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表銀座縦走の記録

先日、憧れの北アルプス表銀座縦走を行いました。
約半年ぶりの更新、勢いで書いています。

思い出は、覚えている内に。



DAY1 中房温泉〜燕岳〜大天井岳(大天荘)

僕たちは上高地行きの沢渡駐車場で待ち合わせて、スタート地点の中房温泉に向かいました。
台風が通り過ぎた翌日だったので、常に天気予報をチェック。
期待と天候の不安が入り混じった状態で表銀座縦走の一歩を踏み出しました。

霧に包まれた森
北アルプスの三大急登を進みます
夏山の必需品、日傘が雨傘の代わり
美しいお花畑
写真よりも先に進むことを優先しました

そして最初のチェックポイント、燕山荘に到着。

天気予報が外れた強い雨風だったので、この時点でかなり寒かったことを覚えています。
雨風の強い稜線(山の峰から峰へ続く線)をコースタイム3時間を歩き続けるか…撤退か…旅の序盤にて、早くも選択を強いられました。

3人で相談し合った結果、条件付きで続行することに。

  1. 少しでも危ないと感じたら撤退すること

  2. 体力が無くならないように、行動食と水を摂り続けること

  3. なるべく立ち止まらず、体を常に冷やさないこと

幸先が不安な初日ですが、翌日から晴れ予報なので相当な気合を入れます。

※登山における天敵は「濡れること」で、濡れた服に風が当たると体温と体力を奪って低体温症になる危険性があります。急に変化する天候に備えてレインウェアの装備とメンテナンス、そして靴下が濡れると一気に体温が下がるので登山靴はGORE-TEXを推奨します。

誰かが教えてくれた山の知識


風速7〜10m程度でしょうか
この場所は風を遮ってくれたので、少し余裕がありました

写真を撮る余裕が無かったのですが、喜作レリーフを通過する際の登り返しは絶望的でした…。「大天荘まであと500m」の看板から中々辿り着けない山荘…。
山の100mは地上の何倍も時間がかかる上に、注意力が欠けると怪我や事故につながるので常に神経を集中させて、涙目でなんとか大天荘に到着。

こんなに安堵したのは中学生の頃、片道8kmをパンクした自転車を押して必死に帰った時以来です。

まさかのジェンガ
意外と楽しかったけど
疲れてグダグダ
燕山荘グループの夕食は本当に凄い
山でこんなに美味しいご飯を頂くことの
ありがたみを痛感します
夕食後の散歩
少しだけ青空が見えました
大天荘と言えば夜の「ランプの喫茶室」
素敵な音楽とランタンの光だけの大人空間
本当はお酒を頂きたかったのですが
疲れを取りたかったので
ロイヤルミルクティー


DAY2 大天井岳〜西岳〜水俣乗越〜ヒュッテ大槍

布団に入って10秒くらいでしょうか…音速で就寝。
目が覚めたのは明け方3時頃、しっかり疲れを取ることができたことが何よりも安心に繋がりました。

前日の雨風が嘘のような素敵な朝のはじまりです。

大天荘、お世話になりました
まだ頭が起きていないカズ
山頂で迎える朝陽の格別感に、心躍ります
前日歩いた稜線
こんなに美しかったとは…(笑)

壮大な山の写真も好きですが、それ以上に名残惜しい気持ちを残しながら次の目的地に向かう仲間たちの後ろ姿を撮ることが好きで、そういった刹那的な感情が実際の光とリンクした瞬間に多幸感を感じています。

本当、素敵な朝でした。

ブロッケン現象
別名、光輪(グローリー)と言うそうです
僕たちと同じルートを通った2人
ゴール直前まで、何度もすれ違うことに。

登山における、素敵な偶然です
槍ヶ岳が少し見えてきました
小柄ながら勇敢すぎるコガ
またの名を、サヤカ

またのまたの名を
ギガンテス・アルティメット・サヤティス
良い天気、良い稜線です
捻挫しないように
慎重に進みます
チェックポイントの西岳小屋
大天荘のお弁当を頂きます
槍は見えないけど、目指すは槍
健脚魔人カップルのカズと、ギガンテス・アルティメット・サヤティス

彼らとはほぼ毎月どこかの山に行っているので、2泊3日の山行で長い時間を寝食共に過ごしていても、変に気を遣わないのは本当に助かりました。

西岳から水俣乗越までの道は草木に覆われている上に
前日の雨でハシゴや石が濡れているので
慎重に進みます
さて、東鎌尾根です
ここが結構キツいので、踏ん張り時です
槍が見えました
明日通る道を、上から俯瞰で。
奥に見える、光が当たっている山の左側が燕岳
人の足って、本当に凄いです
東鎌尾根の核心部「窓」の三連梯子
慎重に、三点支持でゆっくり降ります
ヒュッテ大槍に到着
いつもお世話になっている
FOLKWOOD SAUNAのしょうへいさんが感銘を受けた
「つけめん」を頂く

