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わたしの推し。松さや香さん。

随分前に、わたしにも推しができたかもしれない!と投稿しましたが、今日はそのお話を書きたいと思います。

一昨年の年末、体調がすぐれなくて近所のクリニックに行き、腸炎の診断をうけました。そこのおじいちゃん先生は念の為…とレントゲン、CT、あとでわかったのですが腫瘍マーカーの検査もしてくれていました。検査結果をききに別の日に行くと、女医さんに変わっていて、検査の結果、たぶん「肝臓に転移」している。どこかに癌があるはずだと言われました。青天の霹靂。

近くの大きな病院を紹介され、内科でいろいろ検査を受け、そこでの結果もどこからかの肝転移でした。同時進行でちょっと気になることがあったので、大阪の乳腺外科クリニックで検査もうけていて、その結果は年明けでした。そして癌の可能性をもったまま、治療についてはなにも話してもらえず年末年始休暇にはいります。

年末年始の間、検索、検索です。「乳がん、肝転移」のキーワードでいいことは書いてありません。Amazonで癌についての本もたくさん買いました。治ったという方の体験記なども。どれも「奇跡、絆、家族の支え」の話ばかり。そうなんだろうけど、そんな夢物語みたいなのじゃなくて、もっとリアルに治療にかかるお金のこととか、暮らしのことを書いてる体験記はないのか!

癌=つらい抗癌剤、寝たきり、今までの人生から外れてしまうんじゃないか、病人としてどうやって暮らしていったらいいのか、不安で不安で仕方ありませんでした。その中で松さや香さんが書かれた「彼女失格」という本に出会います。

これはね、もうね、びっくりした。どれも松さんの実体験。

20代のときに乳がんステージ2を罹患されて、その治療とそのときに付き合っていた彼氏と仕事のお話なんですけど、たぶんストーリーを知っていても楽しめると思うのである程度書きますが、今よりずっと抗がん剤の副作用は強かったらしく、その中でデートもし、仕事も行くんです。病気であることで下に見られたくないと人一倍企画を提案したり、めちゃがんばるんです。年上の彼氏からの金銭的援助を断り、治療費を自分の稼ぎから払っていきます。20代の稼ぎから払っていくなんて、どれだけ大変なことか!

抗がん剤の点滴の日は彼氏は車で送り迎え、脱毛し、女性ホルモンがとまって太っていく彼女を受け入れ、性生活もレスになることなく、愛されてるなーと思っていたときに、知らない女から「別れてください」とメール。彼氏、浮気して二股していたのです。またこの女の人がメンヘラ気味で面倒なことになるんですが、話し合いを続け、一旦は別れずにやり直しますが、物語の後半で別れてしまいます。大きな理由は書かれていないんですが、めちゃくちゃリアル。

その後、乳がんの治療は成功します。ですが、がんを経験しているというと就職がうまくいかず、健康だとアピールできる業種についてやる!となんと某航空会社のCAになります。(すごい!)

で、この乳がんの手記を出版しようと編集者との打合せ中に発せられた言葉もリアル。

「がんの体験記って、患者が最後死なないと売れないんですよね」

本人に言います???

別の出版社と縁ができて「彼女失格」というタイトルで出版が叶いました。

そして、今は某IT企業の社長の奥さま。その彼は、知り合ってから「彼女失格」を読み、本の中でぶっちゃけすぎている松さんと一緒にいたいと思い、プロポーズされたそうです。ステキや〜。

この本は、わたしを救いました。

1)病気になっても普通にひどい目には会う。

2)病気になってもおもしろいこと考えたり、言ってもいい。

3)自分の人生は気持ちの持ちようで受け止め方を変えられると改めて。

4)大事なのは知性とユーモア。

松さや香さんとは同年代のサブカル好きという共通点がありました。文章中に出てくる小ネタでニヤニヤが止まりません。闘病記?なのに、笑えてしまいます。

松さんのその後を知りたくて、松さや香の名前で検索し、保険会社のコンテンツインタビューを見つけました。相変わらず正直でユーモアあるお話をされています。(積極的に保険をすすめない姿勢)

Instagramも発見してフォローしています。その健康的でセレブリティな暮らしぶり。なのに文章は早口で言葉数の多いサブカル風味。語彙力もすごい。たまにしか投稿しないところもいい!

これが推し?と自覚が芽生えたのが、松さや香さんのインスタライブでした。普段あまりそういうことはされないのですけど、海外に住まわれるご友人とコロナについて話していらっしゃって、たまたま見たらわたしが一人目だったようで、松さんがわたしのアイコンをちらっと見ました。キャー!笑

動いている松さんを見ていると居ても立っても居られず、普段だったら絶対しないコメントも送りました。キャー!笑

松さんがしあわせならそれが一番いい!

そう心から思える人です。なんでそこまで思っちゃうんだろう?もう少しうまく書けたらいいのになー。

こちらもオススメ。

この本の紹介文のところ、わたしが書いた何倍もわかりやすく、松さんのこと、「彼女失格」のことが書かれています。

ご興味、もっていただけたならぜひ。


「がんになったことは人生の一部だが、私の全てではない。得たもの失ったものもあるけれど、わたしはがんの治療をきっかけに自分の人生を取り戻せたと感じている」 松さや香



わたしもそんなふうに言えたらいいな。





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