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バリ島移住への道②

そもそも移住しようと思い立った、そのきっかけは何だったのか?

「もっと家族みんなで一緒に過ごしたい」

夫は会社員、私は小学校教員として忙しく働いていました。
仕事と家事と育児をバランスよく両立し、充実した生活を送り・・・

なーんて、夢物語でした。

家はカオス状態、いつも何かに追われているようなギリギリ感。
保育園と職場の往復、溜まった仕事や家事をこなす休日。
一年は365日あったはずなのに、一体どうやって晩ごはんを作っていたのか、一食くらいしか思い出せないのです。
当時の記憶がないほど、必死で、無我夢中で、心身ともにいっぱいいっぱいだったのでしょう。
仕事はやりがいがありましたし、たくさんの方々がサポートしてくださいました。
それでも「みんな頑張っているんだから!」と懸命に自分を奮い立たせていたような気がします。

ある日の夕暮れ時、勤務していた小学校のグラウンドの施錠に行きました。
誰もいなくなったグラウンドは静かで、見上げると茜色に染まった空が広がっていました。
あまりにも美しい夕焼け空を見つめているうちに、どうしてだか涙があふれてきたのです。

「この夕焼け空を、夫と子どもたちと、一緒に見たいなぁ・・・」

慌てて職員室に戻りながら、私は自分の中に、はっきりとした疑問を抱いていました。

こんなに美しい景色をこれからどれくらい一緒に味わえるのだろう?
私にとっての幸せは、もっと家族と一緒に過ごす中にあるんじゃないか?

それ以来、どんなに忙しくても、短い時間でも、私の想いや理想を夫へ話すようになりました。
その後、息子を出産し復職を迷いましたが、そのまんま退職して現在に至ります。

(シャボン玉で遊ぶ親子。インドネシア・マカッサルの夕暮れ時はたくさんの人々が訪れていた。)

「夫にひげを生やしてほしい」

年末年始の帰省中のこと、夫の髭が伸びてきていました。
私は超絶髭フェチというわけではありませんが、夫の髭を生やした顔は新鮮で、いぶし銀の渋い味わいがあったのです。

「いいねーひげ似合うよ!そのまま伸ばしてみたら?」
「そう?まあね」

謙遜するということをしない夫は、まんざらでもない笑みを浮かべていました。(子どもたちには不評)

ジョリジョリジョリ・・・出勤する日の朝、夫はいぶし銀髭を当然のように剃っていました。

「えー?どうして似合うのに剃っちゃうの?」
「会社に行くから仕方ないよ」

夫の会社内やお客さんの営業などにおいて、髭や長髪はマナーとしてあまり良く映らないそうなのです。
クールビズの時期が決まっていることもそうですが、サラリーマンには私の知らないルールがあるようでした。

髭も髪も身体にとって自然なことなのに。
私はスーツ姿も短髪も好き。ひげも伸ばしたっていいじゃないか!

決まっているんじゃなくて、みんなが自分で選べたらいいのになぁ。

つるつるになった夫の顎を見つめながら、私はまたもや疑問を抱いていました。

そんなこんなで、わが家なりの生き方や幸せというものを夫妻で話し合うようになっていったのです。

では、なぜバリ島なのか?
次回はそのあたりを書いてみます。

(こちらは商店街イベントでの伯爵ひげ)

バリ島移住への道はつづく・・・

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