こんなに美味しくていいんですか…
下界に持って帰っても…いいですか…
黒ビール…
バスクチーズケーキ…
こんな贅沢品…山で頂いていいんですか…

標高が高い場所での飲酒は、酸素が薄くて酔いやすいのでお気を付けください。個人差はありますが、僕はアルコールに強くないので必ず水と一緒に呑むようにしています。

過去の自分より
山小屋に必ず置いている漫画とか本を読む時間
カズ、就寝
燕山荘グループの太っ腹に感動しっぱなしです
ヒュッテ大槍、今まで行った山荘の中でベストになりました
食後の散歩
遠くに見えるのが、殺生ヒュッテ
写真時間のギガンテス・アルティメット・サヤティス
カズとギガンテス・アルティメット・サヤティス
見え隠れする槍ヶ岳の穂先を眺めながら
翌日に控えた山頂アタックのシミュレーション
何事も、新しいトライは緊張します


DAY3 ヒュッテ大槍〜槍ヶ岳〜上高地

緊張なのか、熱がこもっていたのか、睡眠の質は少し悪め。

肌寒い外に出てみると、満天の星空。
一気に目が覚めました。

最終日のはじまりです。

GRiiiで撮影
軽量コンパクトのカメラ
ここまで高性能なのは凄いことです
ナイトハイクで穂先に向かう
切れ落ちた道が多く、慎重に進みます
核心部の穂先
高度感のある岩場、クサリ
山頂直前の15メートル程度の二連ハシゴ

慎重に進めば問題ないのですが
高度感の恐怖で体が硬直しないように
気を付けながら進みます

槍ヶ岳、登頂。
低山の登山で虫の息になっていた自分が…この場所に立つ日が来ました。
自分の成長を自分で感じること、その瞬間を一緒に共有できる友達がいること、その全てが御来光を拝むこと以上に感動できるものでした。

穂高連峰の先に、虹が出ていました
槍の穂先が大きな影になっています
虹、Part2
登山で一番気を付けるポイントは「下山」
慎重に降りていきます
遠くに見える建物がヒュッテ大槍
どうやって建てたのか…
謎は深まるばかりです
槍とカズとギガンテス・アルティメット・サヤティス
僕と槍とカズとギガンテス・アルティメット・サヤティス
下山開始
槍を背に、1700mも標高を下げていきます
一気にババ平まで降りてきました
ここまで来ると、あとは上高地まで平坦な道を歩くだけです
横尾山荘に到着

以降の写真はゼロ。

午後から天気が崩れる予報だったので、横尾山荘から上高地までは一気に駆け抜けました。
徳沢を過ぎたあたりから登山客と観光客が入り混じってきて、謎の安心感。「下界に戻ってきた感」が凄いです。

とはいえバスの時間に間に合うために血相を変えて早歩きで進んだ僕たちは、他の方から見ると少し時空が歪んで見えていたのかもしれません…

(YAMAPの計測によると、横尾から上高地までのコースタイムは約1.8~2倍だったそうです…)

そして上高地に到着するも、大雨でタクシー3時間待ちという地獄。縦走で疲れ切った体には酷でしたが、列の後ろに並んだお父さんの登山昔話がクレイジーすぎて3時間楽しく過ごさせて頂きました。

西穂から入山してジャンダルムを経由、涸沢岳から横尾まで降りたら蝶ヶ岳から常念に行って…最後は燕岳から下山したんですよ

お父さんの昔話①

黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳に行って、そのまま仙丈ヶ岳を経由して北岳、農鳥岳に行って、温泉入って…あれは気持ちよかったなぁ

お父さんの昔話②

50年前の話だそうです。
相当クレイジー。

その後は車をピックアップして、3日ぶりのお風呂とサウナに入って、帰る元気も無いので松本の漫喫で仮眠してから帰路へ。

こうやって思い出を振り返っていると本当に濃密な3日間で、1週間ずっと山に居たような感覚。
山が好きな自分にとって極上の時間すぎました。

誘ってくれたカズとギガンテス・アルティメット・サヤティスには感謝。
次の山行は、どこにしようかね。

以上、北アルプス表銀座縦走記録でした。
最後までご覧いただき、感謝です。

槍ヶ岳山頂にて


ふたりについて

○カズ
https://www.instagram.com/kazkaz9n/
○ギガンテス・アルティメット・サヤティス
https://www.instagram.com/sayaka_0802/

撮影機材

カメラ:α9ii, GRiii
レンズ:Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 C/Y Lens Mount
マウントアダプター:C/Y Lens Mount to Sony E Camera Mount

オススメの三脚雲台

記念写真、星空を撮るだけの為に三脚を持っていくのは大変なので
PROTOTYPE OPTION prop02を活用して記念写真


山行記録

行動時間:26時間33分
距離:39.0km
のぼり:3,127m
くだり:3,080m
歩数:76,800歩

それでは、また!

Syuheiinoue

今後の活動やプロジェクトに活用させて頂きます。ありがとうございます!