

細かい事は覚えてない。
だけど、シンフォニアに確かに私は救われて。
クリアした頃には、もう、かけがえないゲームになっていて。

死ぬことなんて、忘れていた。


あの頃は、そして長く、わからなかった。
心を救ったものが、何なのか。
ストーリーなのか、キャラクターなのか。
ただ何かが、キラキラと心に降り積もっていた。

その欠片たちの、中心にあったもの。
ようやく今、わかってきた。
それはありきたりといえばありきたりで。
当たり前といえば当たり前のもの。

ロイドの言葉一つ一つが、心に刺さったんだ。

「死ぬための命なんてあっちゃいけないんだ」
「天使になっても、コレットはコレットだろ」
「間違えたら、やりなおせばいいんじゃないかな」
「正義なんて言葉、チャラチャラ口にするな!」
「死ぬなんて、いつでもできる」
「自分が悪くないなら、堂々としていればいい」
「人もエルフもハーフエルフも、精霊も、誰もが幸せに暮らせる世界を目指す」

優しき理想論者。 
彼の言葉が放たれる、それはゲームの世界。

「やり直せるものなら、やりなおせばいい」

正直そう、思った。
リアルは。人生は。やり直しなんて、きかないんだと。
やましくなんてなくても、居場所がないならどうすればいい。
ミトスの叫びは、私の叫びでもあった。

「それができなかったから、僕は…」

今、わかる。
それでも、その理想に、自分の理想を見たのだと。

私は、ロイドを信じたくなったのだと。

ロイドの言葉を実行するのは、
彼の生き様は。
優しき理想論者という肩書きと反して

すごく、ストイックな生き様だ。

堂々とそこにいるためには、己の掲げた道に、己の行動にやましさや後ろめたい怠惰があってはいけない。

皆が幸せになるような行動、その中には自分をも含む。
1人と100人を天秤にかけるなら、101人の幸せを選ぶ。
己と違う考えや物事には、必ず歩み寄る努力から始め。
そんな選択をし続けながら、常に
自分は間違えていないかと己に問い
進んだ道が間違っているなら、間違いに気づきそれを認め修正をし続ける。
そこでは、正義を盾にする事もできない。

正義を理由にした行動でも、自己犠牲を伴うものでもなく
皆がありのままで幸せにいられるよう
己が先ず努力する

ほかの誰がここにいたっていい。
だけど、他ならぬ自分は、その理想に追従していなければ
堂々と、いやのうのうといていいと、自分が許せない

自分の中で、それが指針になっていたのはいつからだろう。
ただ、自分で客観的に、明確になったのは最近の事だ。

いくつかの、とある場で、私が発言した言葉に
自分でやっと気がついた。

みんなが楽しくいられる場所をつくりたい。
そのために己は、最大の努力をする。

規模は違うけれど
それは確かにロイドの言葉。

私はあの時
心に刺さったシンフォニアの欠片たちによって生かされている。

だから、シンフォニアが一番で。
覆らないんだ。


シンフォニアから由来したこの名前であり続ける限り、
私は今日も己に問いかける。

「お前はもう、間違えないのではなかったか」

それは作中でのクラトスの問い。
そして私はいつもこう、答えるのだ。

「だめだ、」

と。

己が正しいと、間違える事などないと思った瞬間から、
この理想は崩れてしまうのだから。

……ちなみに作中で「だめだ、」の選択肢を選ぶとクラトスの好感度が上がります(笑)
クラトスの好感度選択は体に染み付いてしまった……

自分は
まだまだ未熟で。間違える事も多くて。
間違いを上手に正せる強さもないけれど。

悲しみによりそい、喜びを共有し、
大きなぬくもりと優しさをあげられるような。
…響きあえる人間に、なれるように。
生きていきたい。

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